【無料テンプレートあり】企画書とは? 初心者でもわかる企画書の基本と書き方について解説!
「企画書の書き方がわからない」
「企画書と提案書の違いは?」
「企画書のフレームワークが欲しい」など……
初めての企画書作成にあたり、どのように書けばいいのか分からずお困りではありませんか?
企画書の書き方に不安がある方に向けて、企画書の概要から書き方、無料テンプレートまで詳しく解説します。
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企画書とは
企画書とは、ビジネスや新規プロジェクトのアイデアを説明し、その実現のために必要な戦略や手順を示す文書です。
たとえば、催事の開催に関する提案や、新規の事業計画などの議案を提出する際に必ず用いられます。
企画書には、企画の内容だけでなく、実現のための目標や予想される費用なども示すことが大切です。現在の状態から見られる問題点や、その解決策なども併せて具体的に分析し、提示しましょう。
企画書は、文章だけでなくイメージ画像やグラフなどを活用して、読んでもらう相手に理解してもらえるように工夫することも重要です。
企画書に記載する内容
企画書に記載する内容は以下の通りです。
- ビジネスやプロジェクトの概要
- 目的
- 目標
- 計画の実現に必要なリソース
- 戦略
- スケジュール
- 財務情報 など
これらの情報はビジネスのオーナーや投資家、クライアントなどの関係者が概要を理解し、そして承認するために必要となります。
ビジネスシーンや新規プロジェクトなどで欠かせない重要な文書です。
1枚企画書とは?
1枚企画書は、企画の要点を1枚にまとめたものです。
情報をできるだけ削いで、最も伝えたいことだけを1枚の書類に収めます。1枚なので情報量は限られますが、企画の要点を簡潔に伝えられるというメリットがあります。
1枚企画書を作成する時は、フォントやレイアウトなど「見せ方」を工夫するのがポイントです。必要な情報が抜けないように注意しながら、印象的なデザインの1枚企画書を作成するとよいでしょう。
できるだけ分かりやすい企画書を作成したい時や、インパクトのある企画書にしたい時は、ぜひ1枚企画書にもチャレンジしてみてください。
企画書と提案書の違い
企画書に似た文書として、提案書があります。
企画書と提案書は、両方ともビジネスやプロジェクトのアイデアや計画を説明する文書です。しかし、作成する目的がそれぞれ異なります。
企画書 | 提案書 | |
---|---|---|
作成目的 | ビジネスやプロジェクトを実現するための戦略や手順を示し、対象者の承認を得ること | 顧客やクライアントに商品やサービスを提供するための提案をすること |
対象者 | ビジネスのオーナーや投資家、クライアントなどの関係者 | 顧客やクライアント |
内容 | 詳細な概要を提供し、ビジネスの戦略や計画を示す | 製品やサービスの説明やその提供に対するビジネスの計画、提案の詳細を提供する |
企画書と提案書の違いは、目的、対象者、内容の違いを押さえておくと理解しやすいでしょう。
ビジネスにおける企画書の重要性
企画書は、ビジネスをどのように進めていくべきかを明確にしてくれるための重要な文書です。
企画書には、ビジネスの詳細や市場調査、財務データといったあらゆる情報が網羅されているため、関係者はビジネスへの理解を深めることができます。
さらに、全員が目標に対して同じ方向を向くためにも必要な存在です。
ほかにも、企画書には全体スケジュールや実行計画に関しても記載されているため、計画書としての役割も持ちます。
このような点から、企画書はビジネスの成功へ導くために欠かせない書類です。
企画書を書くための事前準備
プロジェクトや事業計画における幹となる企画書は、念入りに準備しておく必要があります。
事前準備無しに企画書を作成すると、説得力に欠けて、マイナス評価につながる可能性があります。
そのようなリスクを避けるためにも、企画書を作成する際の過程をしっかり知っておきましょう。
以下では、企画書の作成において準備すべきポイントを4つ紹介します。
企画の方針を決める
まず、企画の方針を決めましょう。提案する企画をいくつかの項目に分け、おおよその内容を思索・把握しておくことが大切です。
企画書の方向性を決めるために、洗い出しておきたいポイントを紹介します。
1.現状分析
2.課題や解決案
3.企画の概要や目的
4.具体的な主旨
5.予想される結果
6.スケジュール・費用
上記の要素を思索すると、企画の方向性を見込みやすいです。
また、頭の中では理解していても、言葉にしてみると意外な気づきがあるかもしれないので、討論したり書き出したりするとよいでしょう。
ターゲットを設定する
次に、企画を提案するターゲット像を設定しましょう。
