ホチキスの止め方にはマナーがある。正しい位置や注意点を解説
仕事でホチキスを止める機会は多くありますが、書類の向きや種類によってホチキスを止める位置は決まっています。
この記事では、ホチキスを止めるときの正しい位置や、そのほか気を付けるべきことについて、図とともに解説していきます。
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書類の向き別|ホチキスを止める位置
ホチキスを止める位置は、書類の向きや種類によって異なります。誰でも簡単にできる作業だからこそ、きちんとルールを知っておくだけでも優秀なビジネスマンに近づきます。
まずは書類の向き別に、ホチキスを止める位置を見ていきましょう。
横書きの場合は「左上」をホチキスで止める
横書きの書類は、左上にホチキスを止めるのが基本的なマナーです。
横書きの文書は、左上から文章が始まって右下へと読み進めます。下まで来たら文章が終わる右下をつまんで、次のページをめくるのが自然な流れ。
そのため、左上をホチキス止めすることで、読みやすくできるのです。
また、ホチキスの針の向きは斜め45度(/)に1か所止めます。横向き(-)に止めてある書類を目にすることもありますが、ホチキスの針が横向きだと下方向に圧がかかり、ページがめくりづらくなってしまいます。
めくった紙も収まりが悪くなり、止めた箇所に変なシワがつくこともあるので、基本的に針は斜め45度(/)に止めると覚えておきましょう。
縦書きの場合は「右上」をホチキスで止める
縦書きの書類は、右上にホチキスを止めるのが基本的なマナーです。
縦書きの文書は、右上から文章が始まって左下へと読み進めます。下まで来たら文章が終わる左下をつまんで右上にめくって、次のページをめくるのが自然な流れです。
そのため、読みやすいように右上をホチキス止めするのが一般的です。ホチキスの針の向きは横書きと同じく斜め45度(\)にしましょう。
もし逆に止めてしまうと、書類をめくるときに違和感が出てしまうかもしれません。些細なことですが、書類をより使いやすくするために、ホチキスの針は斜め45度(\)で止めるようにしましょう。
縦書きと横書きの混在している場合は「左上」をホチキスで止める
資料によっては、図解やデータの引用などがされ、縦書きと横書きが混在している場合もあります。
こういったケースでは、横書きの書類を左に90度回転させて書類を縦長にしたうえで、その左上にホチキスを止めるのが基本的なマナーです。これは、ホチキス止めだけでなくクリアファイルへの入れ方でも同じことがいえます。
ただし、メインとなる資料が横書きである場合には、見る方向に合わせて左上に止めるか右上に止めるかを決めましょう。
紙のめくりやすさ、読みやすさに重点を置いてホチキスを止める位置を決めてみてください。
書類の種類別|ホチキスの止める位置
ホチキスを止める位置は、書類の向きで決めることが一般的ですが、書類の種類によってもルールがあります。
ここでは下記の書類ごとに、ホチキスの止め方を説明しますので、ぜひご参照ください。
- レポート
- パワポ資料
- 会議資料
- 契約書
- 手作り冊子
- その他ビジネス書類
レポートのホチキスの止め方
レポートをホチキスで止めて提出する場合、提出先からホチキスを止める位置について指示があるかチェックしましょう。
実験レポートなどを提出する際は、ホチキスを止める位置について指示されているものが多くあります。各大学のレポート指示を見てみると、A4版(縦長)の用紙に横書きするレポートなら、レポートの左上をホチキスで止めるのが主流のようです。
ただし、提出先によっては「上綴じ」「左側2箇所を綴じる」などの指示もあります。
もしレポート提出先からの指示がなければ、書類の向きに応じたホチキスの止め方マナーに従って止めるとよいでしょう。
針の向きに関しては、書類のめくりやすさや使いやすさを考慮して決めてみてください。
パワポ資料のホチキスの止め方
パワーポイントの資料を片面印刷してホチキスで止めるときは、左上に止めるのが一般的です。針の向きは斜め45度(/)が適切でしょう。
ただし、両面印刷する場合は左側2か所をホチキスで止めて横綴じするのがおすすめです。
左上を止めると、資料を毎回裏返す手間が発生して扱いにくくなってしまいます。
