「取り急ぎ」って失礼? ビジネスメールでの適切な表現方法を徹底解説【例文あり】
ビジネスメールで「取り急ぎ」をよく使う方も多いのではないでしょうか。この言葉は急ぎの対応を要する場合に便利な表現ですが、誤った使い方をすると相手に失礼だと思われる可能性があるため、注意しなければなりません。
本記事では「取り急ぎ」の正しい意味や、使用する際の注意点を具体的に解説します。また、実際のメール作成時に参考になる例文も紹介します。
ビジネスメールのマナーに自信がない方も、この記事を読むことで、適切な表現を身につけられるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
ビジネスメールにおける使い方・書き方
まずはビジネスメールにおける「取り急ぎ」の使い方・書き方について、わかりやすく解説します。「取り急ぎ」は、何気なく使ってしまいがちな言葉です。使い勝手はよいですが、失礼にならないよう注意して使用する必要があります。
その1:「取り急ぎ」の意味
「とりあえず+急いで」という2つの言葉が合わさった意味の言葉です。ビジネスシーンで使われる際には、「詳細は後ほどご連絡しますが、ひとまずご連絡します」という意味で使われることが多い言葉です。
その2:使うシチュエーション
急いでいて詳しく伝える時間がない時に使う言葉であり、相手に途中経過を報告しているという意味が含まれます。
さらに、フォーマルなシチュエーションというよりも、ある程度関係性が近い方に連絡をするシチュエーションで使われる言葉です。
その3:言い換える言葉
この言葉は、あまりフォーマルな言葉とは言えず、相手によっては失礼な印象を与えてしまう恐れがあります。
取引先の方や上司に急ぎ途中経過を報告する場合は、「要件のみお伝えします」や「まずは要件のみのご報告です」など、他の言い回しを使う方が望ましいです。
ビジネスメールで失礼にならない使い方・書き方
使い方によっては失礼になってしまう言葉ですが、それでもビジネスメールで使っている方が多いのは事実です。ここでは、正しい使い方を詳しく解説します。
その1:必ずあとで詳細の連絡をする
「取り急ぎ」という言葉は、急ぎの要点のみを先に伝えるシーンで使う言葉です。なのでその後落ち着いたら、丁寧に詳細の連絡をするようにしましょう。
例えば、「取り急ぎのご報告ですが、トラブルが起きました。」とメールを上司に送った後に、詳細の連絡がないと、その上司は「どんなトラブルが起きたのか?」「トラブルは解決したのか?」と気になってしまいます。
「先程のトラブルの件の結果のご報告です。○○という内容のトラブルが発生しましたが、△△という方法で対処し、今は解決しております。」というような最終的な結果を報告するようにしましょう。
その2:時間が空いた返信の時には使わない
「取り急ぎ」は急ぎのシーンで使う言葉です。何日も返信が遅れているメールの返信に使うと、「すでに何日も対応が遅れているのに、まだ詳細の連絡ができないのか?」と失礼な対応となってしまいます。
何日も対応が遅れている場合は、この表現は使わずに、連絡すべき内容を全て丁寧にメールに記載するようにしましょう。
その3:相手に合わせて他の言い回しも使う
「取り急ぎ」という表現は、本来フォーマルな言葉ではありません。相手が目上の方や取引先の方の場合などは、前述したように、「要件のみお伝えします」や「まずは要件のみのご報告です」などの丁寧な言い回しを使うようにしましょう。
ビジネスメールの例文の書き方
ビジネス上のやり取りの場面では、「取り急ぎご報告まで」という表現を見る機会が多いかもしれません。しかし実はこの表現は適切ではありません。もし使う場合は「取り急ぎ、ご報告させていただきます」「ご報告いたします」などと、丁寧な表現を心がけましょう。
それでは、「取り急ぎ」を使った、相手に極力失礼にならない例文を2パターンご紹介します。
- 取引先の方への連絡の場合
- 上司への連絡の場合
それでは、一つずつ確認しましょう。
パターン1:取引先の方への連絡の場合
株式会社□□ ○○様
いつもお世話になっております。
先日、ご注文頂きました□□の件のご請求書を発行いたしました。
詳しくは改めて伺いますが、取り急ぎ、ご報告させていただきます。
株式会社△△ 佐藤(氏名)
パターン2:上司への連絡の場合
○○部長
お疲れ様です。
先日、ご紹介頂きました株式会社△△様の案件ですが、来月より取引を開始する運びとなりました。
詳細については、後日口頭で申し上げますが、取り急ぎ、ご報告いたします。
佐藤(氏名)
ビジネスメールでは失礼にならないように気をつけて使いましょう
ビジネスシーンの多くの場面で目にする「取り急ぎ」という言葉ですが、謝罪や感謝を伝えるメールで使うことは望ましくありません。基本的には、至急連絡しなければならない緊急事態以外では、出来るだけ使用を控えるようにしましょう。
便利でよく使われる言葉であるからこそ、使うシーンや送る相手には十分に注意をして、失礼のないような使い方を心がけるとよいですね。