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執行役員とは? 設置するメリット・デメリットをわかりやすく解説

著者:   bizocean編集部

本記事では、「執行役員」の「役員」との違いをはじめ、その役割や、導入するメリット・デメリットについて紹介します。

そして、執行役員の待遇といった注意すべき点を解説しますので、執行役員の制度見直しや新たな導入を検討している方は、ぜひご一読ください。


執行役員とは? 設置するメリット・デメリットをわかりやすく解説

執行役員とは

はじめに、執行役員の「果たすべき役割」と「役員との違い」について解説します。

執行役員の役割

執行役員とは、取締役に代わって会社の経営にかかわる事業を執行する者を指します。具体的には、取締役にさまざまな業務が集中し、迅速さを求める事業執行に対して適切な意思決定ができなくなるといった事態を回避するために、取締役の方針に従い設ける役職が執行役員です。

また、取締役は会社法の326条1項によって「株式会社に設置しなければならない機関」として定義されていますが、執行役員にはこのような定義は存在しません。

こういった理由から、執行役員を導入・設置するかどうかの判断は、すべて企業側の裁量に委ねられています。大体の企業では、執行役員の設置に関する議決を取締役会などで議論することになるため、会議でコミットメントを得られるように、出席者(取締役など)に対して分かりやすく説明する必要があります。

執行役員と役員の違い

「執行役員」は、その役割や存在意義について法律上定義されていません。

一方、「役員」については、会社法423条1項によって「役員等には、取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人が含まれる」と定義されています。

まず、「役員」に当たるそれぞれの役割を見ていくと、取締役は「会社内の経営における重要な意思決定を行う役割」です。

そして、会計参与は「会社の会計・財務関係などを管理し、経営状況を明示する役割」、監査役は「役員の職務をチェックし、法に抵触する行為がないかなどを監視する役割」、執行役は「法律上の役員・機関として、実際の業務執行に責任を持つ役割」となります。

一方で、執行役員は法律上の定義が存在しないため、前述した役員につく使用人の立場として従業員が割り当てられるのが一般的です。とくに、役員のひとつである「執行役」と従業員が担う「執行役員」を混同しやすいため、注意しましょう。


執行役員の導入目的

会社の経営陣(取締役など)は、経営に関する意思決定、従業員の管理・監督、事業執行など、業務が多岐にわたり多忙を極めます。これらの負担を分散させ、適切な判断・迅速な職務遂行などに支障をきたさないために執行役員が導入されます。

事業執行に関する業務が執行役員に移行されれば、経営陣(取締役)は会社の経営に集中することができ、それぞれの業務において質・スピードの向上が期待できます。

また、役員への昇進を控えた従業員に対し、経営に関する知識とノウハウを蓄積する期間として執行役員の役職を設置し、いわゆる「勉強期間」として活用する企業も存在します。

このように、企業によってさまざまな目的があるため、執行役員制度のもたらす変化が自社のニーズに合致するかどうかを見定めるのが重要です。


執行役員を設置するメリット

ここからは、執行役員を設置した場合のメリットについて、3つのポイントに分けて解説します。自社の課題解決に向けて、ぜひ参考にしてください。

取締役の業務負担が減り、経営業務への集中できる

ひとつ目のメリットは、「取締役の業務負担が減り、経営業務へ集中できること」です。

前述の通り、執行役員へ事業執行に関する業務が移行されることで経営陣(取締役)の業務負担が軽減されます。その結果、会社経営に集中できるようになり経営業務の質の向上につながります。

また、現場の従業員と比較的近い関係を持つ執行役員が事業推進にコミットすることによって、現場への指示も的確かつ迅速化できます。

そして、現場の状況を適切に把握できる者が執行役員となり、役員とのコミュニケーションを密にとることで、現場の実態や従業員の潜在的なニーズを会社の事業に反映しやすくなるのも嬉しいポイントです。

優秀な人材の活躍の場を広げられる

2つ目のメリットは、「優秀な人材の活躍の場を広げられること」です。

執行役員は、従業員の中で適任であると判断されれば選任できるため、年功序列などの制限を受けにくく、若手の抜擢が可能なポジションです。

執行役員に若手を抜擢し、一定の責任と裁量を与えることで疑似的ながら経営を経験してもらえるため、人材育成という面で大きな効果が期待できます。そして、執行役員という重要なポストに若手が選ばれる制度があると、チャレンジ精神の発生やモチベーション向上につながるため、企業の活性化にも寄与します。

