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インボイス制度が個人事業主に与える影響とは?具体的な影響・リスクおよび対策について徹底解説!

著者:   bizocean編集部

インボイス制度が個人事業主に与える影響とは?具体的な影響・リスクおよび対策について徹底解説!

消費税増税および軽減税率の導入にともない、2023年10月から課税事業者に対してインボイスの発行が義務付けられます。

インボイスの発行のためには税務署への登録が必要になるなど、個人事業主に与える影響は非常に大きくなりそうです。

本記事では、インボイス制度が個人事業主(免税事業者)に与える影響やリスク、それらへの対策について詳しくご説明します。


インボイス制度が個人事業主(免税事業者)に与える影響とは

invoice-column11_01.jpg個人事業主は、消費税の納税義務がある課税事業者と、消費税の納税義務がない免税事業者に分けられます。

インボイス制度はすべての事業主に影響しますが、受ける影響が多い免税事業者について解説していきます。

具体的な影響内容について

免税事業者が受ける一番大きな影響として挙げられるのは、インボイスの発行ができないことです。

インボイスの発行は、適格請求書発行事業者として、税務署の名簿に登録される必要がありますが、この登録は課税事業者に限られているため、免税事業者はインボイスを発行することができません。


インボイス制度によって個人事業主(免税事業者)が負うリスク

インボイス制度の導入によって、個人事業主(免税事業者)が負う3つのリスクについてご説明します。

影響1:売上減少のリスク

インボイス制度の導入にともない、免税事業者は、取引先である課税事業者からインボイスの発行を求められてもインボイスを発行することができません。

そうなると取引先はインボイスを受け取れないため、消費税の仕入税額控除を受けることができないことが理由で、取引を中止されてしまうリスクがあります。

影響2:訴訟のリスク

インボイス制度の導入に伴い、課税事業者から取引条件の見直し等の提案を受けた場合、独占禁止法上「優越的地位の濫用」や下請法に抵触している場合も考えられます。

例えば、取引上の地位が優越している課税事業者が仕入先から商品を購入する契約をした後、仕入れ先が免税事業者であることを理由に、商品の受領を拒否することは、優越的地位の濫用として問題となります。

また課税事業者が、取引先の免税事業者に対し、取引価格を下げることや、応じなければ取引を打ち切るなどと一方的に通告することは問題となる恐れがあります。

以上のようなことになった場合、相手先に訴訟を起こすなどアクションを起こさなければならず、事業に集中できなくなるリスクがあります。

影響3:納めなくてもよい消費税を納めるリスク

免税事業者の行う事業の中には、取引先にインボイスの交付を求められない事業も存在します。

1.売上先が消費者又は免税事業者である場合

両者は消費税を納税しないため、インボイスの保存の必要がなく、インボイスの発行は必要ありません。

2.売上先が簡易課税制度を適用している場合

簡易課税制度を適用している事業者は、インボイスを保存しなくても消費税額が算定できるため、インボイスの発行は必要ありません。

上記のような取引先しかない免税事業者がインボイス発行事業者として登録してしまうと、課税事業者となってしまい、納める必要のない消費税を納めることになってしまいます。


インボイス制度導入にともない個人事業主(免税事業者)が取るべき4つの対策

インボイス制度は2023年10月1日から導入されます。それまでに、個人事業主(免税事業者)は具体的な対応策を講じておくべきでしょう。

ここからは、具体的な対策についてご説明します。

インボイス制度の対策1:インボイスを発行するか検討する

ご自身の事業の内容等を精査し、インボイスの発行が必要なのかしっかりと検討しましょう。

取引先の構成によっては、インボイスを発行して消費税を納めた方がよい場合もあるでしょう。逆に免税事業者のままで、インボイスを発行する必要のない事業者である場合も考えられます。

インボイスの発行をやめることもできるので、初めは登録して様子をみるのもひとつかもしれません。

インボイス制度の対策2:インボイス制度の登録期限について

インボイスを発行する場合、インボイス制度の導入と同時に適格請求書発行事業者として名簿に登録されるためには、原則2023年3月31日までに登録申請書の提出が必要になります。

インボイス制度の対策3:インボイスについて

現在使用している請求書や領収書等の様式から、インボイス制度に対応している様式(適格請求書)に変更する必要があります。

また電子帳簿保存法も施行されたことから、これを機に電子インボイスの導入を検討するのもいいかもしれません。

インボイス制度の対策4:簡易課税制度を検討する

インボイスを発行することにした場合、免税事業者から消費税の納税義務がある課税事業者になります。

消費税の計算方式として、一定の場合は簡易課税制度を適用することができるため、簡易課税制度の適用の可否及び、有利判定を検討する必要があります。


個人事業主としてインボイス制度の波に乗ろう!

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ここまで、インボイス制度が個人事業主(免税事業者)に与える影響やリスク、その対策について解説しました。

個人事業主(免税事業者)であるからこそ、インボイス制度導入にともなって大きな影響を受けることが想定されますので、適切な対策を講じる必要があります。

インボイス制度が導入される前に、しっかりと検討しておきましょう。

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