トラブルが起きた際の経緯報告書の書き方|例文付きで紹介
自分が担当する業務でトラブルが起きてしまったとき、報告書を作成しなければなりません。
しかし、書き方がわからず例文が欲しいという人も多いですよね。
この記事では、トラブルが発生したときに作成する経緯報告書の書き方や、例文、テンプレートなどを紹介します。
社内向け・社外向けどちらのテンプレートも用意してあるので、ぜひ参考にしてみてください。
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トラブルを報告する際の経緯報告書とは
経緯報告書は、業務中に発生したミスやトラブルの経緯や現状を、関係者に報告するための文書です。
「経過報告書」とも呼ばれ、いずれも未解決の段階で、問題の内容や状況を素早く上司や取引先に報告するために用いられます。
経緯報告書には、「社内向け」と「社外向け」の2種類があり、それぞれの記載するべき情報について紹介します。
社内向け経緯報告書
社内向け経緯報告書は、組織内で発生したトラブルに焦点を当てた文書です。問題が社内に限定される場合、社内向けの経緯報告書を作成します。
社内向けの経緯報告書では、現状起きている問題やその原因、将来の対応策を記載します。社外向けとは違い、謝罪の気持ちを強く表現したりかしこまったりする必要はありません。
事実に基づいてシンプルかつ明確に記載するのが重要です。
社外向け経緯報告書
社外向け経緯報告書は、トラブルが社外にまで影響する場合に作成します。
ミスやトラブルについての情報だけでなく、先方へのお詫びの気持ちを伝えて、信頼を取り戻す目的があります。
冒頭にはあいさつ文や謝罪文が必要ですが、あまり長くならないように簡潔に述べましょう。
経緯報告書を書く目的
経緯報告書を提出する目的は、業務中に発生した問題の経緯や詳細をいち早く関係者へ報告し、再発防止と信頼回復に努めていくためです。
また、発生した情報を社内で共有することで一人ひとりの問題意識にもつながり、組織全体のリスク管理の強化に結びつくでしょう。
経緯報告書の事例
経緯報告書の具体的な事例をご紹介します。
- ある製薬会社の製造ラインで、機械が故障するトラブルが発生した
- 上層部へ報告するため、すぐに経緯報告書を作成した
- 経緯報告書には「機械の故障となった原因や現状、対策」などが詳細に書かれていた
- 上層部はすぐに問題を把握し、適切な対策をとった
この事例のカギは、トラブルの発生をすぐに上層部に報告できたので、二次災害などのさらなる大きな被害に繋がらなかったことです。
また、経緯報告書に原因や対策などの詳細が書かれていたことで、上層部への報告時に同じ内容を説明する手間が省け、情報共有のスピードが早まりました。
それによって問題解決への迅速な行動ができたのです。
経緯報告書の書き方
経緯報告書を書く際に必要な項目と、気をつけたいポイントを紹介します。
記載項目
経緯報告書の記載項目は、次のとおりです。
- 作成日
- 作成者の氏名
- 発生日時
- 内容・経緯
- 現状
- 原因
- 対策
それぞれみていきましょう。
作成日・作成者の氏名
経緯報告書を作成した作成日と作成者の氏名は、必ず記載しましょう。
氏名については、社内向けなら部署名から、社外向けなら会社名から記入してください。
発生日時
発生日時はできるだけ正確に記載します。トラブルの発生場所まで把握できている場合は、場所も詳しく記載しましょう。
内容・経緯
内容・経緯では、発生したトラブルの詳細を簡潔にまとめます。発生直後からの経緯を時系列にして箇条書きで書くと、わかりやすいでしょう。
時系列については、できるだけ正確な時刻を明記するのが望ましいです。対応に問題があった際に、時系列の経過を元に改善点を探せます。
現状
現状においては、トラブルについての現在の状態を記載します。解決に至っていない場合は、解決までの対策と解決予定日の共有が必要です。
原因
原因が明らかになっているケースでは、その内容を詳しく記載します。
一方、調査中の段階で経緯報告書を作る場合は、「現在調査中」と書き、保留扱いとするのが一般的です。
対策
対策では今後、同様のトラブルをくり返さないための提案を記載します。
ただし、原因を特定できていないタイミングでは、対策の項目を埋められないこともあります。
その際は「原因調査中のため、明らかになり次第、早急に対策を講じます」といった内容を、暫定的に記しましょう。
経緯報告書のテンプレート
ここでは、経緯報告書のテンプレートを紹介します。