「執行役員は次世代の経営を担う者」という認識を前提に、執行役員制度の導入自体を人材育成のメソッドとして考える企業も増えています。

しかし、企業の活性化や新陳代謝を促すことを目的にすると、経験の浅い従業員であるにもかかわらず、思いがけず重要な事業を執行せざるを得ないケースも出てくるため、事業失敗のリスクを想定しなければなりません。

給与を経費にできる

3つ目のメリットは、「給与を経費にできる」ことです。

執行役員は従業員の立場であるため、会計処理上は給与・賞与を経費として計上できます。執行役員を高い地位を持つポジション(より責任のある高い階級)としてマネジメントすることで、役職手当などを手厚くでき、より多くの金額を経費計上することが可能になります。

経費が増えることで、結果的に節税につなげられるなど、普段の業務以外の分野でもメリットを享受できます。


執行役員を設置するデメリット

ここからは、執行役員の設置によるデメリットについて、2つのポイントに絞って具体的に解説します。

導入の際は、メリットとデメリットを比べた上で自社への効果を判断する必要があるため、ぜひ参考にしてください。

立場や役割があいまいになる

ひとつ目のデメリットは、「立場や役割があいまいになること」です。

執行役員は、他の従業員に「経営陣の一人」として見られることが多いため、執行役員制度の導入によって、従業員からは「役員が増えた」と誤認される可能性があります。

また、多くの従業員にとっては、役員と執行役員それぞれが抱える役割と責任範囲の違いは、把握しにくい部分でもあるため注意が必要です。したがって、執行役員制度を導入する際は、役員と執行役員それぞれが果たすべき役割と責任範囲をイラストやテキストデータなどで明確にし、会社全体に周知するとよいでしょう。

意思決定の過程が複雑化し、遅延が発生する

2つ目は、「意思決定の過程が複雑化し、遅延が発生すること」です。

執行役員制度を導入する以前の業務では取締役の承認を得られれば良かったものが、執行役員を経由する必要が出ることで、意思決定までのフローが複雑化する可能性があります。

また、担当する業務に関して明確な線引きができていないと、実質的には現場と取締役の間で調整する役割(部長や課長などの管理職)と変わらないものになります。これにより、承認者が増えるだけで、結果として意思決定に要するスピードの低下を招くリスクが想定できます。

したがって、明確な意思決定フローを作成し、その周知を十分に図った上で導入しましょう。そして、朝礼などの場で就任時の挨拶を行うなどして、広く従業員への理解を促す努力が重要です。


執行役員の待遇

ここでは、執行役員の待遇について、「給与」と「定年制度」の観点から解説します。

導入後に不明点や知識不足などによるトラブルが発生しないよう、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

執行役員の給与

前提として、取締役などの役員に支払われる役員報酬は、経営方針や株主総会の結果などをもとに、期のはじめに月額が決まります。しかし、執行役員は従業員の立場であるため、役員報酬という形式ではなく、一般の従業員と同様に給料やボーナスが支払われます。そのため、会社の業績によって月ごとに給与が変動する可能性があります。

給与額については、執行役員がいない企業も多く存在するため、平均を算定するのは難しいのが実態です。一般的には、部長職よりも上の役職であるため、給与を設定する際は、部長職の給与を参考にするのが適当でしょう。

特段、参考になるような数値がなければ、執行役員に就任する従業員と相談の上、今後の基準となる給与を設定するのもひとつの手段です。

執行役員の定年制度

あくまでも、執行役員は従業員の一人としてさまざま規則やルールが適用されることになるため、基本的には会社の就業規則に従い定年退職の対象となります。そこで、就業規則に「正社員の定年を60歳、執行役員の定年を65歳とする」などと設定すれば、企業の裁量によって執行役員の定年の変更や任期延長などさまざまな工夫が可能です。

なお、こういった規則の変更は、のちにトラブルの原因となりやすい側面もあります。執行役員制度を導入する場合には専門家の意見(会社の顧問弁護士など)を仰ぐなどして、規則を明確にしておくことが重要です。また、役員には定年制度がなく、役員就業規定などで明記されていなければ、永続的に役員でいることができます。


まとめ

執行役員とは、取締役の代わりに事業を執行する役割をもった従業員であり、役員には当たりません。

より現場に近いポジションである執行役員が意思決定に責任を持つことで、スムーズな事業推進が可能となります。また、執行役員によって役員の負担を分散できるほか、従業員に経営業務を教育する目的で導入することもあります。

しかし、その責任の範囲と役割を会社全体で共有しなければ、「意思決定の過程が複雑化」するだけで、執行役員の導入が逆効果となるリスクも考えられます。

したがって、執行役員の導入を検討している経営者の方は、起こり得る影響をシミュレーションし、「本当に自社に必要なのか」などを明確にした上で、導入を進めてください。

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