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会計業務とは? 具体的な内容や経理・財務との違いを解説

会計業務とは? 具体的な内容や経理・財務との違いを解説

会計業務は企業経営を支える重要な役割を担っています。しかし、その具体的な内容や重要性について、詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

本記事では、会計業務の定義や目的、具体的な業務内容、経理や財務との違いなどについて詳しく解説します。会計業務の全体像を把握することで、企業経営における会計の重要性がより深く理解できるでしょう。


この記事の監修者
ACLEAN会計事務所 代表  公認会計士・税理士 

会計業務とは?

会計は企業経営の根幹を支える役割を担っています。ですが、会計業務の目的や、企業経営にどのような影響を与えているのか、よく知らない方もいるのではないでしょうか。

そこでまず、会計業務の定義や目的、財務会計と管理会計の違いについて詳しく解説します。

会計業務の定義と目的

会計の主な目的は、企業の財務状況を把握・分析し、経営層と外部の投資家や金融機関などにその情報を明確に提供することです。経営層は、これら財務諸表を通じて自社の財務状態を正しく把握でき、経営戦略や予算計画などの意思決定を適切に行うことができます。

また外部の利害関係者にとっては、企業に出資をするかどうかの判断材料になります。このように、会計業務は企業の健全な運営と持続的な成長を支える重要な基盤となっているのです。

財務会計と管理会計の違い

会計業務は主に「財務会計」と「管理会計」の2つに分類されます。

財務会計は法律や会計基準に基づく統一的な報告を行い、外部の利害関係者に提供することが主な目的です。一方、管理会計は、企業独自の視点で柔軟な分析や予測を、企業内部や経営者の意思決定のために行います。


会計業務の具体的な内容

会計は日々の記録から年次の決算まで、時期に応じて様々な業務に携わります。

ここでは、日次、月次、年次に分けて、会計業務について詳しく見ていきましょう。各時期の業務内容を理解することで、会計業務全体の流れと重要性がより明確になります。

日次の会計業務

日次の会計業務は、企業の日々の経済活動を正確に記録し、現金や預金の残高を管理することです。これにより、日々の資金繰りが把握でき、会計処理における不正やミスの早期発見に繋がります。

地道な作業であるものの、企業の財務健全性を維持する上では欠かせない業務です。

月次の会計業務

月次の会計業務は、1ヶ月間の経済活動をまとめ、企業の短期的な財務状況を把握することです。この月次の分析により、経営者は迅速な意思決定や軌道修正を行うことができます。

月次業務で分析された財務情報は、短期的な経営判断や予算管理に活用しましょう。

年次の会計業務

年次の会計業務は、1年間の企業活動を総括し、法律で定められた報告を行うことです。この年次決算により、企業の経営成績と財政状態を明らかにし、次年度の経営計画立案に役立てます。

このようにスムーズに年次業務を遂行するためには、日次・月次の正確な会計処理の積み重ねが欠かせません。


会計・経理・財務の違い

企業の財務管理において、会計とは別に「経理」「財務」という言葉をよく耳にする方もいるでしょう。これら3分野の関連性は高いものの、それぞれの役割と目的は異なります。

以下では、会計と経理、会計と財務の違いについて詳しく解説します。

経理と会計の違い

経理と会計は英語ではどちらもaccountingですが、大きな違いは、業務範囲にあります。
会計は企業全体の財務情報を収集、分析し、報告することが主な役割です。一方、経理は日常的な金銭管理を担当し、より細かい実務を行うことが主な役割となっています。

つまり、経理が日々の金銭的な取引を正確に記録し、会計がそれらの情報を基に企業全体の財務状況を把握・分析するという関係です。

財務と会計の違い

会計では企業の経済活動を記録しているため、外部の利害関係者や内部の経営層は最適な資金調達方法や投資判断を行い、企業の財務健全性を維持します。一方財務部門は、キャッシュ・フロー計算書を作成し、会計の意思決定情報をもとに、企業の資金調達や運用を行い、会計情報を基に重要な財務戦略を決定する役割があります。


会計業務のプロセスと重要なポイント

会計業務を適切に行うためには、以下の3点が重要です。

  • 正確な記録と帳簿管理をする
  • 証憑書類を適切に保管する
  • 会計原則の基本を遵守する

ここでは、より信頼性の高い会計業務を実現するために、上記のポイントについて詳しく解説します。

正確な記録と帳簿管理をする

正確な会計処理のためには、取引を適時に記録し、帳簿を体系的に管理することが不可欠です。これにより、財務報告の信頼性が向上し、迅速な経営判断が可能になります。また、日々の金銭管理に気を配ることで、監査や税務調査への対応がスムーズになり、不正や誤りの早期発見にも役立つでしょう。

