プレゼンテーション資料は、プレゼンターがオーディエンスもしくは決定権を持っている相手に直接プレゼンテーションすることができるなら、もしかしたら不必要なものかもしれません。大きなスクリーンに、プレゼンを格好よく演出するビジュアリーなスライド。スライド自体は多くを語らず、重要なキーワードだけが強調効果として表示される。そんなプレゼンテーションの中では、スライド資料はあくまでプレゼンターをほんの少しの補うだけで、さほど重要な役割を持たないかもしれません。プレゼンテーションは、結局スピーカー(プレゼンター)が命なのです。
しかし、常に直接プレゼンテーションができるとは限りません。多くの場合、例えば営業先へ行って自分の商品を売り込むとき、担当者に商品の説明をして、その担当者に「それでは、社長に伝えておきますので資料だけ頂けますか」などと言われ資料を預けます。そして資料は、上層部や社長のもとまで一人歩きをします。この場合、資料は大変重要な役割を担います。一人歩きをした途端、プレゼンターの意思を背負い、その意思を責任持って上層部や社長に届けなくてはいけないのです。
皆さんは、責任をちゃんと果たしてくれる資料を作っていますか。
では、自分の手を離れて資料が一人歩きをしたときに、まずなにが重要かを考えていきましょう。資料が社長のもとに届いたとします。社長は分刻みのスケジュールをこなし忙しいため、じっくり資料を読み込んでくれる可能性は高くありません。そんなとき、表紙をめくって表れたページが汚かったら、どうでしょうか。読めないくらい小さな文字で書かれていたり、ところ狭しとギッシリ情報が詰まっていたら、読む気が失せてしまわないでしょうか。2ページ目に行く前にゴミ箱行きです。まずは「読んで貰う」資料を作ることが大前提です。では次に、読んで貰うことに成功したとします。最後まで読んで貰ったは良いが、結局ナニが売りだったのかが分からなかったら、どうでしょうか。せっかく読んで貰ったのに、意図が伝わらなければ、そこで終わりです。それ以上の行動は起きないでしょう。その商品の売りポイントは何なのか、購入したらどういう事が起こるのか、自分の意思をストレートに伝えなければなりません。
では、これらをクリアするためにはどうすれば良いでしょう。
まず、スライド上をスッキリさせるために、余白を意識します。余白があると、視野に余裕が出来てとても読みやすいです。十分な余白がないと、読み手に圧迫感を与えると共に非常に読みづらいです。雑誌をイメージしてみて下さい。ページの上下左右や文字の間隔、写真の配置など、十分に余白を取っています。余白は読みやすさにおける重要なポイントです。
次に、資料内の情報を整理します。色々な情報を盛り込むと、読み終わったときに結局何が言いたかったのかが的確に伝わらない可能性があります。伝えたいことはストレートかつ簡潔に伝えることが、より一層読み手に強くインパクトを与えるコツです。余計な情報が盛り込まれていないか、メインストリームから脱線していないか、情報を精査しましょう。
そして、伝えたいことをよりストレートに伝えるために、色使いに気をつけます。資料を通して色を抑え、本当に伝えたい箇所、重要なポイントにのみ目立つ色を配色することによって、必然的に視線がそこに向かうため、読み手は、ページを読み込まなくても何を伝えたいのかが直ぐに分かります。
これらを意識すれば、読みやすく分かりやすい資料が作れます。
セミナー情報
タイトル
1日で習得 綺麗で分かりやすいプレゼンテーション資料作成内容
元外資系証券会社のプレゼンテーション資料作成チームで働いていた資料作成コンサルタントが、たった1日で資料作成に必要な基礎知識を全て教えます。基礎編(1)「資料作成の基本 3つのルール」
基礎編(2)「資料作成に必要なPowerPointの機能レクチャー」
基礎編(3)「資料作成に必要なExcelグラフの作り方」
中級編「論理的な資料を作る為の幹となる「構成」の作り方」
演習編「様々なスキーム図、グラフの作成」