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スワップ取引とは? 種類や具体例とメリット・デメリットをわかりやすく解説

スワップ取引とは? 種類や具体例とメリット・デメリットをわかりやすく解説

スワップ取引とは、一定の期間にわたり金融資産や経済的な価値を交換することです。スワップ取引のなかでも、通貨スワップや金利スワップなど、さまざまな種類があります。

この記事では、金融取引を検討する経営層に向けて、スワップ取引の概要や具体的な種類、メリット、デメリットを解説します。


この記事の監修者
  一級ファイナンシャル・プラニング技能士 

スワップ取引とは?

スワップ取引とは、一定の期間にわたり金融資産や経済的な価値(キャッシュフロー)を交換する契約のことです。

スワップ取引は、一般的には二つの当事者間で行われ、当事者が互いに異なるキャッシュフローを持っており、それらを交換することで利益を目指すものです。


スワップ取引の種類

スワップ取引の種類を4つ解説します。

  • 金利スワップ
  • 通貨スワップ
  • クーポンスワップ
  • エクイティスワップ

金利スワップ

金利スワップとは、異なる種類の金利を交換する取引です。具体的には、固定金利を受け取り、変動金利を支払うパターン、またはその逆のパターンが一般的です。固定金利は交換開始時点で決められ、その後一定となります。

金利スワップ取引において「想定元本」と呼ばれる金額が設定されます。この金額は取引における支払い額を計算する際に用いられますが、実際には元本自体が交換されるわけではありません。

通貨スワップ

通貨スワップとは、取引相手との間で異なる通貨の元本と金利を一緒に交換し、将来のキャッシュフロー(金利と元本)の交換を実現します。金利スワップと異なり、この取引では元本も実際に交換されます。

例えば、一つの企業が米ドル建ての社債を発行し、その社債の利息の支払いと元本の償還について通貨スワップ契約を締結した結果、企業は将来の支払額を円貨ベースで固定することが可能になります。

クーポンスワップ

クーポンスワップとは特定の2つの通貨間で金利交換する取引ですが、元本交換は行われません。クーポンスワップは外貨建ての債務の支払いや、長期の資金調達と組み合わせて使用されることが多く、為替変動リスクを軽減する効果があります。

例えば、ある企業が長期資金を銀行から借りる場合、円と金利の高い通貨の金利を交換することで、金利負担を軽減できます。

エクイティスワップ

エクイティスワップとは、金利と株価など、株式に関連した要素を交換する取引で、交換されるキャッシュフローのうち、少なくとも一方が株式に関連しているのが特徴です。

エクイティスワップの具体例を2つ紹介します。

  • トータルリターンスワップ:全体的なリターンを交換
  • デット・エクイティ・スワップ:債務(デット)と株式(エクイティ)の交換

スワップ取引の具体例

スワップ取引の具体例を3つ紹介します。

FXの金利スワップ

FX(外国為替取引)における金利スワップ(スワップポイント)とは、2つの通貨間で発生する金利の差に基づいた利益または、損失のことです。

例えば、高金利の通貨をFXで購入し、低金利の通貨を売却すると、この金利差により発生する利益がスワップポイントで毎日得られます。

それに対して高金利の通貨を売却し、低金利の通貨を購入すると、金利差の分だけスワップポイントを支払うため損失が生じます。

住宅ローン

住宅ローンの金利には固定金利と変動金利があります。固定金利のローンを選んだ場合、金利が上昇しても返済額は変わらないため、金利リスクを避けられるでしょう。

しかし、逆に金利が下がった場合はその恩恵を受けられません。

一方、変動金利のローンを選んだ場合、金利が下がれば返済額も減るため、金利の下落を享受できます。金利が上昇した場合は、返済額が増えるリスクがあります。

クレジット・デフォルト・スワップ

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS取引)は、信用リスクを移転する目的で行われます。CDSはプロテクションを売る方と、買う方との間で取引され、買い手は定期的に保証料に相当するフィーを売り手に支払います。

プロテクションとは、債務不履行が起きた際に損失相当額を受け取る権利です。具体的な関係は次の通りです。

  • プロテクションの買い手:金融機関や機関投資家など
  • プロテクションの売り手:証券会社や投資銀行、保険会社、ヘッジファンドなど

スワップ取引のメリットとデメリット

前提として、スワップ取引は「同じ価値だと考えられるものを交換すること」です。そのため、交換したあとの結果が当事者にとってメリットかどうかは、実際に交換するまでわかりません。投資家はその価値を見極める力が必要とされています。

例えば、金利スワップ取引の場合、今の日本の金利は上昇局面だといわれています。そのことを踏まえたうえで、金利上昇や下落の市況を読み利益を得たり、リスクを回避できたりして初めて「スワップ取引のメリット」が得られるといえるでしょう。

裏を返すと、市況が予想に反した動きをした場合には、スワップ取引による損失や利益縮小となります。投資家の判断によってリスクにつながってしまうことは、スワップポイントのデメリットとなるのです。


スワップ取引についてのまとめ

スワップ取引はFXや住宅ローンなど、さまざまな金融商品で採用されている仕組みです。スワップ取引にはメリットとデメリットの両方がありますので、それぞれの特性を理解しながら、適切に活用するとよいでしょう。


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監修者プロフィール

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川崎 翔太

一級ファイナンシャル・プラニング技能士

東証一部上場金融機関に勤め、以後投信生保販売業務や法人融資業務に従事。

2019年に独学で1級ファイナンシャルプランニング技能士に合格。

個人・法人問わず幅広くライフプランや節税相談を行っておりFP分野全般を得意とする。

現在新たに事業承継・M&A分野の業務も行っており日々活動の幅を広げている。

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