このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

ヒューマンスキルとは? 身につけるために必要な要素と具体的な高め方

監修者: 2級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格) キャリアコンサルタント(国家資格)CDA(career development adviser) ハラスメント対策認定アドバイザー  五十嵐 美貴

ヒューマンスキルとは? 身につけるために必要な要素と具体的な高め方

ビジネスにおいて対人関係にかかわる重要な能力の1つに「ヒューマンスキル」があります。

ヒューマンスキルは顧客や上司とのコミュニケーションを円滑に進めたり、職場環境や業績の改善をしたりと、ビジネスシーンにおいて必須な能力です。

この記事では、スキルアップに直結するヒューマンスキルについて、概要やメリット、身につける方法などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。


ヒューマンスキルとはなにか

ヒューマンスキルとは、他者と良好な人間関係を構築し、コミュニケーションをスムーズに行うために重要な能力です。

ビジネスシーンにおいては、スムーズなコミュニケーションにより、仕事を円滑に進められるスキルにあたります。

始まりは「カッツ理論」

ヒューマンスキルを提唱したのは米国ハーバード大学のロバート・カッツ教授です。

同教授が提唱する「カッツ理論」は3つのスキルで構成されています。その中の1つがヒューマンスキルです。

マネジメント層には、ヒューマンスキルを含めた次の3つのスキルが必要であるとされています。

  • ヒューマンスキル
  • テクニカルスキル
  • コンセプチュアルスキル

カッツ理論では3つの階層に応じて、3つのスキルが必要になる比重を示しています。とはいえ、どの階層においてもヒューマンスキルの比重は変わりません。

ヒューマンスキルが重視される理由

近年ではさまざまな背景を持つ社員が多く、また働き方が多様化していることからヒューマンスキルが重視されています。

というのも、社員によって持つ背景はさまざまで、それぞれの従業員に対して適切なコミュニケーションを取ることが求められます。ヒューマンスキルが高い管理者は、さまざまな社員をまとめて円滑に仕事を進められるでしょう。

ビジネスのグローバル化に伴う競争の激化、ダイバーシティへの対応など、変化の新しい時代で柔軟に生き抜く事業を継続するには、企業内の連携や団結を強めることが大切です。社員が一丸となって取り組むためにも、ヒューマンスキルが重視されます。

また、近年ではリモートワークなども普及していて働き方が多様化しています。他部署との連携や取引先との折衝、部下や上司とのコミュニケーションなど、相手に合わせたコミュニケーションが求められるため、ヒューマンスキルが重視されています。


ヒューマンスキルを構成する8つの要素

ここでは、ヒューマンスキルを構成する8つの要素について、それぞれ詳しく紹介します。

ネゴシエーション能力

ネゴシエーション能力は、双方が納得するラインを見極めて交渉をする能力です。交渉や調整を円滑に進めるためには、双方が納得できるポイントを見つける必要があります。

ネゴシエーション能力があると、難しい交渉でもスムーズに進めながらお互いにとってよい条件でまとめられます。ただし、あくまで信頼関係が築かれていることが前提です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、相手との会話を円滑に進めるために必要な能力です。同僚や上司、取引先との関係を良好に保ち、適切な意思疎通を行うために役立ちます。

相手の性格や特性、立場を把握して尊重することで、円滑なコミュニケーションがとれるでしょう。

リーダーシップ

チームのメンバーを統率して目標を達成するためには、リーダーシップが欠かせません。リーダーシップは、他者を指導し統率する能力ではありますが、新入社員や一般社員にも大切です。

社員それぞれがリーダーシップを持っていると、目標の達成率が上がり業務が効率的に進みます。

プレゼンテーション能力

プレゼンテーション能力は、自分の意見や主張をわかりやすく的確に伝える能力です。

プレゼンの場以外においても、普段の業務から自分の意見をわかりやすく伝えられると、仕事を円滑に進められます。相手に理解してもらうために必要な要素を考えると、プレゼンテーション能力が向上します。

言葉だけでなく、図やグラフ、表などを用いて視覚に訴えることも大切です。

ヒアリング能力

ヒアリング能力とは、相手の話を傾聴する能力です。

ただ話を聞くのではなく、相手の伝えたいことを汲み取り、共感や理解を示す姿勢や態度が求められます。相手の表情やしぐさ、口調や態度などにも気を配りつつ、真意を理解することが欠かせません。

ヒアリング能力は相手との信頼関係や良好な人間関係を作るために重要なスキルです。

コーチング能力

コーチング能力は相手の能力を最大限に引き出し、目標を達成するために必要な行動を促す能力です。コーチングは細かく教えるわけではなく、目標達成に必要な知識を提示しながら行動を促します。

コーチング能力が高いと部下や新入社員の人材育成につながります。本人自らが考え、気づき、納得した上で行動するように導くのがコーチングのポイントです。

ファシリテーション能力

会議をうまくまとめたり場の雰囲気をよくするために必要なのが、ファシリテーション能力です。ファシリテーション能力が高いと会議を円滑に進めることができるため、周囲からの評価が高まります。

向上心

向上心は、目標の達成やスキルを向上させるために、努力を継続できる能力です。向上心が高いと、難しい問題にぶつかっても乗り越えられるでしょう。

また向上心が高い人がいると周囲にポジティブな影響を与えるので、個人だけでなく組織の成長につながります。


ヒューマンスキルを身につけるメリット

ここでは、ヒューマンスキルを身につけるメリットを紹介します。

顧客とのコミュニケーション円滑になる

ヒューマンスキルを身につけると顧客とのコミュニケーションが円滑になります。特にコミュニケーション能力やヒアリング能力、ネゴシエーション能力などが高いと、顧客との会話を円滑に進められるでしょう。