証憑書類を適切に保管する

証憑書類とは、取引の証拠となる書類のことで、請求書、領収書、契約書などが含まれます。これらの書類を適切に保管・管理することは、会計の信頼性を高める上で非常に重要です。

また、証憑書類の適切な保管は、不正防止や税務申告の正確性を確保することにも繋がります。税法に則って証憑書類を保管していれば、税務調査時にも問題なく対応できるでしょう。

会計原則の基本を遵守する

会計原則とは、会計業務において、全ての企業が守るべき基本的なルールをまとめたものです。会計に関するルールは、国や作成した機関によって異なります。財務諸表の作成においては、財務報告の信頼性と比較可能性確保のため、一般に公正妥当と認められる会計原則「GAAP」を遵守することが不可欠です。

統一された会計原則に従うことで、異なる企業間の財務状況を公平に比較することが可能になります。企業会計原則については、下記の記事を参照してください。


主要な財務諸表の概要

財務諸表は、企業の財務状況を外部に報告するための重要な書類です。主要な財務諸表には、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)があります。これらの財務諸表は、それぞれ異なる側面から企業の財務状況を示しており、経営者や投資家などが企業経営を測る際の情報源です。

ここでは、貸借対照表と損益計算書の役割についてそれぞれ詳しく解説します。

貸借対照表(B/S)の役割

貸借対照表は、特定時点での企業の財政状態を示す重要な財務諸表です。資産、負債、純資産の3要素で構成され、企業の財産と調達源泉を明らかにします。

その主な役割は、財政状態の把握、支払能力の評価、財務的健全性の判断、そして投資判断の材料提供です。

損益計算書(P/L)の役割

損益計算書は、一定期間の企業の経営成績を示す財務諸表です。売上高、費用、利益(または損失)を表示し、企業の収益力を明らかにします。

その主な役割は、経営成績の把握、収益性の評価、業績トレンドの分析、配当可能利益の算定です。そのため、損益計算書は経営戦略や事業計画を立てる上での基本情報となります。


会計業務を属人化させないために

会計業務は多岐にわたるため、広い知識と正確なプロセス管理のスキルが必要です。

しかし、プロフェッショナルの担当に依存した属人的な管理体制は労務リスクを伴います。
担当者の採用難易度もあがり、責任者不在になりかねません。

このような課題を解決するために、専門知識がなくても会計業務を行える会計システムの導入は企業にとって必要不可欠となりつつあります。


会計業務の重要性と企業経営への影響を理解しよう

本記事では、会計の概要や具体的な業務内容、経理と財務との違いや重要なポイントなどを解説しました。会計業務は主に、財務会計と管理業務の2つです。財務会計は、外部の投資家などに財務状況を報告するのに対し、管理会計は、内部の経営陣に向けた財務の管理・分析を行います。

会計において、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表の作成は特に重要な業務です。日次業務での記録や経理から提供される情報を基に、正確な財務諸表を作成することで、経営層の意思決定をサポートします。また、会計原則を遵守し、証憑書類や帳簿を適切に管理することも欠かせません。

会計業務は、健全な企業経営と持続的な成長を支える仕事です。本記事を参考に、会計業務の重要性と企業経営の全体像を再確認しましょう。


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監修者プロフィール

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辻 哲弥

ACLEAN会計事務所 代表 公認会計士・税理士

1998年愛知県一宮市生まれ。2017年愛知県立一宮高等学校卒業後、2018年公認会計士試験受験。2019年有限責任監査法人トーマツに同年最年少の20歳で入社し、製造業・建設業・不動産業・銀行・運送業・製薬業・IT・官公庁等、幅広い業種で延べ20社以上の監査業務に従事。

2022年同法人を退社後、慶應義塾大学大学院法務研究科に入学。大学院で法律を勉強する傍ら、会計事務所にて税務を学ぶ。同年8月公認会計士登録(登録番号:42636)。同年9月税理士登録(登録番号:149486)、ACLEAN会計事務所設立、再生可能エネルギー電力会社のCFO就任。美ボディコンテスト優勝経験あり。

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