勤怠管理機能を搭載したグループウェア8選! 導入メリットや選定ポイントを解説

グループウェアとは、企業内のコミュニケーションや情報共有を促進するためのソフトウェアです。近年では勤怠管理機能を搭載したグループウェアが増えており、業務効率化と労務管理の一元化を実現しています。
しかし、グループウェアごとに搭載している勤怠管理機能は異なるため、導入時には注意が必要です。
本記事では、勤怠管理機能を搭載したグループウェアの特徴や導入メリット、選定ポイントについて詳しく解説します。
- クラウドベースの柔軟な打刻システム
- リアルタイムでの勤怠状況把握
- 勤怠データの自動集計と分析
- 勤怠申請・承認ワークフローの統合
これらの機能により、企業は労務管理の効率化と正確性の向上を実現できます。以下では、各機能の詳細について解説します。
クラウドベースの柔軟な打刻システム
クラウド型勤怠管理システムは、場所を問わずに勤怠記録が可能です。
従業員は、オフィス、在宅、外出先など、どこからでもスマートフォンやPCで簡単に打刻できます。そのため、テレワークやフレックスタイム制を導入している企業に有効です。
また、従業員は自身の勤務状況を瞬時に記録できるため、正確な労働時間管理が可能になります。GPSやIPアドレスによる位置情報の記録機能を持つシステムもあり、外勤や在宅勤務の管理も容易です。
リアルタイムでの勤怠状況把握
グループウェアの勤怠機能は、勤怠情報の更新と共有ができます。管理者は従業員の出退勤状況をリアルタイムで確認できるため、急な欠勤や遅刻にも迅速に対応可能です。
また、従業員側も自身の勤務状況を常に確認できるため、労働時間を自己管理できます。これは、過剰労働の防止や業務の平準化に役立ち、ワークライフバランスの向上につながります。
勤怠データの自動集計と分析
自動集計・分析機能を活用することで、膨大な時間を要していた勤怠データの処理を瞬時に行えます。これは人事担当者の負担軽減にもつながります。
また、月次報告書の作成や残業時間の集計が自動化されるため、データに基づいた労務管理の意思決定も可能です。
例えば、部署別や個人別の労働時間の傾向分析、残業の多い部署の特定、有給休暇の取得状況の把握などが容易になります。
勤怠申請・承認ワークフローの統合
勤怠申請・承認ワークフローを統合することで、紙ベースの申請書や電子メールのやり取りが不要になります。そのため、申請から承認までのプロセスが簡素化されます。
休暇申請や残業申請がシステム上で完結し、承認状況も即時に確認できるため、手続きの遅延防止にもつながるのです。
申請履歴や承認状況の一括管理も可能になるため、監査対応や労務トラブルの際の証拠資料としても役立ちます。
【関連記事はこちら】
勤怠管理システム比較19選! 自社に最適なシステムの選び方勤怠管理機能を搭載したグループウェアのメリット
勤怠管理機能を搭載したグループウェアを導入することで、企業は以下のようなメリットを享受できます。
- 労働時間の適正化と残業削減
- テレワーク・フレックスタイム制の円滑な運用
- 労務コンプライアンスの強化
- 人件費の適正化
以下では、各メリットについて詳しく解説していきます。
労働時間の適正化と残業削減
勤怠管理機能は、過剰労働の早期発見と対策を可能にし、残業の削減に貢献します。
例えば、労働時間のアラート機能や上限設定が搭載されているグループウェアがあります。これにより、長時間労働を防止でき、従業員の健康管理を促進できるのです。
また、従業員の健康維持と労働生産性の向上を両立させることは、従業員満足度の向上につながります。
さらに、自動集計機能により、36協定の遵守状況を容易に確認できるため、法令違反のリスクも軽減できます。
テレワーク・フレックスタイム制の円滑な運用
近年では、リモートワークなどオフィス以外で業務を行える企業も増加しています。グループウェアの勤怠管理は、そのような多様な働き方に対応した勤怠の管理も可能です。
例えば、リモートワークでの勤怠記録や、フレックスタイム制での労働時間計算を正確に行います。また、コアタイムの設定や変形労働時間制への対応など、企業独自の勤務ルールに柔軟に対応できるシステムも多く存在します。
労務コンプライアンスの強化
デジタル勤怠管理では、正確な労働時間を記録・保証できます。これにより、労働基準法に基づいた労働時間管理や、36協定の遵守状況のチェックが容易になります。
また、自動集計機能により、月次や年次の労働時間報告書を簡単に作成できるため、労働基準監督署への報告や社会保険労務士への提出にも便利です。
人件費の適正化
