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CAGRとは?意味や計算式、ツールを活用する方法を解説

監修者: 一級ファイナンシャル・プラニング技能士  川崎 翔太

CAGRとは?意味や計算式、ツールを活用する方法を解説

英語の「Compound Average Growth Rate(年平均成長率)」から頭文字をとったCAGRは、特定の期間における企業の成長を大まかに捉えるのに有用な数値です。

企業の今後の成長予測や直近の成長傾向とその要因を探るうえで便利な指標で、投資する際などの判断材料などに活用されています。

CAGRの意味や算出によりわかること、具体的な算出方法や自動計算サイトなどの情報をまとめました。算出したCAGRの活用方法もあるので、参考にしてください。


CAGRとは?

CAGR(シーエージーアール)は、特定期間における企業の成長率から、1年当たりの幾何平均を求めたものです。企業の成長を大まかに理解できるCAGRの意味や算出する理由を解説します。

CAGRの意味

CAGRは英語の「Compound Average Growth Rate(年平均成長率)」から頭文字をとった表現で、そのまま「シーエージーアール」と読みます。

CAGRが指し示す年平均成長率とは、企業の複数年の成長率から1年あたりの幾何平均(きかへいきん)を求めたもののことを指します。幾何平均とは、比率や割合で変化するものの平均を意味しています。

CAGRを算出する理由

  • 数値の大きさで大まかな成長性がわかる

CAGRを算出することで、特定の期間における企業の成長性を、大まかに捉えることができます。

CAGRは、基本的には大きければ大きいほど良いとされる指標です。CAGRが大きければ、それだけ成長率が高いということで、企業分析を行ううえで役立つ指標となります。

  • 長期の成長性を予想することができる

CAGR算出により導かれた過去の成長率を参考に、その先の未来の成長率を予想することも可能です。

投資などをする際の判断材料として役立つ指標となりますが、あまりにも先の未来の予測となると、現実に即していない場合もあるので注意が必要です。

  • 直近の成長性に突発性がないか確認できる

CAGRの計算上、年数を伸ばしたり縮めたりすることで、成長率が一時的なものなのか、毎期安定して成長しているものなのか、判断することができます。

一時的な成長である場合は持続しないケースも少なくないため、投資でリスクを回避するために有用な情報となります。


CAGRの求め方は?計算式を紹介

CAGRは以下の計算式により算出することができます。

CAGR=(N年度の売上/初年度の売上)^{1/(N年度-初年度)}-1

「^(ハットキャット)」は累乗の記号であり、「{1/(N年度-初年度)}-1」の部分の計算結果が累乗の値となるわけです。

つまり、CAGRは、「N年度の売上を初年の売上高で割った値」を「1/経過年数」で累乗して求めることができます。


CAGRをツールで計算する方法

CAGRを計算するには、表計算ソフトや自動算出サイトを活用することがおすすめです。

一つひとつ手作業で計算することも可能ではありますが、便利なツールを利用することで、スピーディに間違いなく算出することができます。おすすめのCAGR計算方法をご紹介します。

CAGRの計算方法1:エクセル(Excel)

CAGRを計算する際には、マイクロソフト社の表計算ソフト「エクセル(Excel)」の使用が便利です。

エクセル(Excel)はWindows PCであれば基本的には標準で搭載されていますので、誰でも手軽にフォーマットを作成してCAGRを計算できるメリットがあります。

以下にエクセルによりCAGR計算用フォーマットを作る際の方法を紹介します。手順に従って作業すれば、どなたでも簡単に望む企業のCAGRを算出できるでしょう。

  1. 1Aセルに「年度」、2Aセルに「売上高」という項目を作ります。
  2. 行1「年度」と行2「売上高」の各行に、CAGRを知りたい企業の数値を入力していきます。
  3. 任意のセルに「CAGR」の項目を作り、隣のセルに以下を入力します。
    「=(F2/B2)^(1/(F1-B1))-1」

