私の著書「スティーブ・ジョブズのプレゼン資料はなぜすごいのか」(ゴマブックス出版)にも詳しく書いておりますが、プレゼンテーション資料を作るにあたり、意識すべきポイントがあります。それはゴチャゴチャと難しいことではありません。もちろん、細かいことを言えばたくさん挙げることができますが、まずは基本的なルールとして、私はそれをたった3つのポイントに絞りました。最低限の3つルールです。これからお教えする3つのルールさえ習得すれば、ある程度読みやすく意図が伝わる資料を作ることができます。
そもそもプレゼンテーション資料とは何でしょうか。自分のプレゼンテーションを直接聞いてもえるのであれば、資料はあくまでも補足的な役割で構いません。しかし、常に直接聞いてもらえるとは限りません。営業先へ行ったら、決定権を持たない担当者に対応され、一通りプレゼンをし終わると担当者から「では、資料だけお預かりしておきます。」と言われ、資料だけが社長や経営陣に渡っていく、なんていう事も多々あります。
資料がプレゼンターの意思を背負って一人歩きするのです。
そんな一人歩きした資料が、分かりづらかったり読みづらかったらどうでしょう。伝えるべきプレゼンターの意思が伝わらないのはおろか、1、2ページめくっただけでゴミ箱行きになる可能性だってあります。
プレゼンテーション資料とは、「読んで」もらって、「理解して」もらい、更に「納得・共感して」もらって、そして最終的に「行動に移して(購入、企画採用等)」もらうためのモノです。商品を買ってもらったり企画を採用してもらうには、まず「読んでもらう」というステップをクリアしなければなりません。そして、「納得・共感してもらう」には、意図を理解してもらわなければならないのです。
では、資料を読んでもらう時に、1ページ1ページが非常に汚い資料だったらどうでしょう。読もうという気になるでしょうか。仕事が忙しくて時間に追われている時ならば尚更、読み込むのに時間がかかるような資料に目を通すのは、うんざりしてしまいますよね。そして、もし読んでもらったとしても、ちゃんと意図を理解してもらわなければ、共感は生まれません。共感がなければ、人は行動に移してはくれません。
プレゼンテーション資料作成の基礎は、まず「読みやすい資料を作ること」、そして「意図が明確に伝わる資料を作ること」です。これが出来ていなければ、せっかく時間をかけて一生懸命作成した資料がゴミになるのです。
では、何をどうすれば「読みやすく意図が伝わる資料」が作れるのか。それが、この3つのルールにあります。
- 色を乱用しない
色は戦略的に使える重要な要素です。 - 情報を整理する
スーパーでリンゴを売る時に、何を伝えれば主婦は買ってくれるでしょうか。 - 余白を作る
1ページに余白なくびっしりと文字が書かれていたら、読む気になるでしょうか。
たったこれだけです。これらを理解して、資料にいかす事ができれば、読みやすく分かりやすい資料が作れるのです。次回の最終回で、これら3つを詳しくお教え致します。
セミナー情報
タイトル
1日で習得 綺麗で分かりやすいプレゼンテーション資料作成内容
元外資系証券会社のプレゼンテーション資料作成チームで働いていた資料作成コンサルタントが、たった1日で資料作成に必要な基礎知識を全て教えます。基礎編(1)「資料作成の基本 3つのルール」
基礎編(2)「資料作成に必要なPowerPointの機能レクチャー」
基礎編(3)「資料作成に必要なExcelグラフの作り方」
中級編「論理的な資料を作る為の幹となる「構成」の作り方」
演習編「様々なスキーム図、グラフの作成」