はじめての事業計画書作成!ターゲット選定と販促計画(家事代行編)
あなたのお客さまにしっかり向かい合ってみましょう。
あなたのお客さまは、いまごろどこで何をしているでしょう?
本日注文してくださったお客さまは、どのようなきっかけで連絡をくださったのでしょう?
次回は、いつごろ連絡をいただけるでしょう?
どのような取り組みをすれば、1日でも早くご連絡いただくことができるでしょう?
また、お知り合いを紹介してもらうことや、当店のよい口コミを発信していただけることは、期待できるでしょうか?
あなたのお客さまは?
早速ですが、「当店のお客さまには、どのような方が多いですか?」と店内で問いかけてみてください。誰からも似たようなお客さま像が返ってきますか?きっと、人によって意見が違うのではないでしょうか。苦手なお客さまの話をするスタッフ、特徴的なお客さまの話ばかりをするスタッフ、迷ってしまってなかなか答えられないスタッフなど、いろいろな反応が返ってくるはずです。
家事代行サービスは、各家庭の事情や要望に合わせたサービスを提供するものですが、地域性などから中心的なお客さま(自店として重視すべきお客さま)を設定することがとても大切です。それができたら、その中心的なお客さまの注文パターンや要望について分析をしてみましょう。「そのお客さまは、どれくらいの割合か?軒数ベースではどうか?売上ベースではどうか?」。客単価、注文頻度、利用メニューなど、実績データを紐解きながら、お客さま像の解像度を上げていきましょう。
ペルソナを社内で共有しましょう
“ペルソナ”という言葉を聞いたことがありますか?1980年ごろから提唱されている考え方で、マーケティング戦略を検討するために設定する“最も自店の家事代行サービスをご利用いただきたい、または、最も活用するであろう想像上の顧客”のことを指します。
具体的には、年齢、性別、居住エリア、職業(夫妻ともに)・世帯年収、最終学歴、性格、趣味・関心ごとなど。さらには、日常の行動パターン、お金の使い道、不満・悩み、使っているデバイス、どの新聞を購読しているかなど、できるだけ細かくイメージし、解像度を上げていきます。すでに一定の顧客を抱えている店舗なら、「〇〇さまが当店のペルソナです」と、既存顧客がペルソナになるかもしれません。
よく似た言葉に、“ターゲット”という耳なじみのある言葉があります。しかし、これは似て非なるものです。ターゲットは、もともと「的」を意味する言葉で、年代、性別、学歴、年収、既婚・未婚などの属性で顧客層をいくつかのグループに分類することを指します。例えば「40代~50代の男性会社員」「東京在住で一人暮らしをしている女子大学生」などです。ところが近年は、お客さまのライフスタイルが多様化したことで、この程度の分類だけでは顧客のニーズの予測ができなくなってきたため、“ペルソナ”という考え方が生まれました。ペルソナの設定では、上述のように想像上の顧客に名前をつけるほど詳細にいたるまで明確に設定します。ペルソナを設定するメリットは、“顧客視点でサービスの内容や提供方法が考えられるようになること”や“店内スタッフ間の共通認識を持った話し合いができること”です。より小さなコストで顧客の獲得や満足度の向上が図れるようになります。
一方で、注意すべき点もあります。それは、“自分たちの理想像にしすぎないこと”や“先入観や思い込みを持たないこと”です。そのためにも、定期的にペルソナ設定を見直す必要があります。顧客アンケートやスタッフ間での意見出し、売上データの分析など、事実に基づいた情報を重視しましょう。
お客さまの課題を把握しましょう
ペルソナの設定ができたら、お客さまの課題(お困りごと)について店内で考えてみましょう。既存客の情報はサービススタッフから、新規客の情報は営業担当や事務員から集めます。気をつけないといけないことは、私たちは印象に残ったお客さまや自分たちの理想の情報を重視して考えがちなため、間違った情報をもとに検討を進めてしまわないことです。
販促で大切な2つのこと
世の中には、いろいろな販促活動があります。しかし、過去の経験や広告業者などからの提案を鵜呑みにし、感情的・直感的に決めていることが多いと感じます。販促活動で大切なことはとても簡単なことなのですが、これを守ることがなかなか難しいのです。
大切なことは、正しい評価
上述のように「●●は効果がイマイチ。今は△△がいいらしいよ!?」という、感情的で根拠のない評価に関する話をよく耳にします。
「どの指標をアップさせるため(目的)に行うのか?そして結果(目的の達成度)はどうだったのか?」。これだけを決めて、活動の前後で比較するだけでよいのです。自分たちの販促活動の成果を正しく理解、評価するためにも、すぐにでも取り組んでいただきたいと思います。
例えば、地元のミニコミ誌にキャンペーンの告知広告を掲載したとしましょう。もちろん、自店のペルソナに向けて発信します。目的はどのように設定しましょうか?「キャンペーンの告知なのだから、売上では?」と考えるのではないでしょうか?もちろん売上が最終目的ではあるのですが、売上はサービス日程や料金が折り合わないなど不確定要素もたくさんあり、広告の目的や評価軸として適切ではありません。もっと上流の、“お問い合わせ数の獲得”や“見込み客情報の収集”などを目的として設定すべきです。この場合、目的と一緒に目標も設定し、その達成度を評価基準とすればよいでしょう。
PDCAが大切
目的・評価指標が決定したら、計画を立ててさっそく実行に移します。
販促の効果を高めるために最も大切なことの1つに、“継続して実行する”ことがあります。「効果がある」と聞けば飛びつき、「すぐに効果が感じられない」とまた違うアイデアに走る。販促活動以外にもたくさんの業務で多忙な中、そのような発想になってしまうことはわかりますが、残念ながらこれが一番やってはいけない方法です。それを防止するための特効薬として「計画段階で実行期間や回数を長めに設定する」というものがあります。
計画期間が終われば、あらかじめ設定しておいた評価軸で中間評価を行います。そして、その評価を参考に改善を行います。その結果を招いた要因は、内容なのか、時期なのか、広告媒体なのか?スタッフの声、デスク、お客さま、データ以外の定性的な情報も集めることをお勧めします。お客さまの生の声を集めることも、販促活動の質を高めるために有効な方法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?自店近隣にお住まいのみなさまに広く知っていただき、利用していただくきっかけを作ることは、サービス品質の向上と同じくらい大切な活動になります。本日お伝えしたことは、どれも当たり前のことばかりですが継続することが重要です。これができているお店は安定した売上と品質の確保ができています。これだけを地道に行うことで、近隣の競合よりも一歩リードできるのです。やらない手はないでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。