SWOT分析の書き方とは？ 具体例・テンプレート付きで詳しく解説！
SWOT分析を使って企画書を作成する際、多くの方が「どこから手をつければいいのか分からない」「どのように強みや弱みを明確にすればいいのか」と悩んでいますよね。
SWOT分析は、S（強み）W（弱み）O（機会）T（脅威）の4つの要素に分類して、組織や自身の環境を分析し、問題解決策を考えるための強力な手法です。
本コラムでは、SWOT分析を活用した企画書のテンプレートについて、具体的な書き方を詳しく解説します。
SWOT分析とは
SWOT分析のSWOTとは、Strengths（強み）、Weaknesses（弱み）、Opportunities（機会）、Threats（脅威）の頭文字を取ったものです。
SWOT分析は事業の戦略を立てるときやマーケティング戦略を検討するときなどに使う、有名なビジネスフレームワークとなっています。
SWOT分析を使う目的
自社が置かれている現状を分析して、ビジネスの機会を多く獲得するためにSWOT分析を行います。分析結果から成功要因を導き出し、事業戦略やマーケティング計画策定に落とし込むのです。
SWOT分析の書き方
SWOT分析を書くには、1枚の紙に縦横の線を入れて、4つに分けたフォーマットを活用するのが一般的です。
横軸には「プラス要因」と「マイナス要因」を書き、縦軸には「内部環境」と「外部環境」を書きます。
つまり、上段左には自社の強み、上段右には自社の弱み、下段左には市場や流行などのプラスに働く環境的要因、下段右には大手競合の台頭や需要の低下などのマイナスに働く環境的要因を書くわけです。
Strength（強み）
自社の優れている点を洗い出します。企業にとって武器となるような強みで、「この部分は他社にひけをとらない」といった部分を書きます。一例として、次のようなものが強みとなるでしょう。
- 他社にはまねのできない特許を持っている
- 販路が広い
- 口コミで評価が高い
- 知識のある人材が豊富
Weakness（弱み）
自社の弱い部分を書き出します。このとき気をつけたいのは、自社の努力によって改善が可能な弱点を書くことです。たとえば次のようなものが弱みとなります。
- 消費者間での知名度が低い
- 設備が古い
- 自社工場がないために仕入れ価格が高い
- 離職率が高いために技術者が少ない
Opportunity（機会）
自社にとって有利な外的要因を書きます。流行や市場などの動向が追い風となり、業績を上げるチャンスと思われる環境的な変化を記入しましょう。例として、次のようなものが環境的な機会といえます。
- 新しい分野なので競合が少ない
- 健康志向が高まり、自社製品が注目されている
- 法改正によって自社のシステムの需要が高まると予想される
Threat（脅威）
脅威とは、自社にとって逆風となりそうなマイナスの環境的要因のことです。放置すると業績の悪化に結び付くため、しっかりと外部環境を分析したいところです。脅威には、次のようなものがあります。
- 大手の取引先の業績が低迷している
- 少子化によってニーズが見込めない
- 材料を輸入に頼っているため、値上げを避けられない
クロスSWOT分析を活用する
外部環境と内部環境の分析で情報を集めたら、「クロスSWOT」で戦略を具体的に立案していきます。
「クロスSWOT」とは、フォーマットに書き出した情報をクロスさせ、「強み×機会」「強み×脅威」「弱み×機会」「弱み×脅威」の4つを分析するものです。これらを抽出していくことで戦略の具体化が図れます。
強み×機会
もっとも注目したいのがこの「強み×機会」です。チャンスを活かし、自社の強みをどうアピールすればよいかという戦略を立てるのに役立ちます。
強み×脅威
将来脅威となりそうな問題点を、自社の強みで乗り越える方策を探ります。
弱み×機会
自社に弱みがあっても、外部にあるチャンスを上手く活かすことでマイナスをプラスに変えることが可能です。冷静に弱点を研究し、マイナスをカバーする方法を考えます。
弱み×脅威
弱みも脅威もマイナスの要因です。このふたつのマイナスをどう乗り越えるか、リスクと向き合い、徹底した防衛策を考えます。
SWOT分析のテンプレート
基本的な「SWOT分析シート」のパワーポイントテンプレートです。企業の強み（Strength）、弱み（Weakness）、機会（Opportunity）、脅威（Threat）の全体的な評価を記入する書き方になっています。
企画書・提案書の作成時に、サンプルフォーマットとしてご利用ください。
例文の入った「SWOT分析 クロスSWOT」フレームワークのテンプレートです。「SWOT分析 クロスSWOT」とは、内部要因と外部環境要因について、４つの視点（強み、弱み、機会、脅威）から分析するフレームワークです。
今後、どのように進むべきか、戦略を考えるのにお使いください。
≫例文の入った「SWOT分析 クロスSWOT」フレームワークのテンプレート
SWOT分析の事例
SWOT分析の具体例をご紹介しましたが、まだピンとこない人もいるでしょう。それでは、実際に馴染みのある企業のSWOT分析の事例をご紹介していきます。
事例①オリエンタルランド
S（強み）
- 世界でも最大の入場者数を誇るディズニーリゾートの運営
- 絶大なブランド力
- 自己資本比率が高い
- 広大な土地の所有
W（弱み）
- 度重なる値上げによるインフレ状態
- 施設の立地が湾岸沿いで、災害時の物理的リスクがある
- 中期的な入園者数の大幅な増加は見込めない
- シルクドソレイユの低迷
O（機会）
- 外国人観光客の増加
- 千葉県以外の場所への進出
T（脅威）
- 人口減少による国内市場の縮小が進む
- 所得減少による個人支出の低迷
事例②セブン&アイホールディングス
S（強み）
- コンビニ業界トップを誇るセブンイレブンを運営
- オリジナルバリューブランドの展開
- セブン＆アイ、イオンは流通2大勢力となっている
W（弱み）
- 国内コンビニ事業成長率の鈍化
- 営業利益率の低迷
- フードサービス事業の低迷
O（機会）
- アジア地域の発展
- 異業種との共同店舗展開の可能性
- 自治体との『地域活性化包括連携協定』締結が進む
T（脅威）
- 100円ショップの台頭による消費者の節約志向の高まり
- 生活必需品の市場価格低下
- 競合の多いコンビニ業界ではこれ以上の差別化が難しい
まとめ
企業が経営戦略を策定するには、経営を取り巻く外部環境と経営資源を意味する内部環境の両面からの分析が不可欠です。
その両面から統合的にアプローチ可能なフレームワークがSWOT分析です。一見業績がプラスになりそうな外部環境の変化でも、必ずビジネスチャンスにつながるとは限りません。それは、競合にとっても同じ条件となり得るからです。
どんな点が競合より勝っているのか、変化への対応力がキーとなります。競合他社に負けない戦略が立てられるよう、テンプレートを活用してSWOT分析をしてみてください。
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