勤怠管理は、単なる時間記録のツールではありません。勤怠データの分析をすることで、戦略的な人員配置や人件費の適正化が実現するのです。
例えば、部署別、職種別の労働時間傾向を分析し、適切な人員配置や業務効率化の施策立案ができます。
また、勤怠データと業績データを連携させることで、労働時間と生産性の関係性を分析し、最適な人員配置を図れます。
勤怠管理機能を搭載したグループウェア8選
勤怠管理は、従業員の出勤・退勤時間や休暇管理を効率的に行うために欠かせないツールです。ここでは、おすすめの勤怠管理機能を備えたグループウェアをご紹介します。
シンプルで使いやすい機能が揃っているので、どの企業にも導入しやすいものばかりです。
Microsoft 365
項目 |
内容 |
月額料金 |
※すべて税抜 |
初期費用 |
0円 |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
勤怠管理機能なし |
最低利用人数 |
1人 |
Microsoft 365は、勤怠管理機能も充実しており、TeamsやOutlookと連携して社員の出勤・退勤を効率的に管理できます。
また、セキュリティの高いデータ共有やコラボレーション機能により、チーム間の連携も強化できるでしょう。さらに、AIやデータ分析機能を活用して、業務の効率化をサポートします。
サイボウズ Office
項目 |
内容 |
月額料金 |
スタンダードコース:600円/人 ※すべて税抜 |
初期費用 |
0円 |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
プレミアムコース限定でアプリケーションの追加により、勤怠管理パックの使用が可能 |
最低利用人数 |
5人 |
サイボウズ Officeは、勤怠管理機能を備えており、社員の出勤や退勤、休暇申請を簡単に管理できます。これにより、チームの業務効率が向上し、管理者はリアルタイムで勤怠状況を把握可能です。
さらに、ワークフローやファイル共有、スケジュール管理など、ビジネスに必要な機能がすべて揃っており、クラウド対応でどこからでもアクセスできます。
desknet's NEO
項目 |
内容 |
月額料金 |
※すべて税抜 |
初期費用 |
0円 |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
※アプリを作ることで使用可能 |
最低利用人数 |
5人 or 10人 |
desknet's NEOは、勤怠管理に強力な機能を備えており、従業員の出勤状況をリアルタイムで把握可能です。特に「プレゼンス」機能により、従業員のテレワークや出勤状況が一目でわかり、チームの勤怠管理を効率化します。
さらに、ノーコードツール「AppSuite」を使えば、勤怠データの集計や業務日報の作成を簡単にデジタル化でき、ペーパーレス化にも貢献します。
Lark
項目 |
内容 |
月額料金 |
スターター:無料 |
初期費用 |
0円 |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
|
最低利用人数 |
要問い合わせ |
Larkはコミュニケーションとコラボレーションを効率化するクラウドベースのツールです。勤怠管理機能を備えており、チームメンバーの出勤・退勤状況を簡単に管理できます。リアルタイムでの勤務時間の把握や、シフトの調整、タスクの進捗確認が可能で、管理業務を効率化します。
さらに、他のコラボレーションツールと統合されており、チーム全体で業務の進行状況の共有が可能です。
クロジカスケジュール管理
項目 |
内容 |
月額料金 |
フリー:0円 ※すべて税抜 |
初期費用 |
要問い合わせ |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
|
最低利用人数 |
ベーシック・プレミアムは10人 |
クロジカスケジュール管理は、スケジュール管理と勤怠管理を一元化できるツールです。社員の出勤・退勤時間を簡単に記録し、リアルタイムで状況を把握可能。
さらに、会議室の空き状況や予定調整も簡単に行えるため、業務全体の効率化をサポートします。シンプルで使いやすく、無料で始められる点が大きな魅力です。
NI Collabo 360
項目 |
内容 |
月額料金 |
※すべて税抜 |
初期費用 |
0円 |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
|
最低利用人数 |
クラウドは5人 |
