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誓約書の書き方ガイド|法的効力を守る5つのポイントと無効になるケースとは?

誓約書の書き方ガイド|法的効力を守る5つのポイントと無効になるケースとは?

誓約書の書き方は、提出者のみが署名捺印を行い、内容が公序良俗に反しないよう具体的に記すのが基本です。

ビジネスや個人のトラブルで「自分だけの署名で証拠になるの?」と不安になったり、有効な文言がわからず悩んだりしていませんか。

この記事では、法的効力を守る5つのポイントや無効になるケースを詳しく解説します。これさえ読めば、目的別の書き方や電子署名の注意点などが分かり、自信を持って正しく誓約書を作成できるようになります。


【この記事のポイント】

  • 誓約書は一方が約束を表明し、提出者のみが署名捺印を行う形式であり、トラブルの未然防止や問題発生後の再発防止を目的として、企業の信頼性を守る公式な記録としての役割を果たす。
  • 法的効力を担保するには、作成日や当事者の明記に加え、公序良俗に反しない具体的かつ客観的な誓約内容を記し、本人の自由意思による署名と違反時の罰則を盛り込むことが不可欠だ。
  • 労働基準法違反や職業選択の自由を著しく制限する内容は無効になる恐れがあり、電子署名を用いる際は、本人性と非改ざん性を証明できるシステムを利用することが有効運用の必須条件だ。

誓約書とは? 基本的な意味と役割を再確認

そもそも「誓約書」とは、一方の当事者が相手方に対して、ある事項を約束(誓約)するために差し入れる書類のことを指します。

誓約書の定義:なぜ「一方的」なのか

契約書は双方が互いに権利と義務を約束し合う「双方向」の合意ですが、誓約書は「提出者が相手方に対して、一方的に特定の義務を負うことを宣言する」という性質を持つためです。

受け取る側(会社や債権者など)が新たに何かを約束する必要がなく、あくまで提出者側の「決意」や「責任の承認」を公的に記録する書類であることから、提出者のみが署名・捺印する一方的な形式を取ります。

誓約書を作成する2つの目的

  1. 未然防止(リスクヘッジ):入社時などに「秘密を漏らしません」と約束させ、トラブルを未然に防ぐ。
  2. 事後対応(再発防止):トラブルが起きてしまった際に、「二度と同じ過ちはしません」「損害を賠償します」と約束させ、和解の条件とする。

現在(2026年現在)のビジネスシーンでは、ハラスメント防止や情報セキュリティの強化といったコンプライアンス(法令遵守)の観点から、この「一方的な宣言」である誓約書の重要性がより一層高まっています。


誓約書の法的効力を守る「5つの重要ポイント」

誓約書は、適切に作成されていれば裁判における強力な証拠となり、契約書と同等の法的効力を持ちます。その効力を確実に担保するために、以下の5点を必ず意識してください。

1. 「いつ・誰が・誰に」を明確にする

基本中の基本ですが、作成年月日、誓約者の氏名・住所、提出先の名称(会社名など)を漏れなく記載します。これが不明確だと、誰の約束なのかを特定できず、証拠能力が失われます。

2. 誓約内容を具体的・客観的に記す

「誠実に努力します」といった抽象的な表現ではなく、「SNSに業務情報を投稿しません」「退職後2年間は競業他社へ転職しません」など、第三者が読んでも「何をすべきで、何をすべきでないか」が明確な文章にすることが重要です。

3. 公序良俗および強行法規の遵守

法律や社会通念に反する内容は、たとえ本人が署名していても無効になります。

4. 自由意思による署名

「署名しなければ解雇する」といった強迫や、内容を誤認させた状態での署名は、後から取り消されるリスクがあります。納得の上で署名してもらうプロセスも実務上は大切です。

5. 違反時のペナルティ(罰則)の明記

単に「守ります」だけでなく、「違反した場合には、損害賠償の責を負います」といったペナルティを記載することで、心理的な抑止力と、万が一の際の法的根拠を同時に確保できます。


