【テンプレート付き】紹介状の正しい書き方と注意点を徹底解説!
紹介状は、ビジネスシーンで人や企業を紹介する際に欠かせない文書です。適切な書き方を身につけることで、相手との信頼関係を築きやすくなります。
本記事では、紹介状を書く際に押さえておきたいポイントや注意点を詳しくご紹介します。紹介状の基本マナーから、様々なシーン別の書き方までしっかり解説していますので、これを読めば紹介状作成がスムーズに行えるようになるでしょう。
すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
紹介状について
ビジネスは人と人とのつながりから始まると言われています。
つまり「紹介」はビジネスシーンのなかで重要な業務のひとつです。築き上げてきた信頼関係を損なわないように、慎重かつ自信をもって新たな会社や人を紹介することができるかどうかも、実力のうちと言っても過言ではありません。
では、紹介状はどんなシチュエーションで必要になるのでしょう。ある企業との新規取引を希望している企業から、取引開始を希望され、紹介状を依頼される場合や、取引中の企業から新規取引先を探してほしいと依頼され紹介する場合もあるでしょう。
また、社内の人事異動などによって担当者が交代する場合には、直接の顔合わせ以外に、書面で後任の担当者を紹介しておくことも必要です。いずれの場合も信頼できる企業や人を選び、厳粛な姿勢で紹介状を書くように心がけることが重要なのです。
封筒の書き方
紹介状を送付する前に、まず封筒の書き方をおさらいしておきましょう。縦書きか横書きという違いはありますが、ここでは、特にバランスの取り方が難しい縦書きの封筒についてお話ししておきます。下記のポイントに留意して書きましょう。
- 住所は封筒の右側1/3くらいのスペースに、1~2行で書きましょう。
- 宛先の社名は封筒の中央に、住所より1文字分程度下げたところから大きめの文字で書きます。また、氏名の文頭は社名と揃えましょう。
- 数字を縦書きで書く時は、漢数字を使います。
- 社名の肩書は(株)(有)のように省略せず「株式会社」や「有限会社」というように表記します。
- 氏名の下に書く役職名の後には「様」などの敬称を付けません。また、役職名を書かない場合には「様」を使い、「殿」は使いません。
- 紹介状の場合はあまり使いませんが、宛先を社名や団体名にする場合の敬称は「御中」を使います。
- 朱書きの「紹介状」や「親展」という言葉を添える場合は、封筒の左下にバランスよく書き添えるようにします。
- 封筒の裏に書く差出人の表記には「郵便番号」を忘れずに。また、差し出した日付も書き添えたほうが丁寧です。
郵送する場合・直接渡す場合の注意点
紹介状を書いて郵送する場合、封筒の書き方にも注意すべきポイントがあるということをおわかりいただけたと思います。
また、封筒の表書の朱書きで書き添える「親展」や「紹介状在中」という言葉を忘れないようにしてください。郵送する場合は、封をしたところに、割印として「封」の文字、あるいは厳封印を押したほうがいいでしょう。
郵送せず紹介状を直接手渡す場合は、縦書きでは封筒の右側にお渡しする方の社名や氏名、役職名を書き、中央に大きめな文字で「紹介状」と書きます。
また差出人の社名や氏名、日付は封筒の裏に書き添えるようにします。この場合も「封」の文字あるいは厳封印を割印したほうがより正式です。
≫これで完璧!封筒入れ方ガイド~折り方や入れる向き~
取引先を紹介するテンプレートと書き方
以前から取引のある企業に新たな取引希望企業を紹介する場合は、業務年数や業務に対する姿勢を書き、信頼を寄せていることを明記します。
なお、紹介する企業の詳細な業務内容などは、その企業の担当者から説明してもらうようにしたほうがいいでしょう。
テンプレートを活用し、ケースバイケースで文言を変更して作成しましょう。信頼感を失わずに的確な紹介状を完成させることができます。
≫取引先の紹介
企業に人を紹介するテンプレートと書き方
就職を希望している人を取引先企業に紹介する場合はどうすればいいでしょう。
これまでの実績や人柄など「紹介するに値する人」ということを明記するのは当然ですが、別紙で本人の顔写真付きの履歴書や職務経歴書などを同封するようにします。いわば、紹介状が添書の役目も果たすわけです。