また、ホチキス機能(ステープル機能)を搭載しているプリンターであれば、ホチキス止めをした状態で印刷を出すことも可能です。
パワーポイント側の印刷設定から「プロパティ」→「トレイ/排出」→「ホチキス」と進み、ホチキスを止める位置や部数を選択してから「OK」を押して印刷してください。
会議資料のホチキスの止め方
会議資料をホチキスで止める場合、基本的には以下のように書類の向きに合わせたホチキスの止め方に従ってください。
書類の向き |
ホチキスを止める位置 |
---|---|
横書き |
左上 |
縦書き |
右上 |
横書き・縦書きが混在している |
左上 |
ただし会議資料が両面印刷の場合は、左側の上下2か所をホチキスで止める横綴じがおすすめです。
資料全体を見て文字の向きや印刷の状況をチェックし、使う人が読みやすくなるように考えながらホチキスを止める位置を決めましょう。
契約書のホチキスの止め方
複数枚にわたる契約書の場合、改ざんを防ぐためにホチキス止めと、製本が必要になります。
まずは左側2~3か所をホチキスで止めます。止める位置はあまり内側に寄りすぎないようにしてください。
これは、製本テープで袋とじをする場合に内側すぎるとテープで隠せなくなるためです。端から3~5mmを目安にするとちょうど良いでしょう。
また、契約書をホチキス止めする際には、契印(割印)を押す必要があります。製本をする場合には、表もしくは裏表紙の製本テープと契約書の境目に押せば完了です。
もし、ホチキス止めだけの場合には、全ての見開き部分に両ページをまたぐようにして契印を押す必要があります。
手作り冊子のホチキスの止め方
手製の冊子をホチキスで止める場合、「平綴じ」もしくは「中綴じ」で止めます。平綴じは「ホチキス止め」と呼ばれており、表紙から裏表紙までホチキスで止める綴じ方です。
職場や学校で、目にしたことのある方も多いでしょう。中綴じは、二つ折りした折り目上をホチキスで止める綴じ方です。
ホチキスの針の大きさによって綴じられる枚数に差はありますが、多くても数十ページ程度に収めましょう。
ホチキスはそこまで多くのページを綴じるものではありません。ページ数が多くなると強度に不安が出てくる場合もあります。
また用途に応じて、平綴じと中綴じを使い分けてください。見開きのイラストや図を載せたい場合には、中央までページを開き切ることができる中綴じがおすすめです。
その他ビジネス書類のホチキスの止め方
その他ビジネス書類も、他の書類と同じように、基本的には書類の向きに合わせてホチキスを止める位置を決めれば問題ありません。
まずは書類全体に目を通し、次に使う人の目線に立って、書類を扱いやすいように綴じましょう。
針の向きにも気をつけながら、細やかな気遣いの感じられるホチキス止めを目指してみてください。
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シーン別|ホチキスの止める位置
書類の枚数が多かったり、ファイリングする必要があったりする場合は、止め方を工夫したほうが良いケースもあります。
書類が多いときのホチキスの止め方と、ファイリング前提の書類のホチキスの止め方について解説します。
書類が多い場合は?
書類の枚数が多いときは、製本のように2か所止めするか、中綴じするのがおすすめです。下記にて具体的な手順を紹介します。
平綴じで2か所止め
書類の枚数が多く、針が1か所だけだと扱いづらい場合は、ホチキスで2か所止めをしましょう。2か所止めることによって、書類は安定します。
例えば縦向きで左にめくっていく書類なら左側に2か所、ホチキスの針が縦に真っ直ぐになるように止めます。
横向きで上にめくっていく書類なら、書類の上部に2か所、ホチキスの針を横に真っ直ぐになるように止めましょう。
冊子のように中綴じ
中綴じすると、冊子のように美しく仕上がります。
すべての書類を2つ折りにしたらホチキスを180度開き、背表紙側から折り目に針を当てましょう。そのまま強く針を押し込んだら書類を裏返して、飛び出た針をペンチなどで畳み込みます。
ただし、普通のホチキスだと失敗したり、止めたいところに針が届かなかったりする場合があります。うまく中綴じできないときは、中綴じ専用のホチキスを使ってみてください。
ファイリングが前提の書類の場合は?