ビズオーシャンでは、社内向け・社外向けそれぞれのテンプレートを取り揃えています。経緯報告書を作成する際は、ぜひご活用ください。
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社内向け経緯報告書のテンプレート
社内向け経緯報告書の書式は、次のとおりです。
社内向けの経緯報告書では、謝罪やかしこまった表現よりもわかりやすさと課題や改善点に重点を置いて作成しましょう。
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社外向け経緯報告書のテンプレート
社外向け経緯報告書の書式は、次のとおりです。
社外向けの経緯報告書では謝罪の意が伝わるよう、丁寧な文章を意識して作成しましょう。
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分かりやすい経緯報告書を書くためのポイント
経緯報告書を書くために押さえておきたいポイントは、次の4点です。
- 5W1Hを意識して作成する
- 事実を時系列に伝える
- 原因と対策を明らかにする
- 簡潔な文章・レイアウトを意識する
いずれも分かりやすさにつながる大切な要素なので、順番に確認していきましょう。
5W1Hを意識して作成する
経緯報告書をどのようにまとめるべきか分からない場合には、「5W1H」を意識するとよいでしょう。5W1Hというのは次のとおりです。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
この手法に従って、適切な情報を含みながら、簡潔かつ過不足を避けた報告書の作成が重要です。
事実を時系列に伝える
事実を分かりやすく伝えるために、発生した出来事を時系列順に整理し、正確に記載しましょう。
報告書は「事実を正確に伝え、報告相手に理解してもらうこと」が目的です。
事実をわかりやすく正確に伝えるために、時系列に整理して書くようにしましょう。
原因と対策を明らかにする
経緯報告書において、原因と対策をはっきりと示すことは必要不可欠です。
仮に、報告書作成時に原因調査が進行中であれば、その旨を率直に記します。
明確な原因と対策が示された報告書は、上司や取引先に対して誠実な姿勢を伝える手段となります。
簡潔な文章・レイアウトを意識する
経緯報告書を記入する際は、冗長・曖昧な表現を避けて、情報を簡潔に記載しましょう。
例えば、箇条書きや番号付きリストを活用して内容を分かりやすく整理するなど、読みやすい工夫が大切です。
シンプルなテンプレートを使うことで、見やすいレイアウトを簡単に構築できます。
経緯報告書は顛末書と違う?
経緯報告書と似たものに「顛末書(てんまつしょ)」がありますが、これらには明確な違いが存在します。
経緯報告書は、トラブルが発生した際にその概要や経緯を報告するもので、「解決前」に作成します。
一方の顛末書は、トラブルの「解決後」にまとめられる文書です。
共にトラブル発生時の文書である点は共通しますが、作成のタイミングに大きな違いがあるため、明確に区別されます。
経緯報告書の注意点
ここでは、経緯報告書を書く場合や提出する際の注意点を紹介します。いずれも重要なポイントなので、よく確認しておきましょう。
速やかに作成・提出する
経緯報告書は速やかに作成して提出しましょう。トラブルに対応するためには、報告書の迅速な作成が重要です。
特に、社外向けの報告書の提出が遅れると、関係が悪化する恐れがあります。ミスやトラブルによって失った信頼を回復させるためにも、迅速な報告書の作成と提出が重要です。
送る際には情報漏洩リスクを避けてセキュリティを意識する
経緯報告書には機密情報を含む場合があるので、情報漏洩リスクを避けてセキュリティに注意しましょう。
メールで送信する際には、ファイルにパスワードをかけるなどの対策をします。パスワードを送る際は別件のメールとして送信するのが一般的です。
まとめ
トラブルが発生した際には、経緯報告書を速やかに記載して提出しましょう。
社内向けの経緯報告書では、現状起きている問題やその原因、将来の対応策を記載します。
社外向けの報告書では、ミスやトラブルについての情報だけでなく、先方へのお詫びの気持ちを伝えて信頼回復に努めましょう。
報告書の書き方に悩んだときは、ぜひこの記事を参考にして適切なものを作成してください。
また、ビズオーシャンでは経緯報告書のテンプレートを配布しているので、ぜひご活用ください。
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