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事業経営に欠かせない「議決権」とは? 行使方法まで詳しく解説!

著者:   bizocean事務局

事業経営に欠かせない「議決権」とは? 行使方法まで詳しく解説!

会社を設立するなら議決権についてよく知ることが重要です。

議決権の割合は事業経営に大きな影響を与えるため、仕組みを理解していないと思い通りの経営ができません。

そこでこの記事では、議決権の概要や議決権比率について詳しく紹介します。


議決権とは

議決権は、株主総会で決議に参加し、票を投じる権利のことです。通常「1単元株に対して、1つの議決権」が与えられます。

株主総会にて、会社の運営や資産の利用に関する重要な事案を決める際、議決権を有する株主が、賛成または反対の投票を行います。

特筆すべきは、1人1票ではなく、保有する株の数量に応じて投票権が決まる点です。

したがって、株主が保有する株数が多いほど、その影響力が大きくなります。

議決権は株主の権利である

議決権は株主の権利のひとつです。株式会社を設立する際、発起人が定款を作成し出資を行い、設立登記を済ませます。

その後、発起人が会社設立時の株主となるため、議決権は発起人が有することになります。

株主は株式を保有することで、株式の引受価額を限度として責任を負わなければなりません。同時に、「自益権」と「共益権」という2つの権利を有するのが一般的です。

自益権とは、株主が会社から直接経済的な利益を受ける権利であり、剰余金の配当を受ける権利(剰余金配当請求権)などが含まれます。

一方、共益権は会社経営に参与する権利であり、株主総会での議決権や取締役の業務執行等を監督・是正する権限が含まれます。

株式の保有数と議決権について

先述のとおり、議決権は株主が保有する株式の数量に大きく関わるため、多くの株式を持っているほど、より多くの議決権を行使できる機会があります。

ただし、企業が「議決権のない株式」を発行した場合、株主であっても意見を述べることは難しくなり、経営に関する重要な意思決定に影響を与えることができません。

株主が積極的に企業経営に参与するためには、保有する株式が議決権を伴っているかが重要です。


議決権比率について

ここでは、議決権比率について紹介します。

持株比率との違いや、議決権を持たない株式に関して注意しましょう。

議決権比率とは

議決権比率とは、企業の議決権のうち、特定の株主がどれだけの割合を有しているかを示す指標です。

比率は、以下の計算式で求められます。

議決権比率(%)= (保有する議決権の数 ÷ 行使できる議決権の合計数)× 100

算出した値が高ければ、株主は企業の意思決定において、より大きな影響力を持っていることを意味します。

ただし、すべての株式が議決権を伴っているわけではありません。一部の株式には議決権が付与されていないため、この点を考慮することが重要です。

議決権比率は、企業の経営に参加し、影響を与える上での「株主の相対的な力を表す指標」となります。

持株比率とは

持株比率は、企業が発行している総株式数に対して、どれほどの株式を保有しているかの割合を示す指標です。計算式は、次のとおりです。

持株比率(%)= 持株数 ÷ 発行済み株式数 × 100

1株につき1つの議決権を定めていた場合、持株比率は通常、株主総会の投票数の比率と同じになります。

一方、議決権を伴わない場合は一致せず、持株比率と議決権比率は異なります。

持株比率は「企業における株主の影響力を表す指標」であり、大きな持株比率を有する株主は、企業経営において重要な発言力を持つでしょう。

議決権をもたない株式とは

議決権のない株式には、下記の3種類が存在します。

  • 自己株式
  • 単元未満株式
  • 議決権制限株式

「自己株式」は、企業が自ら保有する株式であり、敵対的な買収を防ぐ手段となります。

「単元未満株式」は、株式の売買時に定められている最低取引単位に満たない株式を指し、達していない株主は議決権を行使できません。

「議決権制限株式」は名前のとおり、議決権が制限されている株式のことです。これにより、一部の株主が特定の意思決定に対して影響を与えにくくなります。

上述の株式は、企業の経営を安定化させたり、特定の株主が急激な影響を及ぼすことを防ぐ目的で導入されるケースがあります。


議決権行使をする方法

議決権行使をするには、まず議決権行使書を手に入れ、提出する必要があります。

ここからは、議決権行使の方法について解説します。

議決権行使書を手に入れる

議決権を行使するために欠かせないのが「議決権行使書」です。この書類があれば、株主総会に参加することが可能となり、総会への入場券のような役割を果たします。

議決権行使書は通常、株主総会招集通知書と一緒に同封され、基準日現在で議決権を有する株主に対して郵送されます。

保有する株式に応じて議決権が与えられ、行使するためには議決権行使書を手に入れなければなりません。

株主総会に出席できない場合

株主総会へ出席できない場合は、事前に議決権行使書を送付して、決議事項に関する賛否を示すことが可能です。

この際、個人情報の保護を考慮し、送付内容はシールで隠してから郵送します。

一部企業では、インターネット上で議決権行使書を提出できる場合もあります。現場へ出席できない状況でも、リモートから意見を表明することが可能です。

株主総会への参加が難しい場合でも、議決権行使を通じて株主の声を届ける手段が提供されています。

議決権行使書を提出しなかった場合

株主総会に出席しなかった場合、あるいは議決権行使書を提出しないまま株主総会が終了した場合、株主に法的なペナルティは課されません。

株主総会は、今後の会社の方針や重要事項を話し合う意思決定の場であるため、参加や議決権行使の重要性は高いです。株主の積極的な参加がないと、将来的な方策や基盤に影響を与えるリスクが生じます。

一部企業では、株主に対する特典として「優待」や「プレゼント」を提供して、議決権行使の促進を図っています。

株主が積極的に参加し、活発な議論をすることで、企業と株主の双方に利益が生まれる仕組みです。


まとめ

議決権は、株主総会で決議に参加し、票を投じる権利のことです。基本的には1単元株に対して1つの議決権が付与されます。

議決権を行使するためには、議決権行使書が必要です。株主総会に参加するための入場券のような役割を持ちます。

株式を多く保有しているとその分議決権を行使できて影響力が大きくなりますが、企業が議決権を持たない株式を発行している場合には、経営の意思決定に影響を与えられません。

企業は議決権についてよく理解することで、リスクの少ない事業経営ができるようになるでしょう。


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bizocean事務局

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