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オブザーバーとは? 会議における役割を解説

監修者:   綿引 亜衣

オブザーバーとは? 会議における役割を解説

自社の社員だけで行う会議は、出席者・発言者の固定化を招き、さまざまなリスクを高めます。そうした対策として導入されるのが、「オブザーバー」の制度です。

オブザーバーは、第三者や専門家の目線で会議の方向性やプロジェクトの進捗などを見守る存在です。社外の人間を招く場合と自社の社員を選任する場合がありますが、その発言に責任や公平性が求められる点は共通しています。

オブザーバーに求められる役割や、心掛けるべきことについて解説します。


オブザーバーとは?

オブザーバーは英語の「observer」を語源とする言葉です。日本語では「観察・監視・観測・陪席」といった言葉に訳され、スポーツやビジネスシーンで使われます。

ビジネスシーンでのオブザーバーに求められるのは、あくまで第三者的立場で会議の場に居ることです。積極的に発言せず、全体の意見を傾聴するのがオブザーバーの役割なのです。

オブザーバーとアドバイザーの違い

オブザーバーとアドバイザーは、似て非なる役割を持ちます。

アドバイザーの役割は、専門的な知識やこれまでの経験をもとに、会議の参加者に的確なアドバイスをすることです。

一方、オブザーバーの役割は、会議の進行を見守ることが中心。会議での発言権や、意見を求められる場面はありません。仮に発言権があったとしても、参考意見を述べるまでです。

またオブザーバーが存在することで、会議の公平性を保つ効果があります。参加者が固定された会議でも、第三者が会議を見守るだけで発言者が普段と変わることはよくある事象です。オブザーバーが居ると会議の雰囲気が変わり、参加者全員が発言しやすくなるとも言えます。

オブザーバーの必要性

ほかにもオブザーバーが居ることで、第三者がプロジェクトの進行状況を把握したり、会議の進行そのものの課題や問題点を見つけたりもできるでしょう。

また、管理職だけが参加する会議を公開型にして、若手社員にオブザーブさせる会社もあります。この場合、オブザーバーとして参加する若手社員の研修効果が期待できます。


オブザーバーの役割

オブザーバーには、大きく分けて3つの役割が求められます。

発言の公平性

第三者として会議を傍聴する立場のオブザーバーは、特定の参加者の発言に肩入れすることなく、フラットで客観的な意見を出すことが求められます。参加者に対して、第三者目線での考えを提供することが重要なのです。

また、オブザーバー自身の個人的な意見ではなく、会議で起こっている事実にフォーカスした発言が求められます

専門家としてのアドバイスで方向性を修正する

会議に参加した場合、その分野のプロとして意見が求められる場合があります。「これはアドバイザーとしての発言ですが」といった前置きをしたうえで、専門的な知見を述べるようにしましょう。

会議の参加者に足りない視点・考慮した方が良い点などを的確に伝えると、会議がよりスムーズに進行するきっかけとなるでしょう。

プロジェクトの進行状況を把握する

プロジェクトの進行状況を把握することも、役割に含まれます。それぞれの進行状況を把握し、全体スケジュールへの影響を予測・検討できるようにするのです。

大きなプロジェクトの場合、個別のテーマごとにプロジェクトチームが組成され、各自でプロジェクトを進行させることも珍しくありません。その際、プロジェクト全体のリーダーが、オブザーバーとして個別テーマのプロジェクト会議に参加することもあります。


オブザーバーが参加するべき会議とは?

会議の参加メンバーの8割以上がベテランで構成され、参加歴の浅いメンバーが数名しかいない会議の場合、オブザーバーの参加により良い効果が期待できます。

参加歴の浅いメンバーは、すでに場の雰囲気が醸成された会議に対して萎縮し、思っていることを自由に発言できないことが多くあります。そういった場合でも、第三者の存在によって発言しやすくなることがあります。

反対に、プロジェクトの進捗が早い、または参加者全員が主体的に発言できている会議の場合はオブザーバーの必要性は低めです。このような会議の場合、良い会議を知るための勉強を目的にオブザーブすると良いでしょう。


オブザーバーが心掛けること

オブザーバーとして会議に参加する場合は、とりわけ心掛けなくてはならないこともあります。

自分の言葉に責任を持つ

会議の公平性を保つ存在であるオブザーバーの発言には、責任が伴います。会議の議題に対して個人的な見解を述べることなく、会議で起こっている事実を客観的に述べるように心掛けましょう。

特に会社の上層部や管理職がオブザーブする場合、発言を求められることがあります。立場上、発言が会議の進行に及ぼす影響が大きいため、その点に留意しながら発言すると良いでしょう。

自分の役割に徹する

オブザーブ中は、求められている役割に徹することを心掛けましょう。

オブザーバーは会議の責任者でもなく、参加者でもありません。さらに、会議によってオブザーバーに求めたい役割が異なります。

会議への参加を求められた場合、どのような役割を求められているのかを事前に必ず確認しましょう。


オブザーバーについてのまとめ

自社の会議にオブザーバーを出席させることには、多くのメリットがあります。特に、出席する面々が固定化している会議に刺激を与えたり、反対に在籍年数や業務経験の浅い社員が会議になじみやすくなったりすることは、オブザーバーが居るからこそ可能なものです。

また、外部の人間ではなく、自社の若手社員に研修がてらオブザーバーを務めさせるのも良いかもしれません。自社の経営に課題を感じ始めたら、オブザーバー制度の導入を検討してはいかがでしょうか。

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監修者プロフィール

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綿引 亜衣

総合人材サービス企業にて法人企業の採用支援、キャリアアドバイザー職に10年間携わる。

名古屋での勤務経験があり、地域特性を踏まえた面接対策や、Uターン転職支援にも強みを持つ。これまで採用支援経験のある業界は広告・不動産・建設・消費財・通販業界など。

その後求人サイトのマーケティング職を経て、現在は 総合人材サービス企業の広報業務に従事。

■保有資格:国家資格キャリアコンサルタント

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