オンライン面接で企業に必要な事前準備とは? 当日の流れやマナーも紹介
少し前までは、オンラインの面接は珍しいものでしたが、いつからかオンラインの面接が当たり前の時代になってきました。オンライン面接が増えた背景には、どのようなことがあるのでしょうか。
オンライン面接と聞くと、時間も移動のコストも掛からず手軽な気がします。オンライン面接を行うことでのメリット、デメリットを見ながら、本格的な導入に向けて考えていきましょう。
また、導入後の基本的な動きを確認することで、機械トラブルで慌てるといった失敗を防げます。オンライン面接を成功させることは、良い人材に巡り合う近道となるでしょう。
オンライン面接(Web面接)とは?通常の面接と何が違うのか
オンライン面接(Web面接)とは、企業の面接担当者と求人応募者が、パソコン(PC)やスマートフォン(スマホ)などのデバイス端末同士を、ネット回線でつないで行う面接を指します。時間や場所の制約を受けず、遠隔地にいながら面接できるのが特徴です。
特に、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、リモートワークが普及。オンライン面接を取り入れる企業が一気に増えました。
オンライン面接のメリットは、採用活動が効率化できることです。場所の制約がないので、遠隔地の求職者の応募が可能となり、応募者数アップが望めるほか、日程調整もしやすく、コストも削減できます。
一方で、画面越しのコミュニケーションとなるため、会話による言語情報が中心で、雰囲気や表情が伝わりづらいといったデメリットもあります※。
※参考:エン・ジャパン|454社に聞く!「オンライン面接」実態調査―『人事のミカタ』アンケート―(2020.10.28)
企業側が行うべきオンライン面接の事前準備
オンライン面接を行うにあたって、企業側が行うべき事前準備やその他について説明します。できれば、オンライン面接の前日までに準備を済ませておきましょう。
事前準備1. インターネット環境・ツール
オンライン面接は、安定したネットワーク環境が不可欠です。
おすすめは有線LAN。ポケットWi-FiやフリーWi-Fi、スマホのテザリング機能などは通信が不安定になる可能性が高く、注意が必要です。
Web会議ツールは無料も有料もありますが、グループ面接が可能、あるいは録画機能があるなど、自社の目的や用途に応じて選びましょう。
事前準備2. 書類・資料
面接官が参照できるように、事前に応募者のデータ(エントリーシートや履歴書、職務経歴書など)や評価シートを準備します。失念しやすいのは、応募者に見せる会社紹介などのスライド資料。こちらも一緒に準備しておきましょう。
事前準備3. 機器
オンライン面接には、PCやスマホ、タブレットなどの機器が必須。会話中に画面がフリーズ、音声が聞こえないなどのトラブルが起こるリスクを踏まえて、できれば機器を2台用意しておきましょう。
必要ならばWebカメラやマイク、イヤホン、照明といった機材もそろえて対応します。
事前準備4. 面接場所
オンライン面接は、社内の会議室や応接室、社外の貸し会議室などで行います。応募者のプライバシー保護の観点からも、面接と関係のない社員や作業員、来客などが映り込まないように、あらかじめWebカメラが写し出す範囲の確認が必要です。
リモートワークで面接官が自宅から実施する場合は、面接中に映る背景などに十分注意し、オフィスでの面接以上に気を引き締めて臨みましょう。
事前準備5. 面接官同士の打ち合わせ
2名以上の面接官で面接を行う場合は、あらかじめ打ち合わせをしておきましょう。
なぜなら、対面の面接なら小声で確認できるかもしれませんが、Web面接では応募者から常に見られているうえ、ちょっとしたやり取りもできない状況だからです。タイムスケジュールを作成し、実際の面接と同じシステムでリハーサルを行うほか、面接中に表示する資料や評価シートの書き方なども確認します。
その他
オンライン面接を受ける応募者のサポート体制を整えます。書類面接を通過した応募者には、Web面接ツールの使用法や必要な環境を案内するほか、不測の事態でトラブルが発生した場合に備え、当日、面接官と直接つながる電話番号を交換しておきましょう。
