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株価収益率(PER)とは? 意味や計算方法を解説

監修者:西岡社会保険労務士事務所 代表  西岡 秀泰

株価収益率(PER)とは? 意味や計算方法を解説

株価収益率(PER)は、企業の成長性を判断するための指標の一つです。

高ければ高いほど、市場から高く評価されていると言えますが、どのように求められるのでしょうか。

今回は、企業の価値を示す株価収益率(PER)の意味や求め方を解説します。

具体例も交えてわかりやすく説明しますので、自社の株価収益率を分析する際の参考にしてください。


株価収益率(PER)とは?

まずは、株価収益率(PER)とは何かについて、解説します。

株価収益率(PER)の意味

株価収益率(PER=Price Earnings Ratio)は、自社の利益から株価が高いか安いかを判断する指標です。

投資家の視点から「株価が1株当たり利益の何倍か」を表すと説明されますが、企業は「自社の株式時価総額が(税引後)純利益の何倍か」と考えると良いでしょう。

株価収益率が高いと株価は高く、低ければ株価は低く評価されていると言えます。

株価が高く評価されるのは、市場から今後高い収益が見込めると判断されているからです。

株価収益率の水準

株価収益率の適正な水準について、明確な定義はありません。

ただ、日経平均の株価収益率は、2008年度以降おおむね13〜18倍の範囲内で推移しています。

この数値が一応の目安ではありますが、景気が良くなると株価収益率はアップし、悪くなるとダウンするため、絶対的な基準ではないことに注意しましょう。

また、業種によっても株価収益率の水準は異なります。

株価収益率が高い場合、低い場合

一般的に株価収益率が高い企業とは、現在収益性が高く、今後も高い収益が見込める企業や、新商品の開発や市場環境の好転などにより、今後収益性が高まると予想される企業です。

利益が増加した時、株式の時価総額が変わらなければ株価収益率は下がります。

しかし、市場から今後も高い収益が見込めると評価され、利益以上に株価が上昇すれば、株価収益率は高くなります

よって、株式収益率が高い場合、経営環境が良い、または他社より競争力のある状態と言えるでしょう。

一方、株価収益率が低いのは、収益と比較して株価が低く評価されているケースです。

企業の収益が伸び悩んだり、市場の縮小やライバル企業の躍進により収益の減少が見込まれたりすると、株価収益率が低くなります。

経営環境が悪い、または他社より競争力が劣る状態と言えます。

株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の違い

株価純資産倍率(PBR=Price Book-value Ratio)とは、「株価(時価総額)が純資産の何倍か」を表す指標です。

株価純資産倍率が高いほど、市場から株価が高く評価されていることになります。

株価収益率と株価純資産倍率は、どちらも株価が高いか低いかを判断する時の指標ですが、何を基準に株価の高低を判断するかが異なります。

株価収益率は「純利益」、株価純資産倍率は「純資産」を判断材料としています。

PERとPBRの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。


株価収益率の求め方

ここからは、株価収益率の計算方法について解説します。

計算の具体例も紹介しますので、参考にしてください。

株価収益率の計算方法

株価収益率は、下記のように計算されます。

①株価収益率=株価÷1株当たりの利益(EPS)

または

②株価収益率=株式時価総額÷(税引後)純利益

①は投資家の視点からの計算式、②は企業から見た計算式です。

株価収益率が20倍の場合、20年間同じ純利益を継続できれば、株式時価総額と同額になります。

株価の上昇に比例して株価収益率は高くなり、株価が下がれば株価収益率は低くなります。

株価収益率の計算例

次のモデルケースを使って、株価収益率を計算してみましょう。

  • A社…株価2,000円、1株当たり利益100円
  • B社…株価1,000円、1株当たり利益100円

A社とB社の株価収益率は、次の通りです。

  • A社の株価収益率=2,000円÷100円=20倍
  • B社の株価収益率=1,000円÷100円=10倍

1株当たり利益は両社同じですが、株価の高いA社のほうが、B社よりも株価収益率は高くなります。A社のほうが、将来の収益力は高いと市場が判断した結果です。

前述の通り、株価収益率は相対的な指標と言えます。他社や業界平均、過去の実績などと比較して、株価収益率が高いか安いかを判断します。


株価収益率のまとめ

株価収益率は、企業の利益から株価が高いか安いか判断するための指標です。

「株価÷1株当たりの利益」

で求められます。

株価収益率が高いほど、市場から高く評価されている良い経営環境と言えるでしょう。

ただし、株価収益率は相対的な指標であり、競合他社や業界平均、過去の実績と比較しながら判断しなければなりません。

景気の良し悪しにも左右される指標ですので、自社の株式収益率を分析する時は注意してください。

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監修者プロフィール

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西岡 秀泰

西岡社会保険労務士事務所 代表

生命保険会社に25年勤務し、FPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。
2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。
得意分野は、人事・労務、金融全般、生命保険、公的年金など。

【保有資格】社会保険労務士/2級FP技能士

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