心を込めたお見舞い状の書き方ガイド│具体例付きでわかりやすく解説!
友人や知人、取引先の人が病気やケガをしたり、災害に遭ったりした際に送るお見舞い状。
頻繁に書くものではないため、いざ書こうとすると「何を書けばいいのか分からない」「マナーに自信がない」と悩む人も多いでしょう。
本コラムではそんな悩みを解決するために、お見舞い状の書き方、具体例、そしてマナーについて詳しく解説します。すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
お見舞い状とは
病気や事故、大規模な自然災害。いろいろな形で災難にあった人や企業に対して、お見舞いの気持ちを書状で伝えるのがお見舞い状です。心から心配しているという心情と共に、励ましや慰めの気持ちを伝えます。
お見舞い状の書き方と例文
お見舞い状で心配や励まし、慰めの気持ちを伝えるといっても、どのように書いたら良いのか迷う人もいるでしょう。そこで、病気・入院のお見舞い状と、災害に遭った企業へのお見舞い状の書き方・例文を紹介します。
なお、年賀状やその他の挨拶状には、以下のような理由から句読点をつけないのがマナーです。
- 「縁を切る」を連想させる
- 句読点は文章が読みやすくなるよう補助するものであり、句読点をつけるのは「文章を読む能力が低い」と言っているように見える
しかし、災害のお見舞い状の場合は、句読点をつけてもつけなくてもかまいません。
病気・入院のお見舞い状
病気になったり入院したりしているときは、気持ちも弱りやすいものです。そのため、お見舞い状の言葉の選び方には細心の注意を払い、相手の心情に配慮する必要があります。
仕事のことや病状に踏み込むようなことは書かないようにして、心配していることや快癒のときを待っているという気持ちを簡潔に伝えるようにしましょう。
例文やテンプレートなどを参考に、お見舞い状を送る相手の状況に合わせて完成させてください。
例文①:病気になった知人に送るお見舞い状
〇〇様が病気でご静養中と伺いまして、大変心配しております。その後のお加減はいかがでしょうか。
仕事のことなども気がかりでしょうが、しばらくはどうぞ治療に専念されてください。一日も早く回復されることを願っております。
取り急ぎ書中にてお見舞い申し上げます。
例文②:入院した取引先の人に送るお見舞い状
急啓
〇〇様が緊急入院されたと聞き、大変驚きました。手術は無事成功と伺い安心しておりますが、術後のお加減はいかがでしょうか。
人一倍お忙しい〇〇様ですので、ご心労が重なってのことではと推察しております。この機会に十分にご静養され、一日も早くご回復されますよう心よりお祈り申し上げます。
早速お見舞いに伺うのが本意ではございますが、ご容体も分からぬままでしたので、まずは取り急ぎ書中にてお見舞い申し上げます。
草々
災害にあった企業へのお見舞い状
火事や地震など、災害に遭った取引先に取り急ぎお見舞い状を送る場合は、無事を祈っていることや、「手伝えることがあれば知らせてほしい」というような支援の姿勢を伝えましょう。
伝えるべきことを短い文章で相手に失礼がないように伝えるため、例文やテンプレートを活用するのがおすすめです。
例文
急啓
貴社の周辺で〇〇(災害の内容)が発生したと聞き、大変驚いております。被災された皆様ならびにご家族の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
復興には多くの時間と労力がかかることと推察いたします。私どもがお力になれることがありましたら、何なりとお申し付けください。及ばずながら私どももお手伝いに参上いたしたく存じます。
皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
不一
お見舞い状を書くときのポイント・マナー
心情を書く
お見舞い状には、心配していることや回復を願っていることなど、自分の心情を盛り込むのがポイントです。
思ってもみなかったことが起きて驚いた、なかなか事態が飲み込めなかったことなども書いておくと、より気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
プレッシャーを与えないように配慮する
お見舞い状には、前向きな言葉を選ぶのがマナーです。しかし、表現が明るすぎたり、励ましの言葉を入れすぎたりすると、相手が不快に感じたりプレッシャーを感じたりする可能性があります。
「この文章を読んだときに相手がどう思うか」と考えながら作成することが大切です。
比較や追求は避ける
「あの人(時)よりも状況はいい」という比較は、慰めのように思えるかもしれません。しかし、大変なときにほかの状況と比べられても、慰めにはならないものです。相手を怒らせる可能性もあるので、比較するような文言は避けましょう。
また、病気の症状や災害の状況を、必要以上に聞き取ろうとするのもマナー違反です。事故や災害の原因が、お見舞い状を送る相手にあるかのような内容も避けるようにしてください。
直接出向けないことについて一言入れる
お見舞い状は、本来であれば直接お見舞いに行くべきところ、何らかの事情で行けない場合に送るものです。
誠意を示すためにも、「略儀ながら書中にてお見舞い申し上げます」「早速お見舞いに伺うのが本意ではございますが」など、直接出向けないことについて一言入れておきましょう。
忌み言葉や追伸を使わない
お見舞い状には、不吉な状況を連想させる言葉や、マイナスの印象を与える「忌み言葉」を使わないようにしましょう。
死・滅・敗・苦・寝・折・繰り返し・再び・離れる・失う など
また、「追伸」も「度重なる」というイメージを与えるため、お見舞い状では使わないのが原則です。
周囲の方に一言添える
病気や事故などで、本人がお見舞い状を読むのがむずかしい状態にある場合、家族の方や周囲の方に送り、内容を伝えてもらうということもあるでしょう。
このようなときは、お見舞い状にご家族や周囲の方へのねぎらいの言葉も付け加えるようにしてください。
お見舞い状を送るタイミング
お見舞い状は、相手の状況がわかった時点で、できるだけ早く送るように心がけましょう。詳細がわからなくても、まずは心情を伝えることが大切です。
ただし、早過ぎるとその事態を予測していたように取られかねないため、ある程度状況が把握できてから送ったほうが良いでしょう。
お見舞い状をお見舞いの品に同封しても良い?
知人や取引先の人が入院したときなどに、お見舞いの品を送ることもあるでしょう。このとき、お見舞いの品にお見舞い状を同封しようと考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、お見舞い状は「信書」であり、宅配業者は信書の配達を禁じられているため、お見舞いの品にお見舞い状を同封してはいけません。
メッセージカードぐらいなら問題はありませんが、手紙やハガキの場合はお見舞いの品とは別で送りましょう。
まとめ
本来なら自分から出向いてお見舞いの言葉をかけるべきところを、取り急ぎ書状にて気持ちを伝えるのがお見舞い状です。
お送りする相手は病気や災害に遭われたのですから、心情的にも辛いはずです。言葉遣いや構成には細心の注意を払いながら、慰めや励ましのお見舞いの言葉を伝えましょう。