オンライン面接当日の流れとマナーの注意点
ここでは、オンライン面接の当日の流れをお伝えします。マナーの注意点も詳細に記しますので、ご確認ください。
1. 入室・待機
応募者に不安を与えないように、面接の関係者は面接時間までに必ずWeb面接ツールに入室して待機します。
応募者にとって面接は一度しか受けられません。不安や緊張を抱えた状態で準備している応募者に安心感をもって面接に臨んでもらうためにも、遅刻は厳禁です。できれば、面接開始10分前には入室しておきましょう。
2. 面接開始
Web会議ツールに入室した瞬間から面接が始まるため、対面よりオンラインの面接のほうが、応募者は緊張すると言われています。はじめに十分なアイスブレイクを取って、応募者の緊張をほぐすようにしましょう。
また、やり取りが画面越しで、反応が伝わりづらいのもオンライン面接の特徴です。
そこで、話を聞くリアクションを、普段よりも大きめにします。面接官の反応が薄いと、応募者は「自分の話を聞いてくれているのか」と不安になるからです。うなずきや相づちを多く取り入れ、傾聴する姿勢を醸し出します。
話すタイミングが重ならないように、応募者が話し終わったタイミングで質問するなどの配慮も必要です。
3. 面接終了・退室
面接が終了したら、企業側から速やかに退室しましょう。応募者自ら退室ボタンを押すのは、勇気がいるからです。面接終了の挨拶と同時に、「それでは失礼します」と一言添えて退室するのがスムーズです。
また、同じ面接ルームで次の面接を控えている場合は、応募者に「退室して問題ありません」という旨を伝え、退室を促してあげるといいでしょう。
注意すべきポイント
スムーズに面接を進めるために、冒頭で必ず接続確認やトラブル時の対処について伝えます。
接続状況の確認では、「互いに声がはっきり聞き取れる状態か」「相手の姿がしっかり見えているか」「音声と画面にズレが生じていないか」をチェックします。トラブルが発生した時の対処法については、起こりうる可能性を示したうえで応募者に伝えます。
チャット機能に不具合が発生する可能性もあるので、トラブル時の対応をチャット機能で伝えるのは、なるべく避けるようにしましょう。
オンライン面接を成功させるための対策
オンライン面接を成功させるための重要なポイントを、以下にまとめました。
1. オンライン面接の選考基準を定めておく
オンライン面接を成功させるために、選考基準を定めておきます。対面とオンラインでは、面接時の雰囲気や双方の表情・動作などの伝わり方も異なるからです。
「自己評価意識」や「組織内位置認識」をチェックできる質問を準備しましょう。人事選考において重要な要素である、マインドセットやパーソナリティーを見抜く役割があります。
2. 応募者へのサポートを行う
応募者の理解を深めるのも、オンライン面接を成功させるコツです。オンライン面接の場合、応募者の評価は発言内容や質疑応答といった言語コミュニケーションへの依存度が高まります。
面接で相手から多くの発言を引き出せるように、対面の面接の時よりも、履歴書や職務経歴書といった応募書類を読み込んでおきましょう。
オンライン面接についてのまとめ
コロナ禍をきっかけに増えたオンライン面接について解説しました。まとめると以下のとおりです。
- オンライン面接の当日までに事前準備や面接官との打ち合わせをすること
- オンライン面接であっても、マナーに注意すること
- オンライン面接後は、サポート体制を整えておくこと
- 対面の面接よりも応募者の書類を読み込んでおくこと
対面であってもオンラインであっても、面接は企業側も応募者側から評価されているという意識を持ちましょう。
特に、ITリテラシーの低い人が面接を担当する場合、事前準備やリハーサルは念入りにしておくと失敗が少なくて済みそうです。導入を考えている企業は、面接担当のITリテラシーも考慮して進めると良いでしょう。
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