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CMOとは? 意味や役割をわかりやすく解説

CMOとは? 意味や役割をわかりやすく解説

CMOは「Chief Marketing Officer」の略称で、日本語に訳すと「最高マーケティング責任者」です。

マーケティング業務を統括する役職であり、経営方針を軸としたマーケティング戦略の立案や、ブランディングを担います。

消費者の購買行動が、商品やサービスの価値を重視した「モノ消費」から、購買体験そのものを重視した「コト消費」に移り変わっていくなかで、マーケティングを統括するCMOの重要性が高まりつつあります。

本記事では、CMOの意味や役割、求められるスキルについて、わかりやすく解説します。


この記事の監修者
きた社労士事務所  代表 

CMOとは?

まずは、CMOの意味や役職を確認していきましょう。

CMOの意味

CMOは「Chief Marketing Officer」の略称で、日本語に訳すと「最高マーケティング責任者」です。

マーケティング業務を統括する役職であり、経営方針を基にマーケティング戦略を立案し、具体的に実行する役割を担っています。

取締役や執行役員としてマーケティング戦略の観点から経営者に進言し、経営判断に参加しています。

CMOの役職とは

CMOは、部署を横断してマーケティング戦略を検討し、実行する立場にある役職です。

そもそも、CMOが生まれた背景には、日本における消費者の購買行動の変化があります。購買行動とは、消費者が商品やサービスを購入するまでの行動過程です。モノを作っただけでは商品が売れなくなり、「誰から買うのか」「どのような体験が得られるか」など、購買体験が重要視されるようになりました。

そのため、マーケティング部門のみならず、企業全体がマーケティングの重要性を認識し、消費者の視点で「何をするべきか」を考えることが求められています。

CMOという役職が生まれたのは、このような消費者の購買行動の変化が背景にあるといえます。2014年3月の経済産業省の資料によると、アメリカのフォーチュン500社のうち、62%がすでにCMOを導入しているとの結果が出ています。

しかし、2019年に日本マーケティング協会が発表した論文によると、CMOを置いている日本企業はわずか 8~11%であり、日本ではまだ少ない役職だということがわかります。

出典:経済産業省・商務情報政策局「ビジネスモデル革新について

出典:日本マーケティング学会「日本型CMOの現状と展開


CMOの役割

CMOは経営陣の一員であり、かつ従業員や顧客の気持ちになって考えることが求められる役職ともいえます。ここでは、CMOの役割を具体的に見ていきましょう。

経営戦略をマーケティング戦略に反映させる

マーケティング戦略とは、企業の指針である経営戦略をマーケティングに落とし込み、市場の状況や、自社の商品やブランドの強み・弱みなどを客観的に分析し、中長期的な販売計画に反映する活動のことです。

分析した結果、消費者に何をどのようにアピールして売り上げにつなげるかを論理的に打ち出し、計画的に売り上げを伸ばすことを目指します。

一貫性のあるマーケティング戦略を実施する

企業ブランド向上のためには、顧客への価値提供を最大化する必要があります。企業全体で一貫性のあるマーケティング戦略を実行するのも、CMOの大切な役割です。

例えば、「カスタマー部門から顧客の意見をくみ取りながら市場を分析し、分析結果を活かした商品を、開発部門が開発する。そして、できあがった商品をマーケティング部門が宣伝する」といったように、マーケティング活動を一連の流れとして捉えます。

このような部門間の連携を主導する役割を担うのが、CMOということです。

社内外の利害関係者と良い関係性を作る

マーケティングは、社内だけで完結するものではありません。社外においてもビジネス上の信頼関係を構築し、情報収集を行うことで、より質の高い戦略立案が可能になります。

社内外の利害関係者と良い関係性を作るのも、CMOの役割です。

関係者と積極的にコミュニケーションを取り、顧客の気持ちも理解しながら、自社のマーケティング戦略に活かせるよう努めることが大切です。


CMOに必要なスキル

CMOにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、CMOに必要な3つのスキルを紹介します。

1. データを活用して意思決定する能力

マーケティング活動では、顧客の行動心理や商品の売れ行き、市場の動向など、さまざまなデータを収集します。収集したデータを経営者目線で分析するのが、CMOの役割です。

具体的には、次の戦略へつなげるためにデータを抽出し、論理的に経営の意思決定に導く必要があります。

また、データを分析した結果、経営の方向性を修正するなど、迅速な判断力もCMOに欠かせない能力です。

2. 共感力

CMOは、マーケターの職務を果たすために、顧客を理解し、顧客の体験を良くするための共感力が求められます。

どのような商品が顧客に共感され、購買につながるのか、顧客の視点に立って考え抜くスキルが必要です。企業の中にいながら、より高いレベルで顧客のことを考え抜くことが大切です。

3. リーダーシップ力

企業内のマーケティングを統括する役割を担うCMOには、高いリーダーシップが必要です。社内においては、チームリーダーとして信頼関係を築き、目標に向かってマーケティング戦略を実行しなければなりません。

また、社外に向けて企業ブランドイメージを定着させるための取り組みを行い、情報収集と発信を継続することも必要不可欠です。CMOには、周りを巻き込みながらチームを率いるリーダーシップ力が求められるといえるでしょう。


CMOの責任範囲

CMOの責任範囲は、次の3つに分かれます。

  • マーケティング戦略
  • 自社マーケティングにおける優位性の確立
  • 顧客コミュニケーション

それぞれ詳しく解説します。

マーケティング戦略

経営戦略を基に、商品やサービスを最も効率良く売るための仕組みを構築します。市場の状況やデータ分析による戦略的なマーケティングを提案し、企業の売り上げやブランド力向上に責任が問われます。

自社のマーケティングにおける優位性の確立

自社のマーケティングにおける強みを開発し、優位性を確立させるのもCMOの領域です。

市場のニーズを把握し、かつ他社との差別化を図ることで、自社の優位性を確立させることが求められます。そのため、技術開発に留まらず、人材開発・育成といった側面までも、CMOの責任領域といえるでしょう。

顧客コミュニケーション

近年では、商品やサービスの機能だけでは差別化が難しくなり、その商品のストーリーや共感性がマーケティングで重要視されています。

そのため、顧客とコミュニケーションを取り、企業の思想を反映したブランドマネジメントを行うこともCMOの責任領域です。


CMOについてのまとめ

CMOの意味や役割、求められるスキルについて解説しました。消費者の購買行動が多様化するなかで、顧客体験を最適化するマーケティング活動の役割は、ますます重要になっています。

また、変化の早いマーケティング市場において、最新情報をいち早くキャッチし、時代の変化に合わせたマーケティング施策を実行するうえでも、CMOの存在は欠かせません。今後、日本においてもCMOの需要は高まっていくと考えられるでしょう。

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監修者プロフィール

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北 光太郎

きた社労士事務所 代表

2012年に社会保険労務士試験に合格。

勤務社労士として不動産業界や大手飲料メーカーなどで労務を担当。労務部門のリーダーとしてチームマネジメントやシステム導入、業務改善など様々な取り組みを行う。

2021年に社会保険労務士として独立。

労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。

法人向けメディアの記事執筆・監修のほか、一般向けのブログメディアでも労働法や社会保険の情報を提供している。

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