お礼状の書き方を例文つきで解説!【無料テンプレートあり】
お礼状は、感謝の気持ちを伝えるために送るものです。
贈り物やお祝いをいただいたり、お世話になったりしたときには、できるだけその日のうちにお礼状を送るのがよいでしょう。
電話でお礼の気持ちを伝えた場合でも、改めて手紙やはがきでお礼状を送るのがマナーです。
また、自分なりの言葉を付け加えると、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
本コラムでは、手紙やはがきに使えるテンプレートや書き方についてご説明します。
お礼状の書き方とテンプレート例文集
ここでは、実際にお礼状を書くときに使える文例をご紹介します。
よくあるシーン別のポイントも紹介しているので、ぜひご参考ください。
喜ばれるお礼状の文例について
お礼状を書くときに気をつけたいのが、杓子定規になりすぎないということです。礼儀を重視するあまり、文例丸写しになってしまうことはありませんか?
それでは、相手に冷たい印象を与えてしまいます。文章中に具体的なエピソードが盛り込まれていると、とても喜ばれます。自分の行為をどのくらい喜んでもらえたのか、知ることができるからです。
このように、あたたかいお礼状を受け取ったら嬉しいものです。喜ばれる文例をいくつか挙げてみましょう。
- この度はご丁寧なお心遣いをいただき、ありがとうございました。
明太子は家族皆大好物で、夕飯を楽しみに美味しくいただきたいと思います。 - この度は会社設立に際し、結構な品を賜りまして誠にありがとうございました。
これもひとえに皆様のご支援ご協力のおかげと心より御礼申し上げます。 - 先日は私の転勤に際し、盛大な送別会を催していただきありがとうございました。
配属当時は土地勘のない私でしたが、皆様方の温かいご支援のおかげで重責を勤めることができました。 - この度新規ご発注を賜り、厚く御礼申し上げます。業界で日本一を誇る技術力をお持ちである御社とお取引をさせていただきますこと、たいへん誇りに思います。
訪問礼状の例文
訪問礼状は、営業マンにとって今後のビジネスに密接に関わる大切なものです。
訪問後のフォローが、今後の付き合いに発展することもあります。訪問先へのお礼を伝える訪問礼状のテンプレートをご紹介します。
文章構成のポイント
お礼状の内容は、時間を割いてくれた相手に感謝の気持ちを伝えることを意識してください。
また、定型のテンプレートと思われないように文面を考えるのも大事です。たとえば、訪問した際の会話の内容や、それを踏まえた今後の抱負を入れておくとよりお客様への前向きな姿勢が伝わるでしょう。
- 宛名
- 日付
- 差出人
- 前文
- 訪問させていただいたことへのお礼
- 今回の訪問主旨に対するお礼や特記事項
- 末文
お中元・お歳暮のお礼状の例文
お中元・お歳暮をいただいたら、すぐにお礼状を出すことがマナーです。品物をいただいてから3日以内に投函するようにしましょう。
目上の方には、縦書きの封書で送るとよいでしょう。お中元・お歳暮をいただいたことに対するお礼状のテンプレートをご紹介します。
文章構成のポイント
まずは品物をいただいたことへの感謝を伝えましょう。相手との関係性によって、品物の感想や家族の反応などを伝えると一層気持ちが伝わりやすいです。
- 前文
- お中元・お歳暮の品をいただいたことへのお礼
- 変わらぬお付き合いに感謝する言葉や相手の健康を願う言葉
- 末文
- 日付
- 差出人
受注礼状の例文
受注礼状は、製品を購入していただいたお客様へ出すお礼の手紙です。受注礼状を送ることで、滞りなく注文を受け付けたという証明にもなります。
納品に関する注意事項があれば、併せて記載しておくと、お客様も受け取りの心積もりをすることができます。
そのため、注文書を同封して送付することも少なくありません。受注礼状のテンプレートをご紹介します。
文章構成のポイント
受注内容の再確認のために、何に対してのお礼なのかを具体的に明記します。
また、受注後の予定を記載したり疑問点がないか尋ねたりして、お客様が今後の取引に安心できるようなお礼状を送りましょう。
- 宛名
- 日付
- 差出人
- 前文
- 注文いただいたことへのお礼
- 納品に対するお知らせ・注意事項
- 末文
- 同封書類がある場合の記書き
セミナー講師へのお礼状の例文
セミナー講師へのお礼状は、セミナーを主催した企業の担当者から講師へ出すお礼の手紙です。
受講者や主催者の感想、そして学んだことをどのようにビジネスで今後役立てていくかを添えると喜ばれるでしょう。
セミナー講師へのお礼状で使用できるテンプレートをご紹介します。
文章構成のポイント
ポイントは、まず登壇していただいた感謝を伝えることです。その上で、参加者のポジティブな反応や主催者の満足度を具体的なエピソードとともに記載すると良いでしょう。
喜びや感謝の気持ちが一層伝わりやすく、次回ご縁があった際にもスムーズなやり取りにつながります。
- 宛名
- 日付
- 差出人
- 前文
- 講演していただいたことへのお礼
- セミナー内容の感想
- 末文
