香典返しに添えるお礼状について。感謝の気持ちも伝わるマナーに沿った例文もご紹介
香典返しやお礼は、互いの敬意と感謝の気持ちを示す大切な行為です。適切なマナーやお礼の例文を参考にしながら、大切な人たちに対して誠実で心温まる香典返しのお礼状を用意しましょう。
この記事では、急きょ必要になった香典返しにも対応できるお礼状のマナーの紹介と例文・テンプレートの紹介をします。
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香典返しのお礼の意味
香典返しは本来、故人の法要が滞りなく行われたことのご報告と、葬儀や法事に参列した際に贈られた香典に対する感謝の気持ちを、直接訪問してお渡しするものです。忌明けの四十九日法要から1カ月以内に、先方にお渡しすることが多いようです。
お礼状は、直接口頭で伝えることができない場合に、お礼として挨拶状を添えたのが本来の意味ですが、最近は配送で香典返しを送るケースが多いために、失礼にならないようにお礼状を添えるのが一般的とされています。
もし香典返しを直接手渡しするのなら、お礼状は不要です。
香典返しのお礼状の基本的な構成
香典返しのお礼状の基本的な構成は、それほど複雑ではありません。送る対象によって内容を変えることはありますが、おおまかに以下のことを盛り込めば問題ありません。
香典へのお礼
まずは香典をいただいたことへの感謝の気持ちを述べます。友人知人のような故人との関係が深い方には、故人の趣味や思い出を盛り込んでみても良いでしょう。親類などの場合は、よりくだけた内容でも問題はありません。
法要の報告
四十九日法要を終えたことを報告する言葉を述べます。遺族に対しては、喪に服す期間が明けたことを伝える意味もあります。
「おかげさまをもちまして滞りなく忌明けいたしました」といった簡易な言葉でも大丈夫です。宗教や宗派によって内容が変わる場合もあります。
故人が生前お世話になったことへのお礼
故人とのお付き合いに感謝の気持ちを伝えます。「生前は何かとお世話になりましたことを厚く御礼申し上げます」「心置きなく旅立てたと思います」といったお礼の言葉を添えるとさらに良いでしょう。
香典返しの品を送ることの報告
香典返しの品物をお送りすることについて報告します。「供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたします」「ご受納賜りたくお願い申し上げます」などと書きます。
略儀で済ませることへのお詫び
書面で済ませることについてのお詫びを書き添えます。「略儀失礼ながら書中をもちまして謹んでご挨拶申し上げます」など、直接挨拶に伺えないことに対する一文を入れましょう。
お礼状の作成のポイントと注意点
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香典返しのお礼状には、他にはない注意点がいくつもあります。普通の手紙を書く感覚では思わぬマナー違反をしてしまうので、しっかり確認しておきましょう。
句読点は使わない
香典返しのお礼状では「。」や「、」の句読点は使わない、とされています。理由としては、かつての毛筆のころの名残とも、滞りなく法要を終わらせるためとも言われますが、それゆえにご年配の方などは違和感を覚えることもあるでしょう。改行や空白で代用するのが基本です。
参考画像には句読点が含まれていますが、テンプレートの利用時には、調整すると良いでしょう。
忌み言葉に注意する
冠婚葬祭では使わない言葉がある、と聞いたことがありますよね。香典返しのお礼状では、「ますます」「くれぐれも」「たびたび」などの重ね言葉、「死亡」や「生きる」など生死に関する言葉、「迷う」、「浮かばれぬ」といった単語などがそれにあたります。
忌み言葉はあらかじめ調べておきましょう。
季節の挨拶は不要
香典返しのお礼状では、季節の挨拶は不要です。拝啓や敬白のような頭語・結語は使っても使わなくても良いですが、片方のみは失礼にあたります。
また、特に親しい方などへは、香典返しとは別にメッセージを用意する方が良いかもしれません。
封筒や用紙の数にも決まりがある
お礼状には、奉書紙という紙を使って縦書きにするのが正式と言われます。
しかし最近では、手軽に使えるカードやハガキのお礼状もあるので、参考にしても良いでしょう。お礼状は長くならないように1枚にとどめ、白無地の一重の封筒に入れるのがマナーです。封筒の表書きは「御挨拶」あるいは「御礼」として、裏に喪主の住所・氏名を書きます。
香典返しに添えるお礼の例文集
頻繁に利用することがない香典返しのお礼状ですから、例文があると安心ですよね。以下を参考にしてみてください。親しい間柄の方へは、手書きのものを用意してみましょう。
テンプレートは以下のページからダウンロードが可能です。
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家族や親せきへのお礼の言葉の例文
先般 (続柄)〇〇〇儀死去に際しましては ご多用のところ 会葬を賜り誠にありがたく厚く御礼申し上げます おかげさまをもちまして四十九日法要を無事に済ませましたことをご報告いたします
つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたしましたので何卒ご受納ください
本来であれば直接ご挨拶にうかがい御礼申し上げるところ 略儀ながら書中にてご挨拶にかえさせていただきます
〇〇年〇月〇日(和暦の年月日)
〇〇〇(氏名)
友人や知人へのお礼の言葉の例文
この度(続柄)〇〇〇儀死去に際しましては 過分なお気遣いをいただき誠にありがとうございます
親しい皆様にお見送りしていただき(続柄)も喜んでいることでしょう
〇〇〇様には生前 旅行や趣味の集まりなどに(続柄)を誘っていただき (続柄)もいつもその予定を楽しみにしておりました 改めて過分なお心遣いに厚く御礼申し上げます おかげをもちまして滞りなく四十九日法要を営むことができました
お礼の印として心ばかりの品をお送りいたしますので どうぞご受納ください
本来であれば直接ご挨拶にうかがい御礼をすべきところ 略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます
〇〇年〇月〇日(和暦の年月日)
〇〇〇(氏名)
仕事関係や上司へのお礼の言葉の例文
拝啓〇〇〇儀死去に際しましては ご多用の中にもかかわらず ご丁寧なご弔詞ならびにご供物を賜りまして 誠にありがたく 心より御礼申し上げます
おかげさまで本日 四十九日法要を滞りなく相済ませることができました 改めて故人生前中に賜りましたご厚情に対し 深く感謝申し上げます
つきましては 供養の印までに心ばかりの品をお送りいたしましたので 何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら 書面を持ちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます
敬白
〇〇年〇月〇日(和暦の年月日)
〇〇〇(氏名)
香典返しをいただいたお礼は必要?
香典返しをいただいた場合、そのお礼をする必要はありません。いつまでもやり取りを続けるのではなく一区切りする意味で、香典返しのお礼をする必要はないのです。
それでも親しい間柄の場合には、何かしらのやり取りをすることもあるでしょう。
その場合には、香典返しのお礼が届いたことの報告というかたちで伝えましょう。その際は、忌み言葉にも注意を払います。
まとめ
自分が喪主の側になると、とても忙しく香典返しの手配も苦労することでしょう。
葬儀の一連の流れをサポートしてくれるサービスもありますので、活用してみるのも一案です。なかでもお礼状は、故人に対する思いや真心を、葬儀に参列いただいた皆さんとあらためて思い起こす場となります。宗教や礼儀を踏まえつつ、お礼の気持ちを伝えましょう。
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