注意! 誓約書が「無効・取消」になる落とし穴

せっかく作成した誓約書も、以下のケースに該当すると法的な力を持たない「ただの紙切れ」になってしまうため、注意が必要です。

  • 労働基準法に違反する場合:「残業代を一切請求しません」「有給休暇を取得しません」といった誓約は、労働者の権利を奪う強行法規違反として無効になります。
  • 職業選択の自由を著しく制限する場合:退職後の競業避止義務(ライバル会社への転職禁止)において、期間が長すぎたり(例:一生禁止)、範囲が広すぎたりすると、憲法の「職業選択の自由」を侵害するとみなされ、無効になる可能性が高くなります。
  • 内容が不明確すぎる場合:「会社の不利益になることは一切しません」といった広すぎる定義は、何が違反か判断できないため、効力が否定されることがあります。

目的別・誓約書の書き方のポイント

実務でよく使われる4つのシーン別に、書き方のエッセンスを紹介します。

(1)秘密保持誓約書(NDA)

入社時やプロジェクト参加時に提出します。

  • ポイント:何が「秘密情報」にあたるのかの定義を明確にし、退職後もその義務が継続することを明記します。

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(2)入社誓約書

新卒や中途採用時に提出します。

  • ポイント:履歴書の記載内容に相違ないこと、就業規則を遵守すること、入社日までに必要な書類を提出することを誓わせます。

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(3)退職時誓約書

従業員が会社を去る際、在職中に知り得た機密情報の保持や、競合他社への不当な転職を防止するために作成します。

  • ポイント:顧客情報の持ち出し禁止や、在職中に知ったノウハウの流用禁止を改めて念押しします。知的財産権の帰属についても触れておくと安心です。

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(4)金銭貸借の誓約書(借用書)

個人間や取引先とのお金の貸し借りを記録し、「言った・言わない」の返済トラブルを未然に防ぐために作成します。

  • ポイント:借入金額、返済期限、返済方法、利息、遅延損害金の5項目を必ず明記します。金額は改ざんを防ぐため、「壱、弐、参」といった大字(だいじ)を用いるのが実務上の定石です。

(5)トラブル解決(不貞・ハラスメントなど)の誓約書

不倫やハラスメントなどの不祥事において、被害者への謝罪の意思を示し、二度と同様の問題を起こさないことを誓約させる和解の条件として作成します。

  • ポイント:同様の行為を繰り返さない旨の禁止事項、損害賠償(慰謝料)の金額、および第三者への「口外禁止条項」を盛り込みます。支払いの履行を確実にするには、この誓約書を基に「公正証書」を作成するのが最も安全です。

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2026年の新常識:電子署名と印紙の扱い

現代のビジネスでは、紙とハンコを使わない「電子署名」が一般化しています。

電子署名での誓約書

クラウドサインなどの電子契約サービスを利用する場合でも、誓約書は有効です。

ただし、「本人が署名したこと(本人性)」「後から書き換えられていないこと(非改ざん性)」を証明できるシステムを利用することが必須条件となります。

収入印紙は必要か?

誓約書は基本的に「第1号文書(契約書)」には該当しないため、印紙は不要なケースがほとんどです。

ただし、金銭の受け取りを伴う「受取書」の性質を兼ねている場合などは、印紙が必要になることがあります。迷った場合は、形式よりも「内容」で判断されることを覚えておきましょう。


混同しやすい「契約書・念書・覚書」の違い

最後に、よく似た書類との違いを整理しておきましょう。

書類名

主な署名者

特徴・役割

誓約書

提出者のみ

一方的な約束。入社時や謝罪時などに使用。

念書

提出者のみ

誓約書とほぼ同義だが、より日常的・私的な場面で使われることが多い。

契約書

当事者双方

二者間の合意。権利と義務を双方に発生させる。

覚書

当事者双方

契約の補足や、変更内容を記録する備忘録的な役割。


正しい誓約書でリスクを最小限に

誓約書は、単に相手を縛るためのものではなく、「お互いの認識を一致させ、将来のトラブルを未然に防ぐためのコミュニケーションツール」でもあります。

作成する際は、今回ご紹介した「5つのポイント」を守り、法に触れない具体的な内容にすることを心がけてください。

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