NI Collabo 360は、勤怠管理機能をはじめ、経費精算やワークフローなど多機能を低価格で提供するグループウェアです。シンプルな操作で、社員の出勤・退勤を簡単に管理でき、リアルタイムでのデータ更新により業務の効率化を支援します。
さらに、クラウド対応でテレワークや外出先からもアクセス可能です。
J-MOTTO
項目 |
内容 |
月額料金 |
※すべて税抜 |
初期費用 |
0円 |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
|
最低利用人数 |
要問い合わせ |
J-MOTTOは、スケジュール管理やワークフローの効率化に加え、勤怠管理機能も提供しています。社員の出勤・退勤データを簡単に記録・管理でき、リアルタイムで情報が把握可能です。
1ユーザーあたり月額165円(税込)から利用でき、24時間サポートや無料トライアルもあり、手軽に導入できる点が大きな魅力です。
LINE WORKS
項目 |
内容 |
月額料金 |
フリー:0円 ※すべて税抜 |
初期費用 |
0円 |
主な機能 |
など |
勤怠管理機能の特徴 |
他社サービスの勤怠管理システムとの連携が可能 |
最低利用人数 |
1人 |
LINE WORKSは、LINEアプリと連携することで、社員間のコミュニケーションをシンプルかつ迅速に行える企業向けのグループウェアです。特に、勤怠管理機能を備えており、LINEで出退勤を打刻できるため、リアルタイムでの勤怠把握が簡単にできます。
さらに、勤怠の打刻漏れや不正打刻などに対する通知機能があり、効率的な勤怠管理をサポートします。
【関連記事はこちら】
グループウェア完全比較11選! 選ぶ際のポイントや注意点を解説勤怠管理機能を重視したグループウェア選びのポイント
勤怠管理機能を搭載したグループウェアを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。
- 多様な勤務形態に対応しているか
- カスタマイズ性が高いか
- モバイル対応で使いやすいか
- セキュリティ対策は十分か
これらのポイントを押さえることで、自社のニーズに合った最適なグループウェアを選択することができます。以下では、各選定ポイントについて詳しく解説していきます。
多様な勤務形態に対応しているか
働き方が多様化している現代において、勤務形態への柔軟な対応は欠かせません。導入前には、シフト制、フレックスタイム制、裁量労働制など、様々な勤務形態に対応できるか確認しましょう。
例えば、裁量労働制の従業員に対しては、みなし労働時間での管理や、実労働時間の記録機能を併用できるシステムが適しています。
また、複数の勤務地や事業所がある企業向けには、勤務地ごとのカレンダー設定や祝日設定が可能なシステムが便利です。
カスタマイズ性が高いか
グループウェアは、企業独自のルールに合わせて詳細に設定できるものを選びましょう。特に休暇の種類や残業の承認フロー、勤務時間の丸め設定など、企業特有の規則に合わせてカスタマイズできるかどうかは重要です。
また、APIを公開しているシステムであれば、他の社内システムとの連携も容易になります。
モバイル対応で使いやすいか
モバイル対応可否や使いやすさを重視することで、従業員の負担を軽減できます。特に、直感的なUI設計だと、従業員全員が抵抗なく利用可能です。
具体的には、シンプルな画面構成や大きなボタン、プッシュ通知機能などが使いやすいでしょう。また、GPSを活用した位置情報の記録機能や、オフライン対応のアプリも便利です。
セキュリティ対策は十分か
グループウェアでは、社内の多様な情報が管理されます。そのため、厳重なアクセス制御と暗号化対策を備えた信頼性の高いグループウェアを選ぶ必要があります。
具体的な選定基準は、個人情報保護法に準拠したデータ管理や、セキュリティ認証(ISO27001など)の取得がされているかという点です。
これらのセキュリティ対策が十分に施されたグループウェアを選ぶことで、従業員の個人情報や企業の機密情報を守ることができます。
【関連記事はこちら】
グループウェアとワークフローの違いは? 導入のメリットや選定のポイントも紹介グループウェアの勤怠管理機能を活用して、新しい働き方を実現しよう
グループウェアの勤怠管理機能は、効率的な労務管理と従業員満足度の向上を両立させるツールです。導入することで、労働時間の可視化と適正化、労務コンプライアンスの強化、人件費の適正化など業務における様々な効果が期待できます。
勤怠管理機能を搭載したグループウェアを比較する際には、多様な勤務形態に対応できるか、モバイル性が備わっているのか確認することが大切です。
本記事の内容を参考に、企業の特性や従業員のニーズに合った適切なツールを選択しましょう。