このようなケースでも、テンプレートの活用がおすすめです。簡潔かつ信頼度の高い紹介状をスピーディに完成させることができます。
≫人物の紹介状02
後任者を紹介するテンプレートと書き方
人事異動などで、これまでの担当者が変わる場合にも紹介状は有効です。特に、従来の担当者が新任の担当者を直接紹介して引き継ぐことができないような場合には、紹介状は不可欠と言えるでしょう。
このような紹介状には、まず顔合わせができなかったことに対するお詫びの気持ちを伝えた後、新任者が仕事に従事してきた年数や経験、紹介者と自分との関係、性格などを明記して概略を伝えるようにします。
そして最後に、これからの取引に支障がないことを伝えることも大切です。これまでお付き合いのあった企業に対する、新任担当者の人物紹介でもあり、いわば信任状でもあると言えるでしょう。
紹介状のテンプレートも準備されていますので、これをもとに、紹介者と自分との関係も踏まえながら作成してください。
≫後任者の紹介状002
病院の紹介状について
2016年4月より、大病院で治療を受ける場合、地域の医療機関からの紹介状がなければ、別途費用がかかるようになりました。
この別途でかかる費用とは、診療費以外に初診で5,000円以上(各病院が独自で設定した金額)の費用が「特定療養費」という名目でかかるのです。たとえば、引越しすることになったので引越し先の大病院へ移らなければならない、地域の医療機関より高度な医療が必要で大きな病院へ転院が必要となったなどです。
紹介状があれば、大病院での診察でも、初診料や検査費などを少し抑えて受けることができます。また同じ病院内でも内科から外科へと言うように、別の科で診察を受けることになった場合にも、紹介状は発行されます。
では、医療機関が発行する紹介状というのはどういうものでしょう。簡単に言うと患者の氏名、生年月日、性別などの基本情報、住所病名や治療経過、これまでの症状の経過、現在の処方や検査結果、アレルギーの有無、患者の生活背景などが書かれたものです。別名「診療情報提供書」とも言います。
引越しなどによる転院の場合は、患者側からお願いしますが、高度な医療が必要であると医師が判断した場合には、医師から紹介状の発行を提案されます。
ちなみに、診療情報提供書の宛名に付く医師の敬称は「御待史(おんじし)」あるいは、御「机下(おんきか)」となります。聞き慣れない言葉だと思いますが、尊敬の意味を込めた敬称となります。
なお引越しの場合、どの医療機関で診察してもらうか決まっていない時は、宛先が書かれていない紹介状をリクエストしてください。
紹介状を書いてもらうメリットとは
紹介状(診療情報提供書)があると、どんなメリットがあるのでしょう。
まず違うのは、初診時の検査をしなくても、紹介状に書かれた情報をもとに、患者の症状を把握してもらうことができることです。画像(レントゲン写真)などを見直すだけで、治療にかかることができます。
診察や検査などの時間が必要ないので、治療を再開できるスピード感が違います。初診前の問診も省略できるため、初診時の待ち時間も短縮できます。
また、紹介状があると、大病院での診察結果が地域の医療機関にフィードバックされます。そのため、大病院での診察が終わって、地域の医療機関で再度診察してもらう場合にも、共有された診療情報をもとに診療が継続されるわけです。
紹介状の費用について
紹介状の費用は基本的に保険診療の対象です。自費ならば2,500円。3割負担では750円です。また、1割負担の高齢者なら250円です。最低でも5,000円以上かかる特定療養費と比べれば、医療費をかなり抑えることができますね。
有効期限について
紹介状の有効期限は一般的には5年間と言われています。しかし、ビジネス用であれ、医療用であれ、できるだけ早期に提出することが大切です。あまり時間が経ったものだと信頼度も薄まりますし、症状の変化などもあるからです。
まとめ
紹介状は、ビジネスシーンでは紹介する側と紹介される側の信頼関係によって、効力を発揮するものです。医療においては、患者の症状を的確に伝えるものであるため、迅速な治療ができ、医療費を抑えることにもつながります。
どちらの場合も、的確かつ誠意や敬意が求められます。テンプレートを活用して紹介状の作成に役立ててください。