職場環境が改善される

従業員のヒューマンスキルが高まると職場環境が改善されます。それぞれのヒューマンスキルが高いほど組織内の人間関係が良好になり、チームワークが高まるのがメリットです。

チームワークだけでなくハラスメントの防止にもつながるので、より組織内の環境が改善されます。

業績アップにつながる

ヒューマンスキルを身につけるメリットは、業績アップにつながることです。

ヒューマンスキルが高いと、社内外の人とのコミュニケーションが円滑になり、仕事をうまく進められるようになるでしょう。それにより業績アップにつながります。

また、報告・連絡・相談がスムーズに行われ、ミスやトラブルが減少するメリットもあります。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進に効果的

ダイバーシティ&インクルージョンとは、性別、年齢、国籍、人種、障がいの有無、価値観、働き方などの異なる多様な人材を受け入れ、各自の能力を活かす経営の取り組みです。

ヒューマンスキルが高いと多様な人材への受容力や理解力、柔軟性も高いと考えられます。


ヒューマンスキルを高める具体的な手段

重要視されているヒューマンスキルですが、どのように身につけられるのでしょうか。ここでは、ヒューマンスキルを高める具体的な手段を紹介します。

社内外の研修に参加する

ヒューマンスキル向上を目指す研修は、さまざまな場所で開催されています。研修に参加することで、ビジネスで求められているヒューマンスキルについて理解できるでしょう。

まずは気軽に参加できそうなものから、試してみるのがおすすめです。

ワークショップに参加する

研修だけでなくワークショップなどに参加するのも1つの方法です。最近はヒューマンスキルの重要性が高まっていることから、ワークショップなども開催されています。

気になるものがあれば参加してみましょう。

フィードバックを真摯に受け止める

上司や取引先からのフィードバックやアドバイスなどを、真摯に受け止めることも大切です。

業務についてや仕事の進め方など、さまざまなフィードバックをもらうでしょう。

現場での意見は実際に求められていることがわかるため、真摯に受け止めて次に活かすことでヒューマンスキルを高められます。

書籍やオンラインサービスで学ぶ

最近ではリーダーシップ、コミュニケーション、ヒアリング、コーチンング、プレゼンテーションなどに関する書籍や動画コンテンツなどが数多く出ています。

各能力に関する書籍やコンテンツで、知識を身につけるのもおすすめです。自分のペースでスキマ時間などに進められるなどのメリットがあります。

ボランティアに参加する

地域ボランティアや傾聴ボランティアなどに参加するのもおすすめの方法です。というのも、研修や書籍で学ぶだけではスキルを身につけられません。

実際に学んだことを理解して実践で使うことでヒューマンスキルが高まります。ボランティアなどを活用すると、実践で使えるスキルが身につくでしょう。


ヒューマンスキルを効率的に高めるために意識するポイント

ここでは、ヒューマンスキルを効率的に高めるために意識するポイントを3つ紹介します。

人間性を高める意識

常に人間性を高める意識を持つことで、ヒューマンスキルを素直に向上させられます。

例えば、人や物事を好き嫌いだけで判別せず事実を客観的に把握する能力は大切です。感情と事実を切り離して考えることで、冷静かつ適切な行動ができるようになります。

常に人間性を高める意識を持って生活していると、自然とヒューマンスキルが高まるでしょう。

相手に関心を持つ

相手に関心を持つことも重要です。ヒューマンスキルは人間関係にかかわるものが多く、人とのコミュニケーションは避けられません。

相手に関心を持つというのは興味を持つだけでなく、言葉や話の内容を理解した上で仕草や表情、声のトーンなどのボディーランゲージにも注意を払いましょう。

また、相手の特性やタイプを見極めて自分との相性を把握することで、どのような人とも適切なコミュニケーションが取れるようになります。

お互いのメリットを考える

双方のメリットを考えるのも、ヒューマンスキルを効率的に高めるポイントです。自分のことばかり考えていると、適切な言動を取るのが難しいでしょう。

常に上司や同僚、取引先のメリットも同時に考えることで、双方にとってポジティブなコミュニケーションがうまれます。


ヒューマンスキルについてのまとめ

近年ではビジネスシーンにおいて、ヒューマンスキルが重要視されています。働き方や人材の多様化が進み、より事業を発展させていくためには各個人のヒューマンスキルが大切です。

個人においても、円滑な対人関係を築き業績を向上させるために重要なスキルでしょう。ビジネススキルアップのためにも、ヒューマンスキルの向上に努めてみてはいかがでしょうか。


【書式のテンプレートをお探しなら】

この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

監修者プロフィール

author_item{name}

五十嵐 美貴

2級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格) キャリアコンサルタント(国家資格)CDA(career development adviser) ハラスメント対策認定アドバイザー

フリーランスのキャリアコンサルタントとして、高校生から中高年までの幅広い年齢層の就職・転職支援、相談業務に従事。

高校や大学での面接指導、職業訓練校や就労移行支援事業所での講師兼キャリアコンサルタント、就職・転職フェアでの相談コーナーにて、求職者を支援。新卒・中途採用、次世代リーダー選別のアセスメント業務歴25年。適性診断テスト(文章完成法テスト)を用いての人物像把握など、これまで10数社の判定に携わる。

この監修者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