手順3.の「=(F2/B2)^(1/(F1-B1))-1」は、

CAGR計算式における(N年度の売上/初年度の売上)^{1/(N年度-初年度)}-1

を意味しています。

Excelに不慣れな方の場合、なぜこの算式になるのか理解できない可能性もあります。しかし、フォーマットさえ1度完成させてしまえば、以降ずっと使えるものになります。最初は大変かもしれませんが、チャレンジする価値は大いにあります。

CAGRの計算方法2:Googleスプレッドシート

Googleスプレッドシートを用いてCAGRの計算を行うこともできます。この際も、基本的な方法はエクセル(Excel)の場合と同じです。

スプレッドシートで表を作成して年度と売上高の項目を作り、任意のセルに「=(F2/B2)^(1/(F1-B1))-1」と入力します。

PCによってはExcelが標準搭載されていなかったり、有料で購入しなければならない場合もあります。そうしたケースでは、無料で使えるスプレッドシートが良いでしょう。

Googleスプレッドシートはオンラインで使用するためダウンロードは不要ですが、利用に際してGoogleアカウントを作成する必要があります。

CAGRの計算方法3:自動計算サイト・ツール

エクセル(Excel)やGoogleスプレッドシートでは、簡単なフォーマット作成でCAGRを自動計算することができます。しかし、計算式などの入力や構築、グラフ化などの作業はすべて1から自分で行わなくてはなりません。

その点、自動計算サイトであれば、計算式や便利機能などに使いやすく完成されたツールが提供されています。自身で作成する手間なく、手軽にCAGRを算出することができます。

おすすめのCAGR自動計算サイトを紹介します。

サイト名

url

概要

使用方法

年平均成長率-高精度計算サイト

http://keisan.casio.jp/exec/system/1317092435

とても簡単に計算できるうえ、結果も見やすくて便利なCAGR自動計算サイトです。印刷機能などの便利な機能もあります。

1.データ(表入力)に売上金額を入力

2.「計算」ボタンをクリック

この2つの手順だけで、算出された前年比率が表にできます。また、棒グラフでの表示も可能です。


CAGRの活用方法

  • 規模の違う企業の比較が可能

売上高が1億の企業と10億の企業とでは、事業規模の大きさから一見10億の企業の方が良く見えてしまいがちです。しかし、成長率であれば「規模」という先入観を取り払い、純粋な伸び代を見ることができるため、企業に将来性があるかどうかの判断に大いに役立ちます。

  • 1企業単位ではなく業界単位のCAGRがわかる

CAGRを算出する際の年数の長さを固定し、同業界・同業種の企業を分析することで大まかな業界CAGRの算出が可能です。

業種・業種毎に成長率の良い・悪いがわかるほか、業界・業種平均を出すことで、分析したい企業が平均と比べてどうなのかという比較もでき、企業分析において非常に役立ちます。

  • 特殊要因の分析や突発性の確認が可能

CAGRを用いることで、成長率が一時的なものなのか、毎期安定しているものなのかを判断することができます。

例えばある年の成長率が高かった場合、その高い理由が偶然なのか、それとも何かに起因し継続するものなのかなど、要因を分析することが可能です。これは、企業分析するうえで役立つ情報となります。


CAGRについてのまとめ

「Compound Average Growth Rate(年平均成長率)」から頭文字をとった「CAGR(シーエージーアール)」は、企業の成長性を大まかに捉えるのに便利な指標です。

CAGRを算出することで、企業の成長性がわかるほか、未来の成長を予測したり、直近の成長が偶発的なものでないかを確認したりすることができ、投資などの際の企業分析に役立つのです。

CAGRの算出には、表計算ソフトや専用の自動算出サイトが便利です。上手に活用してスピーディに正確なCAGRを算出し、企業分析や業界比較などに役立てましょう。

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監修者プロフィール

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川崎 翔太

一級ファイナンシャル・プラニング技能士

東証一部上場金融機関に勤め、以後投信生保販売業務や法人融資業務に従事。

2019年に独学で1級ファイナンシャルプランニング技能士に合格。

個人・法人問わず幅広くライフプランや節税相談を行っておりFP分野全般を得意とする。

現在新たに事業承継・M&A分野の業務も行っており日々活動の幅を広げている。

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