ビジネスメールで「承知しました」だけの返信は適切? 正しい返信方法を紹介
ビジネスメールで「承知しました」だけの返信は相手に簡素な印象を与えてしまいます。感謝の言葉や理解した内容、今後の行動について伝えることで、相手からの信頼を得られるでしょう。
本記事ではさまざまな指示を受けたときの返信例と、返信をスムーズにするテンプレートについてご紹介します。返信に迷った際はぜひ活用してください。
【関連記事はこちら】
上司にLINEで「承知しました」は正しい? ビジネスLINEの適切な返信方法メールで「承知しました」だけ返信するのに問題はあるか
ビジネスメールで「承知しました」だけの返信は、相手に不安を感じさせてしまったり、コミュニケーションミスを起こしてしまったりする可能性があります。
ここでは、「承知しました」だけの返信がもたらす3つの主な問題点について詳しく説明しています。これらの問題点を理解し、相手に配慮した返信の仕方を身に付けてください。
簡素すぎる印象を与える可能性がある
「承知しました」だけの返信は、簡素すぎる印象を与えてしまうかもしれません。相手への配慮が伝わりにくく、心証を悪くする可能性があります。
特に重要な案件や複雑な内容の場合、「承知しました」だけでは理解度や責任感が十分に伝わりません。これでは相手に、本当に内容を理解したのか、真剣に取り組む意思があるのか伝わらず、不安を与えてしまいます。
内容の理解度が不明確になる
「承知しました」だけの返信だと、相手は本当にこちらが内容を理解できたのかを判断することが難しくなります。特に複数の指示や依頼が含まれるメールの場合、どの部分を承知したのかが不明確になり、重大なコミュニケーションエラーにつながることもあります。
例えば、プロジェクトの進捗報告と次のステップに関する指示が含まれたメールが届いたとしましょう。このメールに対しての返信が「承知しました」だけの場合、送信者は受信者が全ての内容を理解したかわからず、適切に対応してもらえるか不安になります。これは、後々の業務遂行の障害にもなりかねません。
また、何を理解したのかを明確に伝えないまま作業を進めてしまうと、誤った方向に進んでいることや、重要な部分を見落としていることに気づけない場合があります。そういったミスを防ぐためにも、自分の理解度を明確に示す返信が必要です。
相手への配慮不足になる可能性がある
「承知しました」のみの返信は、相手の立場や感情を十分に考慮していない印象を与えてしまうこともあります。特に相手が時間をかけて詳細な説明をしてくれた場合、その労力に対する感謝や理解が伝わりにくくなるのです。
ビジネスコミュニケーションにおいては、相手の努力や配慮に対して丁寧に応答することが重要です。
メールで「承知しました」を使う際の適切な返信方法
「承知しました」と返信する際には、何を理解したのかや、相手がしてくれたことに対して感謝の気持ちを具体的に伝えましょう。
ここからはそれぞれの具体的な伝え方についてご紹介します。
具体的な内容の確認を追加する
「承知しました」と返信する際は、何について承知したのか具体的な内容も送りましょう。
例えば、「ご指示いただいた◯◯について承知しました。△△までに完了させます」というように、重要なポイントを復唱しつつ、次の行動内容を示しましょう。
これによりメールの内容を理解した旨が相手に伝わって安心させられるほか、相手との認識の齟齬や伝達ミスも防ぎやすくなります。
感謝の言葉を添える
「承知しました」の前後に、以下のような感謝の言葉を添えることで、より丁寧な印象になります。
- ご連絡ありがとうございます
- ご指示いただき、ありがとうございます
相手の行動や自分にかけてくれた労力、配慮に対して具体的な感謝を述べることで、より温かみのあるコミュニケーションになります。
「承知しました」を伝える効果的なビジネスメール返信の例文
ビジネスメールで「承知しました」を伝える際、理解したこと・今後の予定を明確に伝えることが大切です。
ここでは、以下のシーンでの返信例をご紹介します。
- 日程調整の返信例
- 依頼への返信例
- 情報共有での返信例
