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メンター制度を導入するメリット、デメリットや目的を紹介

メンター制度を導入するメリット、デメリットや目的を紹介

近年、多くの企業がメンター制度を導入しているため、効果が気になっている企業経営者や担当者もいるのではないでしょうか。メンター制度にはいくつかのメリットがありますが、デメリットもあるので注意が必要です。

本記事では、メンター制度を導入する概要をはじめ、注意点や導入事例について解説します。


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企業が多く導入しているメンター制度とは

メンター制度とは、年齢や社歴の近い従業員が新入社員のサポートを行う人材育成制度です。サポートする側をメンター、受ける側をメンティーと呼びます。

主に、新入社員が抱える悩みや不安の解決がメンターの役割です。実務に関する悩みはもちろん、人間関係やキャリアなど、あらゆる相談にのりサポートを行います。

一般的には、メンティーとは部署の異なる接点の少ない従業員がメンターとなり、マンツーマンでサポートをします。


メンター制度が必要な目的とは

企業を取り巻くさまざまな課題の解決が、メンター制度導入の目的です。

たとえば、従業員の定着率アップや離職者の低減、相談しやすい環境の構築、働きがいの向上などが挙げられます。

従業員の定着率アップ、早期離職者の低減

早期離職者が多く、従業員がなかなか定着しない組織は、採用・育成コストが増加する懸念があります。

この課題を解決するため、メンター制度の導入に踏み切る企業は少なくありません。

仕事で結果を出せない、人間関係がうまくいかない、といった悩みが離職につながるケースは多々あります。そこで、個々に合わせた適切なサポートを行い、離職を食い止めるメンターの存在が必要になりました。

リモート化でのオンボーディングをサポート

新型コロナウイルスの影響などにより、リモートワークへとシフトする企業が増えました。その結果、従来よりコミュニケーションをとりにくくなった、といった声もよく耳にします。

制度を導入し、メンターがメンティーに寄り添える環境を構築できれば、オンライン環境下であっても適切にコミュニケーションをとれるでしょう。結果的に、人材育成プロセスがスムーズに進む効果が期待できます。

働きがいの向上

メンターのサポートにより、今までうまくいかなかった仕事で成果を出せるようになる可能性があります。成功経験によりモチベーションがアップし、仕事にやりがいももてるでしょう。

また、目指すべきキャリアや目標が明確になれば、さらに自身のスキルを磨く意欲が得られます。スキルが向上し、さらに成果を得られるようになれば、大きなやりがいを得られるといった好循環が生まれます。


メンター制度のメリットや効果

メンター制度は、サポートを受けるメンティーにだけメリットがあるわけではありません。

サポートする側であるメンターのスキル向上や、会社が助成金を得られるといったメリットもあります。

メンティー:抱えている不安を早期解決できる

前述の通り、仕事を始めたばかりの新入社員は、実務のみならず人間関係、キャリアなどさまざまな悩みや不安を抱いているケースが少なくありません。制度を導入し、適切にサポートを行える環境を構築すれば、メンティーが抱える問題を早期に発見・解決できます。

自身に寄り添ってくれるメンターの存在により、安心して働ける環境が手に入ります。信頼関係を築いたメンターの存在は心強く、いつでも相談にのってもらえる安心感もあるため、ポジティブな気持ちで仕事に打ち込めます。

メンター:責任感やスキルが向上する

育成を担当するメンターは、メンティーのサポートを行う過程でさまざまな気づきを得られる可能性があります。メンティーにとって模範的な先輩でなくてはならない、といった意識も働き、強い責任感も芽生えるでしょう。

また、メンティーの育成に携わった経験は、のちに管理職になったとき、部下のマネジメント業務で役立ちます。経験から得た成功は自信につながり、また反省を活かして的確なマネジメントを遂行できます。

会社:助成金が受給できる可能性がある

メンター制度の導入により、条件を満たした企業は助成金を受給できる可能性があります。

過去には、厚生労働省が「人材確保等支援助成金」の給付を行っていました。受給条件として、雇用管理制度整備計画の認定を受ける必要があり、その中にメンター制度が含まれています。