メールでのお礼について
お礼の気持ちを伝えるツールとして、必ずしも封書でなくてはならないわけではありません。
目上の方に送るものでなければ、お礼をメールで伝えるケースも多くあります。担当者同士でのやりとりや、社内の人へ送る場合などは、よりスピーディーに感謝の気持ちを伝えることができるメールが便利です。
お礼メールが1通あるのとないのとでは、印象は大きく変わります。
件名は分かりやすく簡潔に
メールを受け取った相手に対して「いつの話なのか」「どのような内容なのか」「誰からなのか」が一目見て分かるようなタイトルにしましょう。「先日の〇〇のお礼(所属 個人名)」とするのが一般的です。
関係性がまだ構築されていない相手の場合は特に「いつの話なのか」「誰からなのか」が明確であると、相手にとって判断がしやすく、メールの見落とし防止に繋がります。
下記が件名の例になります。
<例>
- 社外・お客様向け…「先日の〇〇の打ち合わせのお礼(株式会社●● △△)」
- 学生・就活生向け…「本日の面接のお礼(大学名・学部名・氏名)」
- 社内・上司向け …「〇月〇日の営業同行のお礼(△△)」
など
「取り急ぎ」は使わない
ビジネスメールで時々見かける「取り急ぎお礼まで」は、文字通り「とりあえず急いでお礼をします」という意味ですが、相手にとっては「お礼を急いでするというのは失礼だ」と感じる場合もあるかもしれません。
メールでのお礼を送る際も同様に、相手に失礼だと思われないためにも、「取り急ぎ」という表現は避けるのが良いとされています。
メールでのお礼のテンプレートと書き方
メールでのお礼は封書よりも簡略化されるイメージですが、すぐに送信することができるとともにより素直な感謝が伝えられる利点もあります。
メールでお礼を書く場合のテンプレートをご紹介します。
文章構成のポイント
- 宛名
- 挨拶
- お世話になったことへのお礼
- 具体的な内容に対する感謝
- 重ねてのお礼
- 定型サイン
お礼状のよくある質問
ここまではお礼状の書き方を解説しましたが、お礼状についての基礎知識があると、より理解が進みスムーズに取り組めるでしょう。ここからは、よくある疑問の中からいくつかご紹介します。
そもそもお礼状とは?
お礼状とは、お世話になった方に文書やメールで感謝の気持ちを伝え、関係を深めるための手段です。
日本の文化では、お世話になった方や贈り物を受け取った際にお礼状を送ることが一般的です。
直接会ってお礼を伝えることが難しいときに、書面やメールで感謝の意を伝えることでより気持ちが伝わり、良好な関係を結びやすいでしょう。
お礼状の歴史
お礼状の歴史は定かではありませんが、一説には奈良時代や平安時代にまで遡ります。
当時は「謝状」という言葉が使われていましたが、江戸時代になると「お礼状」という言葉が一般的になってきたとされています。
もう一説は、室町時代末期から江戸時代の初めにお礼状が使われていたという説です。
「茶の湯」での茶会が終了後、感謝の気持ちを伝えるためにお礼状を送ることが儀礼的に行われていたようです。
お礼状のマナー
お礼状は、送るタイミングが大切です。何かをしてもらったらその日のうちに感謝の気持ちを伝えるのがマナーです。
まずは電話でお礼を伝え、その後お礼状を出すとよいでしょう。お願いごとに対するお礼は、感謝を綴るとともに結果の報告もします。
相手は、自分が尽力した結果がどうなったのかを気に掛けているかもしれません。
しかし、それ以外の用件を書かないようにしましょう。お礼のついでに何か用件を伝えることは、失礼にあたります。
手紙で出す場合に注意する点
お礼状を出すときには、相手との間柄や関係性で封筒や便箋を選びます。お礼状に適したものは、白地に無地のシンプルなものです。
封筒は喜びが重なるように、二重のものを選びます。茶封筒は事務的な用途で使われますので、封筒・便箋ともに茶色のものは避けましょう。
礼儀が重視される場合は、縦書きの便箋を使い、万年筆で手書きします。手書きのほうがよりあたたかい印象を加えることができます。
一方、ビジネス関係でのお誘いなどに対するお礼であれば、パソコン作成でも問題ありません。
また、親しい間柄であれば色つきの便箋や横書きのほうが、改まりすぎずによい場合もあります。関係性によって臨機応変に対応しましょう。
はがきで出す場合に注意する点
目上の方には、はがきでお礼状を送ることは避けましょう。はがきは略式とされています。
親しい仲であれば、はがきを選んでも問題はありませんが、なるべく絵柄などが入ったものを選ぶとよいでしょう。また、『はがきにて失礼いたします』の一言を添えます。
まとめ
お礼状を書くときに大切なことは、素直な感謝の気持ちをストレートに表現することです。
お祝いをする側は、決してお礼を目当てにしているわけではありませんが、感謝の気持ちを返されれば嬉しいものです。
そしてそれは、義理や人情を重んじる日本ではとても重要な慣例になっています。常に感謝の思いを持って人間関係を築きましょう。
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