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第1回 遺産相続に巻き込まれないポイント

著者:名古屋ブレイブハート法律事務所 弁護士  伊藤 勇人


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「遺産相続」とは

雑誌でも遺産相続特集が組まれ、関心が高まっています。
「遺産相続」はいうまでもなくご両親の財産を相続することです。
相続は年間125万件発生し、課税価格は相続人一人あたりでは、2億872万円とされています。ただし最近は遺産が少ないほど揉める傾向にあり、裁判所の平成23年の統計によると、遺産総額が5000万円以下で争っているケースが76パーセントを占めています。
これは、相続財産は土地が半分、現預金が4分の1、その他4分の1となっており遺産の金額が少ない場合、相続財産は不動産のみ、という例が少なくないからといえます。

「遺産相続」はなぜおこる

多くの遺産相続トラブルの背景には、

  • 不動産という分けにくい財産しかない
  • 親の面倒をみたか否か
  • 家制度を前提とした地域柄
  • 相続人の配偶者が首を突っ込んでくるといったことが考えられます。

「宝くじと相続は人生をくるわす」といわれますが、自らの労働や努力と関係なく資産を手にすることができる機会は、多くの方にとって相続しかありませんから、それだけ皆さん熱心になるのです。

私の弁護士事務所でも多くの遺言作成に関わっていますが、遺言は遺言者による遺産分割方法の指示書としての機能を強めてきました。
遺言があれば遺産相続のとき、分割をめぐってトラブルがなくなるといえます。

「遺言書」の作成方法

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言等がありますが、相続財産が大きい場合は、私のような弁護士・税理士業を兼任している弁護士にチェックしてもらうことをすすめます。

自筆証書遺言は無効になりやすく夫婦で一緒に遺言をしたりワープロで書かれていたりといずれも経験したことがありますが無効で何らの効果も生じません。

また、不動産の地番が明らかに間違えているというケースも経験しましたが、自筆証書遺言の場合は文面上、地番が違っていれば登記の移転も困難になることがあります。

本当に笑顔で遺産相続が終わるケースもありそのようになることが何より望ましいことです。そのような場合の多くは、財産につき実質的に平等に分けられている、遺産分割について遺言で親の意思が明確だったという場合です。

「遺言書」を作成する際の注意点

遺言書を作るときは、

  1. これまで親孝行をしてくれた方には寄与分として多めに指定
  2. スネかじりだった人には特別受益として少なめに指定したりするなど合理的に行う
  3. 犯罪をしたりご両親に迷惑をかけた方は廃除といって相続させない

などの内容を盛り込むことがあります。
「笑う相続人」といって、両親の介護をしていない人とそうでない人との間には感情的対立が大きくなることがあるため、この点は十分考慮した上で作成されることをおススメいたします。

また、遺言書があるにもかかわらず大きく揉めるのは、”遺留分”を侵害する遺言の場合です。
例えば、長年連添った妻がいるにも関わらず、遺言書で「財産は全て愛人」とされてしまっては、妻はその後の生活に困ります。そこで法律は、法定相続人のために残しておかなければならない一定の割合を決めました。それが遺留分です。
兄弟姉妹を除き法定相続分の2分の1までは権利が保障されますので、これを侵す遺言はトラブルの元になるので注意が必要です。

最後に

せっかくご両親が遺してくださった遺産ですから、家族仲良く大事に使って欲しいというのが親の本音だと思います。
そのため、多くは事前の説明をしていること、財産が実質的に平等に分けられている、遺産分割について遺言で親の意思が明確だった、納税資金への配慮も行き届いていた、遺言執行者がおり手続で揉めることがなかった-という場合のようにハッピー・エンディングとなっていると感じます。

最近エンディング・ノートが販売されるのを見かけます。
遺言の中にも、ご両親の遺産相続に込める想いを書き綴ることが認められています。昔の法律家は付言事項には熱心ではありませんでしたが、私の事務所では多くの方が付言事項も熱心に作成され、遺された相続人がどうしてこのような遺産分けになるか、付言でご両親の想いが説明されることで、トラブルが防止される例も多く存在しています。

ポイント(1)

遺言が無効にならないために、専門の弁護士にチェックを依頼する

ポイント(2)

作成する際は、遺留分を侵害していないか確認すること

ポイント(3)

「最後まで親の面倒を見た家族には特別受益を」と盛り込むケースが増えている

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著者プロフィール

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伊藤 勇人

名古屋ブレイブハート法律事務所 弁護士

中小企業のみなさんの個人的なお悩み(離婚、夫婦円満調停、養育費、資金繰り、相続、債権回収、クレーマー対策、従業員との関係、お子さんのこと)に「名古屋の法律サポーター」として、取り組んでいる。

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