現在、雇用管理制度助成コースなどの一部は受け付けを休止していますが、助成金制度は年々新たな条件で設立されています。最新の情報を取り入れ、詳しくは最寄りの労働局へ問い合わせをしてみるとよいでしょう。

参考:人材確保等支援助成金のご案内(厚生労働省)


メンター制度のデメリットや注意点

メンター制度の導入により、さまざまなメリットを得られるのは事実です。ただ、デメリットや注意点があるのも事実であるため、制度導入前にきちんと把握しておかねばなりません。

メンティー:メンターの能力による効果の違い

メンター制度はマンツーマンで行うため、担当者の能力によって得られる効果に差が生じます。組織に在籍している従業員の知識、スキルは必ずしも一律ではありません。

幅広い知識と優れたスキルを有するメンターに指導してもらえば、たしかなサポートと成長が期待できますが、メンターの能力が不純分ではあまり効果を得られないかもしれません。

また、実務能力が高くても、指導力やコミュニケーション力に長けているとは限りません。このケースでも、メンティーの成長度合いに差が生じてしまうでしょう。このような事態を避けるべく、メンターへの教育も必要です。

メンター:業務負荷が増える

メンターは、通常業務と並行してメンティーをサポートしなくてはならず、必然的に負担が増大します。その結果、ストレスが増加する、本業に支障をきたす、といったおそれがあります。

このような余裕がない状況に陥ると、組織全体の生産性低下につながります。回避するには、メンターをサポートする体制も構築しなくてはなりません。上司がメンターの業務状況を十分に把握し、業務の一部を他の従業員に割り振って負担を軽減する、といったマネジメントが求められます。

また、効果的にメンティーの成長を促せるよう、それぞれに適切なメンターを選定する、メンターの事前研修を実施するといったことも大切です。


導入している企業の事例を紹介

すでにメンター制度を導入している企業の事例を知れば、自社に導入した際のイメージが明確になるかもしれません。

シフト勤務で育成制度の実現が難しい企業の事例

シフト制を採用しているある企業は、従業員が職場で円滑なコミュニケーションをとれない課題を抱えていました。これにより、人材育成に悪影響を及ぼしていたため、課題を解決すべくメンター制度を導入したのです。

制度の導入により、メンティーは他部署のメンターからさまざまな話、アドバイスを聞くことができ、中長期的な視点でキャリアを描けるようになりました。また、メンターに対しても「相手の話をよく聞く」といったメンタリングスキルの研修を行い、実践を通じて成長を促しています。

リバースメンター制度を取り入れた企業の事例

ある企業は、縦割り構造組織ならではの課題や、上層部におけるICTへの理解が進まない課題を解決するため、リバースメンター制度を導入しました。若手社員が役員のメンターとなり、ICTなど最先端技術の指導を行ったのです。

その結果、上層部におけるICTへの理解が進み、普段あまり接点がない若手と役員のコミュニケーション活性化にもつながりました。


メンターへの教育も実施し自社にメンター制度を導入しよう

メンティーが適切に能力を成長させられるかは、メンターの能力にかかっています。

そのため、メンターを選定する際には、豊富な業務経験があり、人材育成に意欲的な人物を選ぶことが大切です。

また、メンターは事前研修を受け、制度の目的や教育手法を理解し、基本的な心構えをもって対応しなければなりません。ここを疎かにして、メンター個人の裁量に任せれば、形だけの制度になってしまい、成果につながらない可能性があります。

デメリットや注意点があるのは事実ですが、正しく運用すれば多くのメリットを得られます。この機会に、メンター制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。


まとめ

メンター制度の導入により、新入社員の悩みや不安を解決でき、早期離職の低減や定着率向上につながります。

一方、メンターの能力や認識によりメンティーの成長具合に差が生じる、メンターの業務負担が増加するといった注意点があることも覚えておきましょう。

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