ただし、ターゲットを決めるためには、需給や顧客のニーズの分析を徹底することが大切です。ターゲット像を設定した根拠まで明らかにしてください。
また、企画を提案する相手と企画のターゲットを混合してはいけません。企画の提案先とターゲットを明確に分けて、企画を考えましょう。
企画の概要を書き出す
実際に、企画の概要を書き出していきましょう。概要を書き出すときには、課題やその解決案、企画を通して得られる成果を簡潔に書きまとめましょう。
課題や解決案だけでなく、企画を実施するメリットは、箇条書きにしてまとめるとよいでしょう。
企画書の導入部分で、概要とメリットを箇条書きで紹介しておくと、その後の説明が伝わりやすくなります。
企画書を作成するツールを選ぶ
最後に、企画書を作成するためのツールを選びましょう。企画書作成として利用されている代表的なツールは以下のものなどが挙げられます。
- Microsoft PowerPoint
- Google Slides
- Keynote(Macのみ使用可)
上記のツール以外にも、企画書のテンプレート集や画像編集ツール、グラフ作成ツールなども企画書の作成に役立ちます。自分に合ったツールを選定して、スムーズな作成を目指しましょう。
企画書の書き方
一般的な企画書は、下記のような順序で作成されます。
①あらゆる要素を可視化(市場と顧客のニーズ、競合他社の状況、自社の状況など)
②具体的な戦略(企画内容)を立案
③誰に、何を、どのように行うのかなどの、TODOを整理
④実行するためのスケジュールと体制構築
企画書の基本的な構成見本
企画書を作成する際には、まず最初に構成を考えましょう。基本的な項目は以下の7つです。
①導入 |
②現状分析 |
③企画内容 |
④手段 |
⑤目標 |
⑥費用 |
⑦スケジュール |
①導入
今回の企画に至った背景や目的を記載。
②現状分析
現状の課題や問題点は何であるかをデータをもとに記載。
③企画内容
メインとなるパート。イベント、商品、プロジェクトなど、現状分析を踏まえた企画内容・アイデアを記載。
④手段
企画内容を実現するための方法を記載。課題解決に向けたアプローチ方法を具体的に考え、記載するとよい。
⑤目標
今回の企画のゴールを記載。ここでは社内で企画内容の賛同、稟議が通るように適切な売上目標、効果目標などを具体的に示しておくことが重要。
⑥費用
企画内容を実施するにあたって、必要経費や人員などを記載。内容によっては社内調整が必要になる場合もあるため、詳細に記載しておくのが望ましい。
⑦スケジュール
最後に企画内容を実施する想定スケジュール、所要日数などを記載。
企画書作成時の具体的なフレームワーク
企画書の作成方法は、所属している部署や会社によって多様なフレームワークがあります。
ここでは一般的に用いられていて、具体的な内容に落とし込みやすいフレームワークをご紹介します。
3C分析で市場環境を調査
3C分析とは、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の現状からマーケティング戦略を考える手法のことです。
具体的には3C分析では、下記のようにそれぞれの要素を分析します。
①市場・顧客(Customer):市場規模や成長性、顧客のニーズや消費傾向や購買行動
②競合(Competitor):競合他社の現状や強み・弱み、市場における位置付けや評価
③自社(Company):自社の強み・弱み、市場における位置付けや評価
このように市場と顧客のニーズを把握し、競合他社との差別化の方法や、KSF(主要成功要因)を導き出します。
3C分析では、市場や競合の状況を知ることで「自社がどのような特性の商品を打ち出すべきか」を判断しやすくなります。
具体的には、価格帯やターゲット層、コンセプト、訴求方法などの戦略を明確にしていくのがポイントです。
▼関連記事
https://journal.bizocean.jp/format/column/20160209-794/index.html
4C分析で顧客ニーズを調査
3C分析と似通った名前ですが、4C分析は「顧客目線」でマーケティング戦略を考えます。
①顧客価値(Customer Value):顧客の期待値や満足度を分析
②コスト(Cost):顧客が商品・サービスを購入する際の価格の妥当性について分析
③利便性(Convenience):顧客が商品・サービスを購入、利用しやすいかを分析
④コミュニケーション(Communication):顧客と自社のコミュニケーションについて分析
3C分析が市場調査である一方、4C分析は顧客(=商品やサービスを購入・利用するユーザー)について調査するフレームワークです。
4C分析を行うことにより、自社商品・サービスの課題や現状ユーザーが抱いているイメージを抽出できます。
商品やサービスを企画するためには、ユーザーニーズを明確にした上で、アイデアに落とし込む必要があります。