返信にかかる時間を短縮できる例文も紹介しているので、ぜひ活用してください。
日程調整の返信例
例えば、日程確定の連絡が来た場合、次のような返信が例として挙げられます。
ご調整ありがとうございます。会議は◯月◯日◯時からで承知いたしました。当日はよろしくお願いいたします。
また、日程調整で複数の候補日がある場合は、以下のように返信できます。
ご調整いただきありがとうございます。◯月◯日と◯月◯日が候補日とのこと、承知しました。弊社はいずれの日時も参加可能ですので、貴社のご都合の良い日をお選びいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
日程調整の連絡には、必ず決定または提案された日程を繰り返し書いた上で返信しましょう。万が一、相手が日にちや曜日、時間などの認識を誤った状態で日程調整をしていた場合でも、すぐに気付きやすくなるためです。
依頼への返信例
何かを依頼されたときの返信では、依頼内容を理解したこと、これからどのような対応をするのかを明確に伝えましょう。具体的な計画と期限を示すことで、プロジェクトの全体像を相手と共有でき、進捗管理も容易になります。
例えば仕事を依頼された場合、次のような返信が効果的です。
ご依頼の資料作成について承知いたしました。◯日までに作成し、提出させていただきます。何か追加の情報や修正点がございましたらお知らせください。
複雑な依頼や長期的なプロジェクトの進行に関する連絡の場合は、次のような返信の仕方が望ましいでしょう。
プロジェクトAに関するご依頼内容について承知いたしました。以下の手順で進めさせていただきます。
- ◯月◯日まで:市場調査の実施
- ◯月◯日まで:調査結果の分析と報告書作成
- ◯月◯日:中間報告会の実施
各段階で進捗状況をご報告いたします。ご不明点やご要望がございましたら、随時ご連絡ください。
このように、安心して任せてもらうためにも、細かな情報共有を心掛けましょう。
情報共有への返信例
情報共有への返信では情報を理解したことを伝えましょう。また、共有された情報についてさらに詳しく知りたい場合は、以下のような返信ができます。
プロジェクトの進捗状況について承知いたしました。ご共有いただきありがとうございます。◯◯の部分について、詳細を教えていただけますでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
返信テンプレートの活用
上記のようなシーンで、悩まず「承知しました」と返信できる便利な機能が、返信メールのテンプレートです。テンプレートを活用することで、状況に応じた返信を素早く作成できます。自社文化や業界の特性に合わせてカスタマイズしておけば、より効率よく返信できるでしょう。
ただし、テンプレートを使用する際は機械的にならないよう、相手や状況に応じて言葉を選び、必要に応じて独自の表現を加えるなどの工夫をしてください。
ビズオーシャンでは、メール返信時に便利なテンプレートを無料で用意しています。以下からダウンロードできるので、自身や自社に合わせてカスタマイズし、返信にかかる時間の短縮に役立ててください。
上司の指示への返信メールのテンプレート
テンプレートは以下のページからダウンロードが可能です。
【書式のテンプレートをお探しなら】
メールで「承知しました」だけの返信を避けるためのポイントをおさえよう
ビジネスメールで「承知しました」だけの返信は、なるべく避けましょう。相手に簡素すぎる印象を与えてしまい、本当に内容を理解できたのか、対応できるのか分からず不安にさせてしまうケースもあるためです。多少面倒でも、「何を理解したのか」「いつまでに次の行動をするのか」なども併記した上で返信してください。
どうしても返信に時間がかかる場合は、テンプレートの活用も便利です。適宜アレンジして使えば、メールの内容に迷う場面を減らし、効率よく返信していけるでしょう。
本記事やテンプレートを活用して、より円滑で正確なコミュニケーションの実現に役立ててください。
【関連記事はこちら】
上司にLINEで「承知しました」は正しい? ビジネスLINEの適切な返信方法