CCOの役割とはなにか|CEOとの違い・具体的な仕事内容を紹介
CCOは最高顧問責任者のことで、企業の顧客満足度に対して全責任をもつ役職です。
顧客データの分析やコールセンターの視察、社内体制の整備など、業務内容は多岐にわたります。
この記事ではCCOの導入を検討する経営層に向けて、CCOの特徴や役割、具体的な業務内容などを解説しました。
また、本記事の後半部分では、CCOを導入した企業事例をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
CCO(最高顧客責任者)とは
CCOは(Chief Customer Officer)チーフカスタマーオフィサーの略で、最高顧問責任者のことです。
最高顧問責任者とは、顧客基盤からの利益最大化に向けた戦略決定の責任を持つ経営幹部のポジションです。
チーフコンテンツオフィサーや最高コンテンツ責任者とも呼ばれており、CCOは顧客満足度に大きな責任を負う役員です。
また、近年ではCCOに顧客とのやり取りの責任をすべて任せる企業が多いでしょう。
CCOが注目される理由
近年のビジネスモデルの変化は著しいため、CCOは非常に大きな注目を集めています。
従来よりも多くの企業が、商品を通じて顧客が理想の未来へ向かっていくカスタマーサクセスの重要性に、より目を向けるようになったためです。
例えばITサービスや家電商品、自動車販売などの業界では、購入後のアフターサービスを充実化して、いかに顧客の心を掴むかという戦略をとっています。
将来的な売上や口コミによる新規顧客の獲得を期待でき、SNSの普及や労働人口の減少などの変化に対応できるでしょう。
CEO・CFO・CROとの違い
CEO・CFO・CROとの違いを表にまとめました。
役職 |
名称 |
具体的な業務内容 |
---|---|---|
CEO(Chief Executive Officer) |
最高経営責任者 |
企業全体の戦略策定・実行、組織の統括・マネジメント、株主とのコミュニケーション |
CFO(Chief Financial Officer) |
最高財務責任者 |
資金調達の計画・実行、財務報告書の作成・開示、税務申告・監査対応 |
CRO(Chief Risk Officer) |
最高リスク管理責任者 |
リスクマネジメント戦略の策定、リスク評価・監視、リスク管理システムの構築 |
CEOは会社の経営方針決定などの最終的な責任を負う役員です。
一方、CFOは財務のプロフェッショナルで戦略などの全責任を負う役員で、CROは各部門の中心としてカスタマーサクセスに取り組む役員です。
CCOが担う役割
CCOは主に4つの役割を担っています。詳しく見ていきましょう。
顧客への提供価値を最大化
CCOは顧客への提供価値の最大化のために、的確な顧客ニーズの把握や製品サービスの問題点の解決などを任されています。
より多くの価値を提供して顧客満足度を高め、顧客ロイヤルティを獲得するのが重要なためです。
顧客ロイヤリティとは、顧客が商品やサービスに対して寄せる信頼や愛着のことです。
このような取り組みは、新規顧客やリピーター獲得にもつながり、企業の売上増加にも直結するでしょう。
顧客分析のためのリサーチや戦略立案
CCOは戦略立案のために顧客分析のリサーチや、会社全体におけるリサーチのためにスケジューリングします。
すべての部門と連携し、先ほど解説した顧客への提供価値の最大化を実現するための戦略を実行します。
提供価値を最大化するには、CCOのみならず企業内の部門の協力が必要なためです。
顧客ファーストという姿勢をアピール
顧客ファーストのアピールは、さらなる顧客ロイヤルティ獲得につながるでしょう。
なぜなら、顧客が顧客満足度向上の取り組みを知るきっかけになるためです。顧客ファーストの姿勢を上手に示せれば、顧客からの信頼度が高まるでしょう。
顧客ファーストの考えを社内に浸透させる
顧客ファースト姿勢のアピールと同時に、顧客ファーストの考えを社内に浸透させることも重要です。
企業が顧客ファーストの姿勢を見せているのにもかかわらず、お客様がその姿勢を従業員から感じなければ、顧客満足度の低下につながりかねません。
組織全体による顧客データの利用や顧客中心のビジネス目標を設定すると、顧客ファーストの考えを社内に浸透させられるでしょう。
CCOの具体的な仕事内容
CCOの具体的な仕事内容は主に4種類ですので、詳しく解説します。
ミーティングで意見交換の場を設ける
CCOはカスタマーセンターやコールセンターの担当者などと、ミーティングで意見交換の場を設けます。
普段から顧客と直接接する社内のスタッフと意見交換することで、お客様の口コミや意見を集められるためです。
お客様の直接的な意見は顧客満足度向上に直結する要素ですので、貴重な情報になるでしょう。
コールセンターなどの視察
CCOはコールセンターやカスタマーセンターなどに出向いて視察し、戦略の立案に活かします。
現場の視察でしか得られない顧客ニーズを理解するためです。
また、企業によってCCOは最高コンテンツ責任者の役割を担うケースがあるでしょう。その場合は、商品企画の部門やマーケティング部門、コンテンツ部門への視察もおこないます。
データ分析
CCOは社内で得たさまざまな情報をもとに、今後のビジネス戦略を考えます。例えば、リピート率が低いとデータ分析で明らかになった場合、リピート率を向上させるための施策や具体的な戦略を組み立てます。
また、商品購入後のアフターサービスや、クレームなどの情報も分析し解決策を模索します。
カスタマーサクセスを最大化するための組織体制
顧客とのコミュニケーションや顧客ニーズの把握などが必要ですので、CCOはカスタマーサクセスを最大化するための組織体制を整えなければなりません。
具体的には、次のような取り組みが行われます。
- 顧客サポート部門の充実化
- 社員教育の充実化
組織体制が十分に整えられると、顧客満足度や企業価値の向上につながるでしょう。
CCOの導入事例
CCOの導入事例を3社紹介いたします。
FORCAS
FORCASは、顧客データ分析やマーケティングのプラットフォームを提供する企業です。
FORCASでは、CCOを設置しビジネスプロセスに関わる人や部門が同じ目線で連携し、顧客と向き合えるように取り組んでいます。
また、2019年からは「SaaSオープン採用」を行っており、顧客満足度向上のための組織体制の強化を図っています。
Repro
Reproは、Webやアプリでマーケティングを支援する企業です。
Reproは「クライアントファースト」をバリューの1つとして掲げており、CCOを設置するとともにカスタマーサクセスの部門を設けています。
ReproCCOは同社HPで「部門を超えたバリューの浸透や強化に努め、当社のビジョンである“世界で最も価値あるマーケティングソリューションの実現”に貢献してまいります。」と述べています。
ウォルマート
アメリカの大手小売企業で、世界最大の小売企業の1つであるウォルマートでも、CCOを設置し顧客満足度向上の取り組みを実施しています。
ウォルマートのCCOは、ウォルマートの顧客中心主義を実現するために顧客のニーズや要望を把握し、サービスや製品の改善策などを策定しています。
具体的には、オフラインの実店舗とオンラインショップをリンクさせ、顧客が商品を購入するまでの流れであるカスタマージャーニーの最適化を図るなどが挙げられます。
CCOについてのまとめ
CCOはカスタマーサクセスの責任をすべて請け負っている役員のことで、顧客満足度の最大化を試行錯誤する役割を担います。
自社の顧客満足度を課題に感じている経営層の方は、ぜひ本記事を参考にしながらCCOの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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