【2026年下半期】企業が今すぐ知っておくべき法改正と制度見直しとは~人事・法務担当者が施行直前に確認すべきポイント~
※本記事は2026年9月時点の法令・公表資料に基づいています。
はじめに~2026年下半期、企業の労務・コンプライアンス管理は転換点へ~
2026年下半期は、企業の労務管理やコンプライアンス体制に大きな影響を与える制度変更が相次ぎます。
特に重要なのが、2026年10月1日に施行される「カスタマーハラスメント対策」と「求職者等に対するセクシャルハラスメント対策」の義務化、そして12月1日に施行される改正公益通報者保護法です。
いずれも単なる社内ルールの変更ではありません。従業員や求職者、公益通報者を保護するため、企業には方針の明確化や相談体制の整備、適切な事後対応等が求められます。
また、労働基準法をはじめとする労働基準関係法制についても、連続勤務、勤務間インターバル、副業・兼業等幅広い論点で見直しの議論が続いています。ただし、これらは2026年9月時点では法改正として成立していないものも多く、確定した制度と今後の検討事項を分けて理解することが重要です。
人事労務部門や法務部門だけでなく、経営層、営業・カスタマーサポート部門、店舗責任者、採用担当者、管理職等、幅広い部署で準備が必要になります。
こうした全社的な対応をスムーズに進めていただくため、会員の方限定で「2026年下半期版 法改正スケジュール」を無料でご用意しました。いつ、どの部署が、何をすべきかが一目で分かる資料となっておりますので、ぜひダウンロードして社内での共有や準備にお役立てください。
2026年下半期に確認しておきたい3つの法改正と1つの制度見直し動向
企業が2026年下半期に把握し、必要な準備を進めておきたい主な制度は次のとおりです。
| 法改正・制度見直し | 時期 | 主に対応が必要となる部署 |
|---|---|---|
| カスタマーハラスメント対策の義務化 | 2026年10月施行予定 | 営業、カスタマーサポート、店舗運営、人事労務、法務等 |
| 求職者等に対するセクハラ対策の義務化 | 2026年10月施行予定 | 採用、人事労務、法務、面接官・リクルーター等 |
| 公益通報者保護法の改正 | 2026年12月施行予定 | 内部監査、コンプライアンス、人事労務、法務等 |
| 労働基準法の見直し | 時期未定 | 人事労務、経理財務、管理職等 |
前の3つはすでに法律が成立し、施行日も決まっています。一方、労働基準関係法制については研究会や労働政策審議会等で議論が続いている段階であり、現時点で導入が確定していない制度もあります。
両者を混同せず、「施行に向けて対応しなければならない制度」と「今後の動向を確認しておくべき制度」に分けて準備することが大切です。
法改正対応の「落とし穴」~施行直前まで後回しにするリスク~
法改正対応で注意したいのが、「施行日が近づいてから対応すればよい」「これまで問題が起きていないから大丈夫」と判断してしまうことです。
今回の改正では、単に就業規則の文言を変えるだけではなく、相談窓口の設定、社内ルールの策定、従業員への周知、相談を受けた場合の対応フロー等、実際に機能する体制を整えておくことが重要になります。
特にハラスメント対策では、制度を作っただけでは不十分です。現場の従業員や管理職が「どのような行為が問題になるのか」「問題が起きたとき誰に相談するのか」「相談を受けた側はどう対応するのか」を理解できる状態にしておく必要があります。
義務違反があった場合にどのような行政措置等が行われるかは法律によって異なりますが、適切な対応を怠れば、行政上の対応だけでなく、従業員の離職、採用力の低下、企業イメージの悪化等につながる可能性もあります。
人材流出(連鎖的な離職)のリスク
ハラスメントや内部通報に適切に対応できない職場環境は、被害者だけでなく周囲の従業員のエンゲージメントも著しく低下させます。適切な対応を怠れば、従業員の離職につながる可能性があります。「会社は守ってくれない」という不信感が蔓延すれば、優秀な人材が連鎖的に離職していく事態を招きかねません。
採用力の致命的な低下
現代の求職者は、企業のコンプライアンス姿勢や職場環境を厳しくチェックしています。対応が不十分であるというネガティブな情報が広がれば、採用力の低下につながる可能性があります。応募者の激減や内定辞退の増加など、採用活動への悪影響は避けられません。
企業イメージ・ブランドの失墜
ひとたび問題が表面化すれば、企業イメージの悪化等につながる可能性もあります。取引先からの信用低下や顧客離れを引き起こし、一度失われた信頼を回復するには膨大な時間とコストが必要となります。
法改正対応は単なる「就業規則の変更」ではありません。公益通報制度を適切に運用できれば、企業内部の問題を早期に発見し、重大な不祥事へ発展する前に是正できる可能性も高まります。自社のリスク管理や企業価値向上につなげていく重要な経営課題として捉える視点が不可欠です。
では、それぞれの制度について、どのような対応が必要になるのでしょうか。
① カスハラ対策の義務化【2026年10月1日施行】
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