新人教育はマニュアルがカギ!押さえるべき6つの要素と成功ポイント
入社まもない新人を企業の一員として育て、企業を担う人材へと育てる基盤づくりとなる新人教育。企業成長の為には、業務の流れを理解し即戦力として活躍する人材への成長が期待されています。
その新人教育で欠かせないのがマニュアルです。企業のあり方を理解し、大まかな業務のベースをつかむために欠かせないツールと言えます。
この記事では、新人教育で活用するマニュアルが成長のカギとなるポイントや、成長するために盛り込むべき要素を解説します。
新人教育でマニュアルを活用する3つのねらい
新人教育の目的は、新入社員を教育し、企業に貢献する人材に育てることです。
新人教育を運用するために取り入れたいのがマニュアルです。マニュアルを活用するねらいは以下の2つです。
- 新人教育のサポート
- 新入社員の意識改革
マニュアルを取り入れた新人教育には以下の3つの効果が期待できます。
- 何度も業務内容の手順を見返して自発的に学習できる(即戦力化を促す)
- 教育担当者の負担を減らせる
- 教育の質を均一にできる
まずは、新人教育でマニュアルを活用するねらいを理解し、新人教育を有益な時間にしましょう。
ねらい1:新社会人としての自覚を持たせるため
新人教育では、まず社会人として必要な基礎能力や考え方、マナーを学びます。
特に新卒の社員には学生と立場が変わることを理解させ、気持ちの切り替えを促します。社会人として最低限のマナーをチェックし、実践と振り返りを繰り返し身につけていきます。
ねらい2:組織風土や企業文化を理解し溶け込んでもらうため
新人教育を通し、組織風土や企業文化を理解すると、企業の一員としての方向性や取るべき行動が見えてきます。
組織風土とは、社員の間で共通の認識とされる規則や価値観などをいい、企業文化とは従業員間で共有される信念や前提条件、ルールなどを指します。
口頭で伝えるよりも、言語化されたマニュアルを通して伝えることで、担当者ごと内容が変わる心配もありません。新人教育で企業の方向性を共有できていると、入社後の早期退職防止にもつながります。
ねらい3:業務のイメージを把握してもらうため
業務遂行のための知識や、スキルの習得もねらいの一つです。
まず担当する業務の目的や役割、具体的な仕事の進め方を学び、業務の全体像を把握します。実際に実務経験を積み、少しずつ一人で業務を遂行できるように成長してもらいましょう。
新人教育のマニュアルに盛り込む6つの要素
新人教育のマニュアル作成には、以下の6つの要素を盛り込みます。
要素1:企業の理念や社風が伝わる内容
会社が目指す方向性を共有し、5年後10年後のビジョンのために今何に取り組んでいるか。そのために、今の社員に期待していることは何かなど、具体的に記載します。
さらに、企業のルールは全ての社員が共有しておく必要があります。そのルールは組織風土や企業文化といわれ、企業ごとに異なり、企業の色となるものです。組織風土は、経営理念・就業規則・人事制度・社内のルール・判断基準などで、組織を構成する社員の間で共有認識となっているのです。
企業文化は、社員と企業の間で共有している価値観や企業規範をいいます。個人主義かチームワークか、成長思考か安定志向か、年功序列か成果主義かなど、社員の仕事の仕方に大きな影響を与えます。
仕事のモチベーションに関わる内容のため、早めの共有が大切です。
要素2:基本的なビジネスマナー
ビジネスマナーでは、本質を理解させ、まずは型を身につけさせるところからスタートします。まず新人に求められる内容は以下の通りです。
ビジネスマナーの一例
- 責任感
- 身だしなみ
- 言葉遣い
- 仕事の進め方「報連相」
要素3:ビジネスモデル・業務の全体像
マニュアルは業務の全体像を記載し、細かい部分はOJTやOFFJTなどで実践しながら習得します。
ビジネスモデル→部署の役割→担当業務など大きい概念から現場に落とし込んでいき、仕事の本質を理解するところからスタートします。
要素4:ITスキル
IT基礎スキルは社会人として必須です。まずは、実務に直結しているスキルの習得をします。
以下、ITスキルとして盛り込む要素です。新人の成長に合わせて習得させていきましょう。
- ITリテラシー
- インターネットビジネス論
- SNSとセキュリティ
- 社内システムの利用方法
- OAスキルもあると尚よし
要素5:今後のキャリアパスや人事評価制度
企業のビジョンが反映されている人事評価の基準を知ると、企業の目指す方向性が理解できて、社員一人ひとりが考えながら業務に向き合えるようになります。
キャリアアップできる機会を具体的に提示するのもよいでしょう。希望や適性に応じて社内・社外で知識や技能を習得できる場を与えると、本人の成長欲求を満たし、キャリアを考えるきっかけになります。
要素6:不明や疑問が生まれたときの確認方法や問い合わせ先など
新人は覚えるべき業務は多岐にわたり、複数のマニュアルが準備されていることがあります。
もし疑問が生じたときの確認方法(保存先)を具体的に表記し、すぐに確認できる環境を整えておくことも大切です。
また新人を一人で悩ませないためにも、不明点があるときに問い合わせする連絡先を明記すると安心です。
新人教育を成功させるマニュアルの2つのポイント
新人教育を成功させるためのマニュアル作成は、以下の2つのポイントを満たす必要があります。
ポイント1:誰でも理解できる内容であること
誰でもとは、新入社員だけではなく教育担当者側の目線も指します。
これは、教育担当者によって新人教育のムラをなくすのと、負担軽減が目的でもあります。
そのために、目的・ゴール・全体像・1つ1つの手順を全ての項目の冒頭で記載していきましょう。何のために、何を実現できればよいのか、全体の流れをつかむことがはじめの一歩です。
ポイント2:デジタルを活用する
紙ベースのマニュアルではなく、デジタルでのマニュアルも検討しましょう。
デジタルにすると、利便性が高く、テレワークの環境でも新人が学習を進められます。紙マニュアルは作成や保管に時間がかかったり、アップデートにも時間がかかったりと情報の更新が遅れます。
一方デジタルであれば、更新はデータができた時点で即アップデート可能ですし、イラストや写真、動画などを活用してイメージをつかみやすいのもメリットです。
新人はまだ業務のイメージがつかないため、具体例を交えた写真や動画もあわせるとより効率的に学習が進められます。
新人教育を通してモチベーションがアップするマニュアル作成
新人教育の目的は新人の即戦力化による企業全体の底上げです。
マニュアルがあると、新人の教育レベルにムラができにくく、ある一定の水準まで能力の引き上げを期待できます。さらに教育を通して、早めに企業の目指す方向性や人事評価を理解し、キャリアパスが明確になれば社員のモチベーションアップにつながり、早期退社の予防も期待できるでしょう。
新人教育のサポートツールであるマニュアルを作成し、教育の質を向上させましょう。
【書式のテンプレートをお探しなら】