SWOT分析でさらに深掘り
3C分析、4C分析と共によく使用されるフレームワークがSWOT分析です。
SWOT分析では、市場のトレンドや競合状況などの外部環境と、自社の強みやブランド力、品質などの内部環境をプラス要因とマイナス要因に分けて分析します。
①強み(Strength):【内部環境のプラス要素】自社の長所や得意な部分。
②弱み(Weakness):【内部環境のマイナス要素】自社の短所や苦手な部分。
③機会(Opportunity):【外部環境のプラス要素】自社商品やサービスにとってプラスになる社会や市場変化。
④脅威(Threat):【外部環境のマイナス要素】自社商品やサービスにとって悪い影響を与える社会や市場変化。
このSWOT分析は自社の内部・外部環境を把握・理解できるため、事業における戦略の方向性が明確になるという特徴があります。
6W2Hで企画内容をまとめる
分析内容をまとめたあとは具体的な企画内容を記載していきます。多くの場合、下記のような「6W2H」に沿って記載することが一般的です。
このようにTODOを可視化することで、提案を受ける側が企画内容を具体的にイメージできるようになります。
① Who:誰が企画を実行するのかを書く
② What:イベント、商品、プロジェクトなど、メインとなる企画内容を書く
③ Whom:性別や年齢、購買傾向など、どのような人物がターゲットとなるのかを書く
④ When:実施スケジュール、所要日数など、いつ企画を実行するのかを書く
⑤ Where:どこで企画を実行するのかを書く
⑥ Why:現状分析の結果から、企画を実行する目的を書く
⑦ How:使用ツールや露出するメディア、イベント出展など、どのように企画を実行するのかを書く
⑧ How much:売上目標、効果目標などと合わせて、必要経費や人員など企画にどれくらいの費用が掛かるのかを書く
企画書のテンプレート・例文
最後に、実践的に使用できるテンプレートや例文をご紹介します。
パワーポイントを使った企画書
詳細なデータを図解やグラフ、イラストで示したい場合には、パワーポイントを使った企画書フォーマットが便利です。分析結果やデータ推移などを細かく記載しましょう。
- <記載ポイント>
-
- 1枚に1項目を目安
- 一目でわかるようにする
- デザインは統一する
- 図や表は白黒印刷のことも考えた配色にする
<表紙>
<本文例>
以下のようなテンプレートを使うと便利です。
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1枚に構成された企画書
前述したように、企画をより簡潔に伝えるために企画の全貌を1枚にまとめたものを、1枚企画書といいます。1枚企画書は、構想書やコンセプトマップと呼ばれることもあります。
記載すべき項目の全てを、1枚の書類の中にまとめなければなりません。文字が小さくなりすぎないように余計な文言は入れず、企画の本質やポイントだけを書きましょう。
- <記載項目>
-
- タイトル
- 現状分析
- 問題提起
- メインテーマ
- 企画内容詳細
- スケジュール
- コスト/収支
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ワードを使った企画書
すでに決まっている企画内容を伝える場合や、直接説明をするのではなく郵送する場合などは、ワードを使用したビジネス文書形式の企画書が適しています。
ビジネス形式の企画書を作成する場合挨拶文は不要です。日付と宛先をヘッダーに記載し、必要項目を箇条書きにしましょう。
- <記載項目>
-
- 目的
- 概要
- 企画内容
- 効果
- その他添付資料
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採用される企画書の書き方のポイント
採用される企画書を作るには、とにかく読みやすさを重要視することがポイントです。
企画書の内容に、それほど違いはありません。レイアウトやフォントなどを工夫し、とにかく読みやすく仕上げるのがポイントです。
色を使うとしてもあまりカラフルにせず、企画内容やコンセプトを意識して統一感のある色合いに仕上げるとよいでしょう。
内容もできるだけシンプルにまとめて、冗長な表現は使わないようにしてください。すっきりと整った文章、デザインに仕上げましょう。
まとめ
受け手を納得させる企画書を書くには、ポイントを明確に書くことが大切です。
ときにはストーリー立てて、より伝わりやすく企画内容を組み込むといった工夫もするとよいでしょう。
当記事の中には各種企画書テンプレートも多数掲載しているので、シチュエーションや内容に適したテンプレートを選んでみてください。
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