ファイリングが前提の書類も、書類の向きに合わせてホチキスを止める位置を決めましょう。
縦長の向きでファイリングしたとき、ホチキスの針が左上にくるようにするのが基本です。
ただし企業によっては独自ルールを設けていることもあるので、事前に確認してください。独自ルールがある場合は一般的なマナーよりも独自ルールを優先しましょう。
また、ファイリングをするとき、全ての書類の左上にホチキスの針があると、左上の部分だけ厚みが増してファイリングしづらくなる場合があります。
ファイリングの状況に応じて、少しずらしてホチキスを止めるといった工夫を凝らしましょう。
ホチキス止めするときの注意点
書類をホチキスで止める際に、針の向きや使用するホチキスの種類で注意したいことがあります。詳しく見ていきましょう。
ホチキスの針は斜め?真っ直ぐ?
先ほども解説したとおり、ページのめくりやすさや紙の収まり方からもホチキスの針の向きは斜めに止めることがルールです。
ただし、社内ルールとしてあえて真っ直ぐな横向きに統一しているという企業もあるかもしれません。その場合は、社内のルールに従いましょう。
また、ホチキスを止める位置や間隔にも注意したいところです。例えば説明文書とアンケートを一緒にホチキスで止めたい場合、アンケートが取り外しやすいように、紙の角ギリギリで止めることもあります。
針が外れたら困る資料は、文章寄りの深い位置にホチキスを止めることもあるでしょう。
これらは企業や部署、担当者によって考え方が異なるものであるため、周りの様子を伺ってみるのもいいかもしれません。
針なしホチキスは使っていい?
最近は針なしホチキスも普及していますが、ビジネスシーンでの針なしホチキスの使用は避けたほうが良いでしょう。
針なしホチキスは、針で止めるホチキスよりも強度が弱く、書類の閲覧中にバラバラになってしまい、相手に迷惑をかける可能性があるためです。
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手元のホチキスで冊子を作る方法
ホチキスで書類を止めるのは簡単ですが、なんとなく味気ないなと思ったことはありませんか?
書類を2つに折って、その折り目の部分にホチキスの針を止めることができればホチキスの針が見えず、見栄えが良くなります。
手元にあるホチキスで、きれいに製本する裏技をご紹介します。用意するものは、180度開くホチキスのみです。
- ホチキスを180度開き、針をさす位置を確認する
- 製本したい部分にホチキスを刺す
- 裏返しにして、出ている針をペンチで調整する
ただし、手元にあるホチキスでは限界があるかもしれません。
書類に厚みがある場合も普通のホチキスでは難しいので、確実に製本したい場合は製本用のホチキスをご用意ください。
さらに詳しくはこちら
契約書をキレイに製本する方法とは? 分かりやすい製本のやり方
まとめ
普段何気なく使っているホチキスにも、基本的なビジネスマナーが存在します。
難しい内容ではなく、書類を見る人がいかに書類を扱いやすいかを考えることがポイントです。
ただし、企業によって独自のルールがある場合があります。基本のマナーを押さえながらも、独自ルールがある場合は独自ルールに従ってください。
たかがホチキス止めと考えずに、もし迷った場合は1部作成して、上司にチェックしてもらうのも良いでしょう。たくさんの書類を作った後にミスに気付いても、やり直すのは大変です。
また、ご自身が書類を受け取る立場になったときは、どこにホチキス止めがされているかをチェックしておきましょう。普段もらっている資料を参考にすれば、独自ルールも網羅しやすいはずです。
ホチキス止めは難しい作業ではありませんが、だからこそ小さな気遣いが光るところでもあります。ビジネスマナーや独自ルール、書類の用途や扱いやすさを押さえながら、ホチキスを止める位置を決めましょう。
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